標高850mに位置する山上湖で静逸な風景と時間に包まれる【eバイクで走りだそう! eバイクアソビの提案】

山上キャンプツーリング
こぐだけでなく、くつろぐこともeバイクを使った旅ではポイント。泊まらないデイキャンプもアリだ

高いアシスト力で推進力を得てラクラク山上キャンプツーリングへ!

ひと昔前なら自転車に乗ってキャンプにいくとなると大荷物を自転車に積載、背負っていく必要があった。しかし現在ではキャンプ道具がかなり軽量コンパクト化。eバイクなら田舎道、峠道の急な坂道もスイスイ上れる。今回はベスビーのeグラベルバイク「JGR1.1」がキャンプの相棒だ。

キャンプ道具を背負ってのヒルクライム

自転車に乗ること同様に、アウトドアで遊ぶことが好きな筆者は、eバイクに乗るたびにこう思う。「eバイクはキャンプツーリングが、驚くほどラクになる乗り物だ!」と。

eバイクに乗って、ツーリングに行く際でも、自然のなかでリラックスするためのハンモックか折り畳み式のチェア、それと着替えなどを大型サドルバッグに収納。

そして簡単な調理をしてのんびりと時間を過ごすためのストーブやホットサンドメーカー、コーヒードリップ道具をバックパックに背負っていくので、ツーリングと言ってもキャンプをする装備と大きくは違わない。

これらの装備にテントとスリーピングマットと寝袋を加えれば、キャンプが可能だ。重量増はプラス約2kg。食料を1泊分で多めに持っても3kgで済む。

さて、今回の旅の相棒は、ベスビーヨーロッパデザインの新型eグラベルロードバイク「JGR1.1」というモデルである。同社にはJG1というeグラベルロードバイクがあり、過去にそのeバイクで湧水コーヒーを味わうツーリングをしたことがあった。峠道を進んだ際、後ろから押されるようなアシストパワーを感じたことが、色濃く記憶に残っている。そこで今回はハードルを上げて、ヒルクライム&キャンプツーリングを試みることにした。

目的地は山梨県の甲府市の南、標高850mの山上にある四尾連湖(しびれこ)という静逸な水辺のキャンプ場だ。

スタートは山麓の道の駅・富士川。お土産物や地元産の農産物、特産物の販売をしているので、食材が手に入る。今回のキャンプではホットサンドやスープをつくるので、ハムやソーセージ、チーズ、トマト、レタスなどを購入。そして標高差約600m、距離14kmのヒルクラムをスタートさせた。

道の駅・富士川
四尾連湖まではわずかな距離だけれども、しっかりこぐ系eバイクだと、充実感、旅感がグッと増してくる

JGR1.1に搭載された新型トルクセンサーは、スマートモードでは平地、登坂にかかわらずペダルトルクに応じて最適なアシスト出力を提供してくれるのだが、これが体感的にはナチュラル。JG1では背中をグイグイと押されるイメージだったのに対して、JGR1.1はこぎ出しこそグイと押されるも、JG1より抑えたフィーリングだ。

とはいえ不満と言うことではない。グイグイ押される感覚は、体力的に楽なのは間違いないが、反面で自転車をこぐ面白さを減らしている。

実際、上り坂に入った直後こそ想像していたフィーリングと違ったので戸惑ったが、乗っているうちにJGR 1.1の『しっかりこいでいこう!』と応援されている感じは好感が持てる。

四尾連湖の案内表示
今年の酷暑のただ中で、気温は35℃。eバイクでなければ途中でヘバっていたかもしれない暑さだった!
山と同じ目線になった山景
麓から見た山景よりも標高を上げて山と同じ目線になった山景の方が、奥行きが深まり、地球を感じる

eバイクはパワフルなアシストが注目されてきたが、JGR1.1は、アシストを得ながらも、どれだけピュアスポーツバイクらしさを残すかを考えている模様。これは、面白い!

バイクパッキングスタイルでキャンプ道具を分けて積載

今回のキャンプ場は、四尾連湖・水明荘。山上の湖畔にあるのだけれども舗装された県道から約500m程、砂利の細道になる。ロードバイクだと手押ししなければならないけれど、JGR1.1はeグラベルバイクだから問題ない。

グラベルとは砂利道を意味していて、オフロードを走ることを想定されている自転車だ。だから装着されているタイヤは700×40Cの太さで、オフロードでも安定感抜群。MTBのようにオンロードでのモタつきはなく、ロードバイクに近い感覚で軽快に走ってくれるから、オンロードとオフロードがミックスされた行程を走るのにぴったり!

