アウトドア遊びの相棒になるeバイク3選+アウトドア道具=今回は番外編でハンモックの巻

アウトドア遊びの相棒になるeバイク3選+アウトドア道具=今回は番外編でハンモックの巻

ご無沙汰してしまいました。細かすぎるアウトドア道具ライター・ポンチョです。

『eバイク+アウトドア道具=』は、eバイクでツーリングした先で、お手軽なデイキャンプやアウトドアなアクティビティを楽しむ企画です。

3回目は、なんと早くも番外編。今シーズン注目の3台のeバイクそれぞれにバッグを装着してツーリングバージョンに変化。目的地までの道程で試乗を行ない、乗り味をチェック。目的地のキャンプ場では、ハンモックを設営。風に揺られてコーヒーとカップ麺を楽しんできました。

結論から言うと、eバイクとハンモック、相性ぴったりです!
それでは、まずは3台のeバイクのレビューからどうぞ!

キャノンデールのeグラベルは、漕ぎ出し快調、下りの安定感もあり!

トップストーンネオカーボン3レフティに乗るポンチョさん

1台目のバイクは、キャノンデール・トップストーンネオカーボンレフティ3
幅32c以上の太いタイヤにディスクブレーキを搭載したドロップハンドルの、グラベルロードバイクの愛用者が近年増えています。このバイクは、そのeバイク版です。

レフティフォーク

特長は大まかに3つ。
①片持ち=左側だけのフロントサスペンションフォークを装備。
フロントサスペンションは、片持ちのグラベル専用サスペンション『Lefty Oliver』。トラベル量は30mm。グラベル走行となる砂利道、未舗装林道に対応。
峠道のアスファルトの荒れた箇所を進んでみると、このサスペンションが段差のショックを吸収。何事もなかったように進むので安全性アップに効果がありそう。

そしてキャンプ場のオフロードで、その性能を実感! サスペンションが装備されていることで、身体への衝撃がかなり軽減。スムーズに進むので、心に余裕を持って走れます。

キングピン

②実は、フルサス!リヤサスペンションも搭載しています!
見た目からはわからないけれど、シートチューブ中程のピボットからリヤフレーム部分が稼働してしなる、サスペンション構造も装備しているんです。複雑なリアサスペンションやリンクがないため、軽量でスムーズな乗り心地を実現します。しかも日々のメンテナンス頻度が少なくていいのが好印象。

このフルサスの効果は、ロードではよくわかりませんでした。
でもキャンプ場のオフロード、特に下りで、私は慎重派なのであまりスピードを出していませんが、自転車がハネたり、暴れたりして、身体の動きでショックを吸収する必要がほとんどなく、快適。そして安全です!

トップストーンネオカーボン3レフティのタイヤ

③650b×42cのチューブレスタイヤを装着。
オフロードでの、スムーズさは、タイヤのサイズによるところも大きいです。
装着されていたのは650b×42cのチューブレスタイヤ。ペダルを踏み込むと、スルッと進みます。多くのロードバイクに装着される700cのタイヤよりも直径が短いため、フレームサイズも小ぶり。
だからオフロードで安定感あり。
ロードでは搭載されるドライブユニットの性能のよさも手伝って、スルッと出た後、クククッーと速度が乗っていきます。

反面、時速25km以上の電動アシストが切れた後のペダリングが、ややモッタリ。
そこはギヤ変速で調整すればよいのですが……。

ボッシュ製の最上級グレード『パフォーマンスラインCX』を搭載

パフォーマンスラインCX

ドライブユニットは、ボッシュ製の最上級グレード『パフォーマンスラインCX』。最長走行距離は176km。

これまで何台かのeバイクでツーリングをしましたが、巡航速度の時速25km程まで到達するまでのスムーズさは随一。

上りでは、軽いペダリングのまま。オフロードでも踏み込む必要がないので、リヤタイヤが空回りすることなく、ストレスフリー。

クルクルとペダルを回せ、スルスルと進んでいきます。だから、疲れ知らず!
アシストモードは「ECO」「TOUR」「SPORT」「TURBO」の4種類。通常使用では、ECOかTOURで充分でした。

パワーユニットのモードを表示するディスプレイ。速度や走行距離、バッテリー残量も一目でわかる
グラベルバイクの特徴的な装備であるフレアハンドル。地面に向かってハの字になっている

さて、ハンドル形状はeグラベルらしく、やや幅広でフレア。
オフロードでの走行では、安定したハンドリングをサポート。

バイクパッキングスタイルのトップストーンネオカーボン3レフティ

そしてフレアハンドルのeグラベルということで、今回はバイクパッキングスタイルで、ハンドルバーバッグ、フレームバッグ、サドルバッグを装着して走ってみました。

フレームバッグは、長いものの収納に便利

デイキャンプに使用する道具を収納しましたが、荷物を積載した走行時の重さは皆無。こういうときに、eバイクって、本当にありがたいなぁと感じます。

トップストーンネオカーボン3レフティに乗るポンチョさん

トップストーンネオカーボンレフティ3は、走りの楽しさと安定感のあるeバイクでした。Lefty Oliverの上部に装備されたロックアウトレバーを使うとサスペンションの動きを制御できるので、オンロードでは力が逃げることなく軽快な走行フィーリングを得られ、荒れた林道やオフロードではロックを解除することでlefty Oliverが衝撃を吸収し、あらゆるツーリングで快適さと安心感を提供してくれます!

