eMTBでサマーゲレンデを遊び尽くす

eMTBでサマーゲレンデを遊び尽くす

兵庫県北部に位置する神鍋高原は、冬はスキー、そして夏はアウトドアアクティビティを楽しむことができる人気スポット。そこでMTBタイプのeバイク(電動アシスト自転車)で、夏のゲレンデをライド・オン!

本格MTBコースを最新のeMTBで走る

兵庫県北部を代表するリゾートエリア神鍋高原で1923年に創業し、まもなく100周年を迎えるのが「アップかんなべスキー場」だ。そんなスキーヤーの聖地に、2019年よりサマーシーズンにオープンしたのが、この「UP MTB PARK IN KANNABE」。西日本で唯一、リフトで山頂まで上がって、日本海側へ続く山々を見渡せる絶景のゲレンデで、MTBでのトレッキングやダウンヒルを楽しむことができるパークだ。
そんな新たなMTBコースが、関西だけでなく国内で最もホットである理由が、なんと「eMTB専用」の上りコースがあるという点。これまでのMTBライドでは山頂まで行くのにリフトやゴンドラを使うかクルマで運ぶかとなり、人力で上るという選択肢もあるものの、それはなかなかハードなものだった。そこにeMTB専用コースが開かれたことで、神鍋高原の雄大な野山のヒルクライムを誰もがラクラク楽しめることになったのだ。
今回はフロントにサスペンションがあるハードテイルタイプのコラテックのeMTBを持ち込んでライド。〝ホンモノ〞のスポーツバイクブランドが送り出したeバイクだからこそ、MTBを楽しむライダーに向けたフィールドを爽快にライドできる。この絶景コースはぜひ味わってみて欲しい!

2022年10月時点で、ゲレンデの草原を広々と走れる初級「MARSHMALLOW」から、ライドテクニックが必要な上級「KITAKABE」まで、全部で7コースが用意される。MTBパークとしてのオープンから3年、徐々にコースが増設されており、2022年夏にはダウンヒルのシリーズ戦の舞台となったほどだ。ハードテイルのコラテック・EパワーXヴァートCXなら、その全コースを十分楽しみ尽くせる。ちなみに僕の一番のお気に入りは、「VOLCANO」で上って、「TENGOKU」から「NOLLIEWOODS」へ中級コースをつなぐダウンヒル。ハードテイルeMTBでめちゃめちゃ遊べる!

神鍋高原MTBのeバイク的オススメポイント

1)eバイクと一緒にリフトで山頂まで上がれる!

人間用と自転車用のリフトが1基ごとに連なっており、乗る時は係員にバイクを預けて先に人が乗り、下りる時は自身で自転車をスライドさせて受け取る。座っているだけであっという間に山頂へ!

2)「eバイク専用コース」で上りを楽しむ!

上りコース「VOLCANO」は全長1.3kmのeMTB専用コースであり、路面は芝生がメイン。コーステープはなんと「BOSCH」ロゴが! eMTBだからこそゲレンデの中をスタートし、山々が見渡せる斜面を経て神鍋山の火口まで、雄大な景色の変化と共にゆるりと行こう

eバイクの本場から来た頼りがいのあるeMTB

eバイクの本場ヨーロッパでは、サイクリングをライフスタイルに取り入れるという文化が根付いている。そんな市場の中心地であるドイツで1990年に誕生した総合自転車ブランドのコラテックもまた、本格的なスポーツバイクから気軽に乗ることができるシティサイクルまで幅広いタイプのeバイクをラインナップする。そして同社のMTBタイプのeバイクとして、国内で販売される2世代目にあたるのが「EパワーXヴァートCX」だ。
 前作「Xヴァート」からの最大の改良点は、バッテリーをフレームに内蔵するインチューブ式を採用することで、剛性の高まりからドライブユニットと人力ペダリングの出力を確実に路面に伝えることができ、同時に「これぞeバイク」と言えるようなスマートなルックスを手に入れたこと。採用するドライブユニットはボッシュのハイエンドユニット「パフォーマンスラインCX」で、最大75Nmの高トルクと高いセンシング性能から走破性も抜群。バッテリーもボッシュ純正の「パワーチューブ500」で最大145kmの航続距離を実現する。アルプスの山麓でスポーツバイクを作り続けるコラテックだからこそ、日本のサイクリングスタイルへ新しい風を吹かせるのだ。