そしてキャンプ道具の積載はバイクの軽快さを邪魔しないバイクパッキングスタイルがいい。キャリアを使わず、サドルやハンドル、フレームに直接バッグを取り付ける、軽さを重視した積載方法だ。

バックパックで全てのキャンプ道具を背負うよりも、荷物を分けて収納できるので体への負担も少ない、加えてアシストがあるeバイクなので走行時の荷物の重さを軽減してくれるので、さらに軽快。

バイクパッキングスタイル
バイクパッキングスタイルでは、本来はバックパックは背負わず、全てをバイクに取り付ける。けれども、eバイクだと体への負担がかなり軽くなるので、利便性を重視してバックパックを背負っている。重いものはバイクに、軽いものをバックパックに収納しよう
サドルバッグの中身
サドルバッグにはチェアとホットサンドメーカーを骨にして、ハンモックと着替えで隙間を埋めて収納。今回は撮影用にチェアとハンモックを用意したが、実際にはどちらかひとつでよく、空いたスペースに寝袋かマットを追加可能
バックパックの中身
バックパックには、レインウェア、ストーブとコーヒードリップ道具、寝袋、マット、ライト&ランタン、医薬品などを収納。サイドポケットにテーブルとたき火台をセット。他に現地で買った食材も追加。総重量は6kgほど

ちなみに筆者は森のキャンプ場には必ず軽量ハンモックを持っていく。横座りしてイスに、リラックスしたいときはソファー、昼寝時はベッドになるハンモックは、eバイク同様に風を感じる心地よい道具でキャンプツーリングにはかなりオススメだ。

ポンチョさんのキャンプスタイル
筆者のキャンプスタイルは、ハンモックとホットサンドとコーヒードリップ。ヒルクライムで疲れた体にエネルギー補給をして、風に揺られてリラックスさせる。ちなみにハンモックはスイスのエクスペドというブランドのトラベルハンモックキット(1万4300円)。重量380g、B5サイズ程度の収納サイズで軽量コンパクト
ホットサンドとコーヒー
ミニマルホットサンドメーカー
日本のストーブメーカーのソトのミニマルホットサンドメーカー(6600円)は、ハンドルが折畳め、焼き面の大きさで収納できる優れもの。焦げつきにくいフッ素コーティングが施され、熱伝導率の高いアルミ鋳物製。弱火でゆっくり焼き上げるのがコツ。ちなみにホットサンドメーカーは、餃子やハンバーグ、お好み焼き、ベーコン巻きや肉巻き等々、焼きものツマミも得意なのでお試しあれ
コッパースプールHV UL1バイクパック
コッパースプール HV UL1 バイクパックとグラウンドチェア
テントは収納するとハンドルバーバッグとしてセットできる、ポールの収納長が短いビッグアグネスのコッパースプール HV UL1 バイクパック(9万3280円)。1人用で重量は1.28kg。ハンモックをつるせない場所では、チェアがあると便利。ヘリノックスのグラウンドチェア(1万5950円)、座面つり下げ式でハンモック同様、リラックスできる

キャンプ後は待望の標高差500mダウンヒル。ここで感じたのは、JGR1.1のスポーツバイクとしての基本性能の高さ。スピードを自在に操れ、安定感はJG1からさらに進化! 走らせる喜びを感じた!!

BESV JGR1.1(ベスビー・ジィジーアール1.1)

JGR1.1

価格:46万8000円
問・ベスビージャパン

ベスビーヨーロッパが手掛けたモデルで、バッテリーを収納するダウンチューブはスマートな直線を描き、ケーブルを内装したトップチューブ、振動を吸収する太めのカーボンフォークとともに、バランスのよさ、デザイン性の高さが目を引く。HMI、バッテリー&充電器、トルクセンサーはすべて新型。HMIはボタン操作のみになり、シンプルさを極めた。バッテリーは360Wh、最長130kmをアシストでき、ロングライドで機能する。

JGR1.1に乗るポンチョさん
40cの太いタイヤながらオンロードでも滑らかな走行が可能。ポジションも適度な前傾で、ツーリング向きに感じた
バイクパッキングスタイルとJGR1.1
カラー、デザインともに、アウトドアな雰囲気とマッチ。バイクパッキングスタイルもまったく違和感がなかった

spec
サイズ:S、M
カラー:Metallic Malachite(撮影車)
フレーム:アルミニウム
ドライブユニット:BESVオリジナル
バッテリー容量:36V 10.0Ah リチウムイオンバッテリー
コンポーネント:シマノ・GRX 11s
タイヤ:マキシス・ランブラー 700×40c
車重:17.2kg(S)/17.3kg(M)

トップチューブのアシストボタン
アシストはエコ・パワーの2パターンとペダルとルクに応じて出力が自動計算されるスマートモードを装備。電源オン、オフ、アシスト切り替えはすべてトップチューブにあるボタンひとつで操作する
ドライブユニット
ドライブユニットは同社オリジナルでリヤハブに備わる。後輪からの押し出し感アリ
GRXのリヤディレーラー
コンポはグラベル仕様のシマノ・GRX 11sを搭載。アシストが切れても、当たり前に走行できる
フロントシングルギヤ
フロントのギヤは1枚。脱落する心配もなく、オフロード走行も安心
フレアハンドル
フレアハンドルを装備し、フラット部分も長め。ハンドルバーバッグを装着しやすい
セライタリア・X3
イタリアのサドルメーカー、セライタリアのX3を装着。適度なクッション性があるモデル
40Cタイヤ
0cという太いタイヤを採用。快適なオフロード走行を意識した選択だ
バッテリーの充電ポート
バッテリーの充電は、シートチューブ下部のポートが行う

JGR1.1は、新App「BESV Smart Plus App」に対応していて、スマホでのダッシュボード機能の活用(スピードやパワー、ケイデンスなど)、ファームウェアの更新、エラー診断が可能(SMALOと同じアプリだが、使用できる機能が異なる)。2024年には、ボトル型の外付けエクステンダーバッテリーを発売予定。

コラムカテゴリの最新記事