eバイク旅ノート Vol.28 プレイバック!旅ノート2021

2020年秋、eバイクによる日本一周の旅を目指して始まったコラム「旅ノート」。様々な旅を実現しながら、2021年9月の日本一周スタートへ向けて準備を進めていたが、コロナの感染爆発の影響を受けて、残念ながら翌年(2022年)へ延期となった。そこで、紆余曲折のあった2021年を振り返ってみよう。

1月

2020年秋に買ったヤマハのYPJ-ERによる、相模湖ツーリングが走り始め。寒むさにめげず、毎週のようにeバイクで出かけていた。緊急事態宣言が出たこともあり、行き先は近くが多かった。定番は相模川で、下旬には相模川沿いを遡り、津久井湖、さらに相模湖まで走った。

YPJ-ER
2020年11月に購入したヤマハ・YPJ-ERが最初の愛車eバイクとなった。40年ぶりのドロップハンドルはただ走っているだけで新鮮だった

2月

コロナの新規感染者は徐々に減ってきたが、感染予防を考えて県境を越える旅は控えるようにしていた。市内や隣接する町に面白いスポットをネット検索。友人が教えてくれた厚木にある玉子サンド無人販売所へ行ってみたり。またマイクロツーリズムの視点で、神奈川県内の一番端を目指す旅をしたこともあった。行動範囲が限定されることで逆に、遠くへ行かなくても近くで楽しめる場所がたくさんあることがわかった。

厚木の玉子サンド無人販売所
SNSで友人が教えてくれたのが厚木市にある玉子サンドの無人販売所。大人気で僕が買ったのがラスト3個目。ギリギリ危なかった~
川崎の浮島
神奈川県内の端を目指す旅。ひたすら東へ向かって走り続けた末に着いた場所は、川崎工業地帯の先にある埋め立て地、浮島だった

3月

先月に続いて今月も神奈川県の端を目指す旅をした。今月は最北端の和田峠へ。ほかにも地元相模原市内の人気スポット、レトロ自動販売機コーナーを訪ねたり、月末には桜の開花を受けて市内の桜の名所をめぐった。

和田峠
神奈川県最北端は東京都との県境にある和田峠の近く。和田峠は高校時代に一度自転車で来ているはずだが、景色は全く記憶にない(笑)
レトロ自販機センター
いまや相模原市随一の珍スポットになっている、レトロ自動販売機センター。そばやうどん、ハンバーガー、瓶コーラなどが買える
相模原市の桜
eバイクで市内の桜名所をめぐった。コロナの影響でお花見が禁止になっていたので、どこも人が少なかった。いつもとは違う景色を楽しんだ

4月

花の季節。桜、芝桜、チューリップや野花など、市内の花風景を訪ねた。また10代の頃から自転車やオートバイで何度も来ている、定番コース、ヤビツ峠にも久しぶりに上った。いまはロードバイクの聖地になっていてたくさんのバイクとすれ違った。ヤビツ峠には新しくレストハウスがオープン、そこで食べた「ロイヤルカレー」は美味だった。

ヤビツ峠
伊勢原方面からヤビツ峠へ向かった。大昔からある木造の売店が懐かしかった。自転車は多かったがeバイクには出会えなかった

5月

私事で恐縮だが、5月9日は誕生日。無事60歳を迎えることができた。自分が還暦とはいまでも信じられないが、戸籍によると、どうやら本当らしい(笑)。どちらにしても59歳からはじめたeバイクを子供ように楽しんでいる。温かく雨も少ない一番いい季節なので、時間を見つけては相模川や宮ケ瀬湖まで走った。

バースデーケーキ
妻とふたりで60歳の誕生日を祝った。赤いちゃんちゃんこは不要だ。今年妻が60歳になる、還暦記念に金髪に染める予定だという

6月

日本一周の内容が決定。サイクルトレーラーを改良したミニバスに世界各国の人が名前を付けたぬいぐるみたちが乗車。ぬいぐるみを通じて日本一周を疑似体験してもらうという企画にした。その名は「インターネットジャーニー」。どんな旅になるのか楽しみだ。またネットで注文していたサイクルトレーラーを受け取ったのも6月。秋にスタートする日本一周に使う予定で、eバイクの後輪に繋ぎ練習走行を始めた。

インターネットジャーニーのイラスト
インターネットジャーニー・日本一周プロジェクトの内容を漫画の企画書にした。絵はイラストレーターとしても活動している僕の直筆

7月

「インターネットジャーニー」の日本一周をヤマハ発動機が応援してくれることになった。十数年前の電動バイク世界一周の時にお世話になったのがヤマハ発動機、電動アシスト付き自転車の世に送り出したメーカーでもある。車両は様々な路面状況を考え、フロントサスペンション、リヤキャリヤ、ドロヨケ、スタンドを標準装備しているツーリングモデル、YPJ-TCを選んだ。ただ、日本はコロナの新規感染者の増加を受けて、4度目の緊急事態宣言が発令。東京オリンピックも無観客化の決定するなど、社会的には先が見えない状況になっていった。

