eバイク旅ノート Vol.106 「やっちゃえば!?eバイク日本一周(計画編)」

日本一周中に出会った人から「いいなぁ、日本一周をしてみたいな~」「日本一周か、憧れるなぁ」そんな言葉を何度も聞いた。いつか日本一周と夢を見ている人は意外と多いらしい。
妻ヒロコは初めてのeバイク旅が日本一周だった。これはかなり珍しい例だと思うが、普段全く運動をしていない62歳の女性できたので、体力的には高い壁はないということになる。
では、日本一周を実現するために必要ものは何だろう? 資金? 時間? 家族の理解? 期間は? 必要なものは? 僕たちの経験を基に、日本一周の計画編から準備編、実践編に分けてアドバイスします。「いつか日本一周!」をぜひ実現させてください♪

計画編

旅する理由

まず「なぜ旅をするのか?」ある意味、人間の永遠テーマです。旅に興味のない人から見れば、旅をする意味が分からないし、何のトクもないのにどうして旅するの?と思うだろう。価値観や生き方はそれぞれ。旅をしなくてもいい人もたくさんいる。
ただ、もし旅に魅力を感じ、eバイクで日本一周をしてみたいと思っていたらぜひ実現して欲しい。旅の目的は何でもいいと思う、正直なところ「やりたいから」「旅をしてみたいから」で十分だと思う。大切なのは自分がやりたいと思ったことを実現することなのだと思う。
一度の人生、思い切り楽しみたいではないか。世の中を見るとやって後悔している人より、やらなかったことに後悔している人が圧倒的に多い。日本一周をすることで得られるものは無限大、旅は人生より豊かにしてくれるだろう。

藤原さん
eバイクは体を動かすのでとても健康的だし、流れる景色もゆっくり眺めることができる。日本一周の最高の相棒になってくれた
サイクリストの聖地
旅へ出たから出会える景色がある。旅へ出たから出会える人たちがいる。日常を抜け出して、さあ、未知なる世界へ飛び出そう

旅スタイル

純粋に自分の足で日本中を走るというシンプルな旅も素晴らしい。だがもし自分が興味を持っていることや好きなことがあるなら、ぜひそれを旅に取り入れてみよう。アニメ好きな人なら好きなアニメの聖地をめぐったり、食いしん坊な人は全国各地のご当地グルメの食べ歩きをしたり、旅がより豊かで価値のあるものになるはずだ。
またeバイクとキャンプは相性がいいのでアウトドアが好きな人にはキャンプがおススメ。他にも登山や釣りをプラスするのも面白いと思う。また体力があってチャレンジ精神が旺盛な人は『30日間日本一周』なんていうのもアリだろう。

もし余裕があればSNSなどを使って旅を共有しよう。きれいな景色やB級グルメ、出会いなどを投稿することは自分のモチベーションアップにもなるし、全国の人たちとの繋がりが生まれることもある。
どちらにしても自分が楽しめることが一番、これをしなければいけないという決まりはないので、自分流の旅を楽しんで欲しい。

またパートナー(夫婦やカップル)で行く場合はお互いがどういう旅がしたいのか?どこへ行きたいか?よく話し合っておこう。旅を始めたら「こんなはずじゃなかった」「○○って言っていたのに」などトラブルの原因にもなるからだ。ただ、旅先での状況は刻々と変化していくので、ある程度は臨機応変に。旅を続けながら話し合い、助け合い、方向性なども修正しながら、ふたりが楽しめる“ふたり旅”のカタチを作って行こう。

寿司
日本全国をめぐっているとグルメとの出会いは大きな楽しみになる。特に自転車旅はハラペコなので、さらにおいしく感じるはず
コナンが描かれた案内板
旅の目的は十人十色。有名観光地だけでなく個人的な興味がある場所もめぐろう。ちなみに北栄町には名探偵コナン通りがある

資金のこと

必要な金額は旅のスタイルによって大きく変わってくる。出費の2大メインは『食費』と『宿泊費』だが、特に大きな差が出るのが宿泊費。例えば泊りをキャンプや野宿にして、食事は自炊にするばかなり低い金額で抑えられるが、快適なホテルのフカフカベッドに眠って、各地のグルメを食べ歩きすればかなりの資金が必要になる。
具体的な資金額は“1日の費用×旅日数”で計算すると出てくる。例えばゲストハウスが中心としたら1泊3000~4000円。食費は1~2回は外食として3食で2000円。合計すると1日5000~6000円になるのでそれが100日間なら50~60万円に。200日間ならその2倍ということになる。それにフェリー代やランドリー代、観光地の入場料、雑費、保険代などをプラスされる。もちろんお金はあればあるだけ心強いが、たくさん使えばいい旅になるとも限らない。そこが旅の面白いところ。

