小回りが利いて軽快に走る日常系eバイクでの街巡りは本当に楽しい。坂道も気にならないし扱いやすい車体は歩道を走るのも楽。それでいて車道では巡航速度を上げられる。こんなパートナーがあれば、遠くの街までだって簡単に行ける!
ロングライドや山登りだけじゃない日常系eバイクの楽しみ方
ヴォターニは、日本でeバイクの人気を高めることに大きく貢献しているベスビーが監修する、シティタイプのeバイクブランド。ベスビー同様、高いデザイン性を持ちつつ、ベスビーオリジナルのドライブユニット&制御システムによる力強くスムーズな走りが可能だ。
また、ブランド力やデザインのよさ、質感のよさがあるのに対して20万円前後の価格帯に設定されているのも特徴になっている。
そんなヴォターニのeバイクを今回は上野や根津といった下町へ持ちだしてみた。
ここのところ日本には海外からの観光客がとても多く、彼らの目には欧米風というかグローバルなデザインのビル郡より、昭和の雰囲気が残る下町巡りが魅力的なようで、東京下町の路地や商店街などは海外から来た人が歩いているのを見かける。
それに対して我々日本人は身近すぎるからか、下町に行く機会はあまりなくなってしまったが、海外の方が新鮮な目線で魅力を発信してくれたおかげで、日本人も改めて「下町」へ興味を持つようになっている。
そこでヴォターニだ。いまの下町はしゃれた雰囲気の海外の方が、その土地の風景の一部になっているので、eバイクも同じく、シンプルでしゃれたオランダ生まれであるヴォターニが似合う。それに下町巡りはカジュアルな楽しみ方なので、高級すぎるeバイクではミスマッチかも。その点でもちょうどいいのだ。
ということでまずは浅草周辺からスタート。乗っていったのはヴォターニのラインアップのなかでも最新作の「F3」というモデル。これは人気車の「H3」に折り畳み機能を追加しているので、駐輪スペースが取れない集合住宅では玄関に入れてしまうこともできるし、クルマに積むときも便利と使い勝手が向上したモデルである。
さてさて、浅草は久しぶりにくるが、世界的に有名な観光地なだけあって観光ホテルが増えている。そして歩道には大きなキャリーケースをひいた人や、大勢で固まって歩く人が多いのだが、自然な乗車ポジションで乗れるF3は低速でもバランスが取りやすいし、「スッと」加速したいときもアシストがあるのでおもいどおりに走れる。
こうした点は地味かも知れないが、日常的に乗るeバイクとしては実は大事な性能だと思う。
F3のデザインは下町にもよく似合っている
走りにルックス、全てがスマート
ヴォターニF3のデザインはしゃれているけど前衛的なものではないので、いろんな風景に似合う。
このテイストは街の雰囲気を壊さない程度に小じゃれた作りで、下町で見かける「新しめのお店」に通じるものがある。
そこで浅草、上野の後は昭和の雰囲気を残しつつ、新しさも取り入れ、街を活性化している谷中のエリアへ行ってみた。
上野からはそう遠くないので、不忍池にも立ち寄りつつ、まず行ってみたのがちょっと変わったお店。
そこは多くの人が聞いたことがあるであろう「亀の子束子」を製造する亀の子束子西尾商店というメーカーのフラッグシップストア「亀の子束子 谷中店」さんだ。
苦労しながらも育ててくれた母親に「孝行したい」という創業者の思いから生まれた亀の子束子。
多くの家庭にある「たわし」だが亀の子束子は毛の硬さや形状、サイズが用途ごとに細かく分かれていて、耐久性も高いなどの大きな特長を持っている。そのため観光客向けに見えるショップだが、近所の飲食店の方がこちらで業務に使う束子を買っていくという。
そんなプロ御用達の実用品としての束子に加えて、お風呂で使うボディ洗い用の束子からキャンプギアの清掃に適した束子、さらに「亀」のイラストが入ったアパレルなどもあって、実用性が高い本物の道具をカジュアルに使えるような商品を多くそろえていた。そして「実用性が高い本物をカジュアルに」というワードは、そのままF3に当てはまることでもあった。
次は海外の方も多く訪れる商店街「谷中ぎんざ」へ向かうが、この地区は昔ながらの路地が多く残っているので、文字どおり「寄り道」をしながら向かっていった。
F3はフロントハブがドライブユニットになっている前輪駆動車なのだが、前輪で引っ張る感覚は低速走行時のバランスが取りやすく、路地をゆっくりと巡るにも向いているという印象だった。
谷中ぎんざは「商店街という文化を残す」ことに取り組んでいるところなので、多くの人が思い浮かべる「商店街」のイメージがここにはある。それはお店の作りだけでなく、お店を切り盛りする店主さんの接客も含めてだ。それゆえに「日本を見たい」海外の方に人気があるのだ。
そんな谷中ぎんざのなかをゆっくり走り(平日15時までは自転車通行可)、気になったお店の前で止まって、お店をのぞいたり買い物したりと楽しんだ後、家へと戻る。
たとえ家には駐輪所がなくても、F3はフレームにあるレバーでロックを解除するだけで簡単に折り畳みでき、畳んでしまえば玄関に置いておけるほどのサイズになるので、しまうときまでスマートだった。
ということでヴォターニF3、これがあれば行動範囲はグッと広まり楽しみも増えるので、日常をもっと充実させたいと思うならば、乗ってみることをオススメする。
Votani F3(ヴォターニ・F3)
ヴォターニの人気車のH3をベースに折り畳みの機能を追加したニューモデルがF3。デザイン面での特徴はフレーム上に装着されたセンターバスケット。撮影車はオプションのフロントバスケットも付いていて、こちらはフレームマウントなので荷物を入れてもハンドリングに影響がないのがいい。F3を買うならぜひ一緒に付けたい装備だ。
spec
価格●20万8000円
サイズ●ワンサイズ
カラー●ライトグレー/ライトオリーブ
適応身長●150cm~
フレーム●アルミ
ドライブユニット●フロントハブ一体式 250Wh
バッテリー●リチウムイオンバッテリー(36V/7.0Ah)
充電時間●約3.5時間
変速●シマノネクサス(3S)
タイヤ●ケンダ 20×1.95