YPJ-TC
ヤマハYPJ-TCの利点のひとつが、13.3Ah大容量リチウムイオンバッテリー。満充電・スタンダードモードで109kmの走行が可能

8月

サイクルトレーラーを自作でミニバスへ改造。工作は好きだが、こういうものを作るのは初めて、ちゃんとできるのか心配だったが、想像以上のものが出来上がった。大きな窓を付け、外からぬいぐるみたちが見えるように工夫。フラッグや反射板も取り付け安全性も確保した。一方、コロナの新規感染者数は第5波として増加、緊急事態宣言期間も延長などを受け、感染予防の視点から日本一周を来年へ延期することを決めた。

自作のミニバス
自作のミニバス。映画「幸せの黄色いハンカチ」が好きなので黄色にした。このミニバスで日本と世界中へハッピーを送る予定だったが……
篭坂峠
体力維持から近郊の旅は継続。富士山一周に挑んだが、最後の難関、篭坂峠の前でバッテリー残量が0%! 峠までバイクを押して上った

9月

沼津の海岸(海抜0m)から富士山新5合目(2400m)まで、富士山スカイラインを使って、バッテリー一本だけで上り切れるか!? チャレンジした。消費電力を節約するのためほとんどエコモード、最後はヘロヘロ…… かなりきつかったがどうにか上り切った。それなら強力なアシストが得られるHIGHモードで上ったらどうなるのか? 予備バッテリーを2本携帯、同コースで再チャレンジ。脚への負担軽減は明らかで、前より1時間半早く新5合目に到着した。また1回目は最も軽いギヤを使ったが、2回目はフロントのインナーギヤを使わずに上りきることができた。肉体のダメージも前回に比べると明らかに少ない、電動アシストの威力を身をもって体感する旅となった。

富士山5合目クライムの1回目
「富士山5合目クライム0m→2400m」の一回目。バッテリーは1本のみ、ECOモード中心で上り切った。達成感は大きかった
富士山5合目
富士山チャレンジ2回目は予備バッテリーを持参。今回はほぼHIGHモード、電動アシストをフル使って上った。5合目でも余裕の笑顔だ

10月

9月末、コロナの感染者数が減り、ようやく緊急事態宣言は解除された。そこで以前から実現したいと思っていたキャンプツーリングを実行。荷物をたくさん積めるeバイクとキャンプは最高の組み合わせであることを実感。下旬は少し足を延ばして、栃木県の日塩もみじライン、日光いろは坂、中禅寺湖、奥日光などを走った。翌週は長野県へ。麦草峠、諏訪湖、ビーナスラインなどを走り、残雪と紅葉、両方楽しんだ。

テント
ツーリングで奥多摩まで走りテントで1泊。近年のキャンプブームでキャンパーはかなり多くなったが、サイクルキャンパーはまだ少数派
日光周辺をツーリング
日光周辺をツーリング。紅葉を期待したが、日塩もみじライン、日光いろは坂ともに時期が早かったようで、一部しか色が付いていなかった
麦草峠
国道で2番目に高い麦草峠はとても寒く1週間前の雪が路肩に残っていた。eバイクで初めて走ったビーナスラインも印象的だった

11月

久しぶりに1日130kmを越える長距離走行、霞ヶ浦一周「かすいち」に挑んだ。実際に走ってみると、道は平坦、景色は雄大、湖沿いは車がほとんど走っていないこともあり、想像以上に楽しむことができた。旅の最後、湖越しに見えた、富士山はドラマチックだった。いつかまた走ってみたい。

霞ヶ浦
方角で表情が変わる霞ヶ浦。変化に富んでいるので、飽きることがなかった。道の駅では名物、ナマズを使ったハンバーガーを食べた

12月

寒さにめげてeバイクで出かけることが減っていた12月。このままではいけないと思い、近郊の神社、大山阿夫利神社下院へ出かけた。登山ケーブルの駅近くまでeバイクをこいで行き、そこからケーブルカーと徒歩で上った。山の中腹にある大山阿夫利神社を参拝、境内からの絶景も楽しんだ。そのあと、伊勢原市で人生初の「みかん狩り」を体験。振り返るとコロナ感染に翻弄されながらも、eバイクと共に充実した一年を過ごすことができた。

大山阿夫利神社
むかしから身近な存在であった「大山阿夫利神社」に初めて上った。遠くへ行かなくても楽しめるようになったのはeバイクとコロナのお陰かも

コラムカテゴリの最新記事