CORRATEC E-POWER X VERT CX

コラテック・Eパワー XヴァートCX

価格:52万8000円 
問グローブライド Tel:042-479-7756

前作のXヴァートからブラッシュアップされた本モデルを、MTBパークのような整ったコースや里山のトレイルでライド。ボッシュのハイエンドドライブユニットのパワフルなトルクと、センサリングによるライドのスムーズさは、オフロードの上りでバイクを操ることがこんなに楽しいものなのか!と改めて気づかされてくれ、世界レベルのMTB選手の脚力を追体験させてくれるかのようだ。それでいてこのXヴァートでひとたび下りに入ると、まるで「このバイクに重いドライブユニットやバッテリーが搭載されているのは本当?と錯覚するほどに、車体と一体となりながらダウンヒルを楽しめる。これはこのバイクが「日本のトレイルを楽しむ」というコンセプトでジオメトリから設計されたというのが十全に生きている。「eMTB遊び」を存分に味わえる本格モデルが、人力MTBのミドルグレードレベルの価格で手に入るのだから、プライスパフォーマンスの高さも十分だ。

SPEC
サイズ:39cm、44cm
カラー:ガンメタル
フレーム:アルミニウム
ドライブユニット:ボッシュ・パフォーマンスラインCX
ホイール:JALCO PHL36 OSチューブレスレディ32h
タイヤ:WTB・レンジャーコンプ27.5×2.8
コンポーネント:シマノ・デオーレ
重量:22.2 kg(サイズ39cm )

フロントサスペンションは、SRサンツアーのトラベル量140mmのフォークを採用。上りでのトラクションやテクニカルなダウンヒルで本領を発揮
ドライブユニットはボッシュのハイエンドモデル「パフォーマンスラインCX」を採用。ローギヤでの出力が高く、坂道発進時も敏感に反応してくれる
ドライブユニットはアルミ製のガードによってカバーされ、トレイルでの跳ね上げやロックセクションでの底打ちからユニットを頑強に守る
ディスプレイは視認性の高い大型モデル。5段階のアシストモードの中の「eMTBモード」は、オフロードでオートマチックに出力を切り替える
ドライブトレインには、シマノのミドルグレードMTB用コンポーネント「デオーレ」を採用。ワイドな10段のリヤ変速で、急勾配も機敏に対応できる
タイヤ規格は定番となりつつある27.5インチの外径に、2.8インチの太くノブの高いブロックタイヤを履かすことで、日本人でも扱いやすく、高い走破性も確保する

江里口恭平(eBikeJapan編集部)

当サイトおよび、スポーツサイクル専門月刊誌「サイクルスポーツ」の編集者。ロードバイクやMTB、eバイクの最新機材に日々触れつつ、それぞれのバイクの特性を生かした自転車アソビを実践している

SHOP:神鍋高原アップかんなべ

UP MTB PARK IN KANNABE
レストハウスではeMTBのレンタルサービスも行っており、トレックの本格フルサスeMTBを体験できる。もちろん人力モデルのほか、ヘルメットやプロテクターも貸し出しあり
営業時間/9:00~16:30
営業期間/5月~11月の土日祝(詳細はHPより)
利用料/3500円(大人一日券・保険料別)
レンタルeMTB利用料/7000円(バイクのみ2時間)~
兵庫県豊岡市日高町栗栖野59-78
Tel:0796-45-1545

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