自転車キャンプ
限られた旅資金、最も負担になるのが宿泊費。キャンプができるとかなり抑えることができるのでぜひキャンプ用品を持参しよう
フェリー
北海道や沖縄だけでなく、瀬戸内海や四国~九州、四国~関西、伊勢湾など様々なフェリー航路があるのでどんどん利用しよう

期間は

必要な日数は体力や旅のスタイル、時間的な余裕がどれくらいあるかなどによって変わってくると思う。ちなみに僕たち夫婦の日本一周は1万km、237日間(約8か月)だったのでこれは一つの目安になると思う。
この旅では1日の走行距離は体力のない妻に合わせていたので少な目にしていた、これがもし男性ひとりの旅だったら同じ行程6か月位で走れたと思う。 
ただ時間の余裕は、心の余裕にもつながる。余裕がないと事故につながるので時間はなるべく多めに取っておこう。
また、旅をしているとあそこへも行ってみたいとか、人から聞いたところへ行ってみようとか、行きたい場所がどんどん増えるもの。そう考えると僕が思う理想は9か月~1年間。
それからできれば、あまり細かく日程を決めないようにしたい。天気によって予定が変わったり、トラブルで進めなくなったり、旅をしていると予定通りに行かないことが多々あるからだ。思い通りにならないからこそ旅、人との出会いが思わぬ方向へ発展したり。道を間違えたことできれいな景色に出会えたり、予想外のことを楽しむことが大切なのだ。
1回で一周してもいいが、難しい人は分割も回ろう。例えば東日本と西日本に分けたり。全国を北海道、東北、関東、中部、関西、四国、中国、九州、沖縄と9ブロックに分けて、今年は北海道、来年は東北という感じで少しずつ走破するのも面白い。

海
せっかく日本一周をするなら時間をかけてゆっくりめぐりたい。もちろん走るのが好きな人はガンガン走っちゃってください(笑)
林
僕たちは東日本と西日本に分けて日本一周。東で予備バッテリーを2回しか使わなかったので、西は予備を持参しなかった

ベストシーズン

旅する季節は重要。eバイクで冬の北海道を走るには特別な装備が必要だし、山間部の道も冬季閉鎖で走れなくなる。そう考えると3月~11月がベストシーズンになる。しかし最近の夏はとんでもない猛暑になるので、微妙なところもある。もし可能ならば一番暑くなる7、8月を北海道になるように日程調節しよう。

日本最北端の地
季節に大きく左右されるのが北海道。6月~9月がベストシーズン。11月~4月は寒さが厳しいので避けたい。沖縄は1年中いつでもOK♪

ルート作り

個人の好みもあると思うが、海岸線を時計回りに走るのがおススメ。走行する車線が海側になるので、開放感のある景色を眺めながら走ることができる。海岸線は変化に富んでいるが、内陸の山間部もぜひ走って欲しい。アシストがあるので峠道もそれほど苦労せず登ることができる。山間部ならではの景色を楽しもう。
またルートを選ぶときは交通量の多い一桁国道は避けて、ローカルな景色が広がる県道や交通量の少ない三桁国道を選びたい。また全国にサイクリングロードがあるので、ぜひ日本一周ルートに取り入れて欲しい。自転車専用道路なので車を気にすることなく走ることができる。
サイクリングロードの代表格、尾道と今治を繋ぐ『瀬戸内海しまなみ海道』はマスト。他に印象に残っているのが北海道の常呂と網走を結ぶ『オホーツク自転車道』、霞ヶ浦と筑波山周辺を走る『つくば霞ヶ浦りんりんロード』、新潟の日本海沿いを走る『久比岐自転車道』など。それぞれ違う特徴があるのでぜひ走って欲しい。

峠道
峠道やアップダウンに強いのがeバイクの魅力。ルートの自由度は高いが、充電ポイントはきちんと事前チェックしておこう
サイクリングロード
全国にあるサイクリングロードもぜひ走ろう。自転車でなければ見られない景色がある。運が良ければ野生動物に遭遇することも

※次回は準備編をお送りします

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