トップストーンネオカーボン3レフティ

トップストーンネオカーボンレフティ3
価格:68万2000円
サイズ╱SM、MD、LG
カラー╱グレー
フレーム╱カーボン
フォーク╱レフティーオリバー(30mmトラベル) 
ドライブユニット╱ボッシュ・パフォーマンスラインCX250w 
コンポーネント╱シマノ・GRX(11S) 
タイヤ╱WTB・レゾルート(650b×42c)
重量╱18.4㎏

問 キャノンデール・ジャパン
https://www.cannondale.com/ja-jp/

台湾発ベスビーのeグラベルは、自転車旅が楽しくなる!

JG1に乗るポンチョさん

2台目は、台湾のeバイクメーカー、ベスビー・JG1。このeバイクも、700×38cのタイヤに油圧ディスクブレーキ搭載のeグラベルです。
しかし、ガレた岩や石の多いオフロードを進むよりも、ロードを中心にちょっと荒れた舗装林道に入ったりして自転車旅をする方が、気持ちのよいeバイク。
今回はオプションの前後フェンダー(泥よけ)やリヤキャリヤが装備された仕様だったので、特にそう思えます。

では、まずは特長を3つ紹介しましょう!

JG1のドライブユニット

①後輪の中心、リヤハブ搭載のドライブユニット
多くのeバイクは、ペダルの付け根=ボトムブラケット部分にドライブユニットが搭載されますが、ベスビーは独自のドライブユニットがリヤハブに備わっています。

ボトムブラケット部にドライブユニットがあるeバイクは、ペダリングのスムーズさをサポートするようにアシストが利く感覚です。

対して、ベスビーのリヤハブに搭載されたドライブユニットは、ペダリングの力を無駄にしないように後ろから押してくれている感覚。押されるから、思っているよりもスッーと進む、ように感じる。eバイクのなかでも、独特の乗車感覚です。

JG1のディスプレイ

②SMARTモードのアシストは、踏力を感知して最適化
アシストモードは、ECO(省電力)、SMART、POWER(最大出力)の3種類。最長走行距離は105km。もっと長距離を走る際には、追加バッテリーをオプションで追加することも可能です。

ところでアシストの種類のうちSMARTモードは、なかなかおもしろい機能です。
乗る人のペダリングパワーを感知し、もっとも快適と感じる踏力で走行できるように 自動で出力レベルを調整。一定のアシストが利くのではなく、ドライブユニットが状況に応じてアシスト量を変更するんです。

漕げるときは漕ぎ、漕げなくなったら、またはペダルを踏むのが重いなぁと感じた瞬間、アシストが利いて、前に進む。だからムダがない。まさにSMARTです。

JG1のハンドル

③アシストモードの切り替えを、ハンドルを握ったままできる!
SMARTモードおもしろい!と書いた後ですが、ECO、SMART、POWERのアシストモードの切り替えを、ドロップハンドルの下ハンドル上部に付けられたセンサーを触れることで切り替えが可能です。このセンサーはデュアルアシストコントロールスイッチと呼ばれるもので、右でUP、左でDOWNできます。

SMARTモードで、自動でアシストが切り替わるなら不要では? と思ったのですが、ペダルを踏み込んだ力に応じてアシストが切り替わるより前、なだらかな上り坂から急な上りに切り替わる前に、POWERの強いアシストを受けて上りに備えたい時に、有効なんです。

クルマでいえばオートマとマニュアルの違いです。それならギヤを変速すればいいとも思えるのですが、こういう機能が備わっていると、人間はよりラクな方を選ぶものです。

オプションの充実度がありがたい!

JG1のスタンド

JG1は、オプションパーツが多く用意されているのも、うれしい点。
例えばセンター部分に装着できるキックスタンド(2860円)は、ツーリング途中にカフェやショップに立ち寄る際に、サイクルラックを探さなくても駐輪できる。またキャンプ場では、サイトに自転車を立て掛ける場所がなくても、問題なし。

JG1のフェンダー

前後フェンダー(前3960円、後4180円)も用意され、パニアバッグ装着できるリアキャリア(6380円)もあるので、デイキャンプを楽しみたいときに、荷物を背負わなくても済むので、ツーリングの快適度が増します。

バイクパッキングスタイルのJG1

という訳で、リヤキャリヤにパニアバッグを装着してみました。左右のバッグで30Lくらいの容量を用意すれば、デイキャンプくらいならすべての装備を収納できます。ウルトラライトなアウトドア道具を揃えれば、テント泊も可能です。

JG1に乗るポンチョさん

そして、キャンプ道具をパニアバッグに積載しての斜度のキツい峠越えも、後ろから押してくれるようなアシストを利かせれば、スイスイとクリアできます。

ただし、キャンプ場のガレた林道を走った際には、38cの太めのタイヤを履いていても、スピードを出すとハンドルを取られることがあったので、油断は禁物。グラベル、オフロード走行に慣れていて、テクニックを身に付けていれば問題はないのかもしれませんが、私レベルだと慎重にコース取りを考えて、走る必要がありました。

しかしロードはとても安定感のある走り。JG1はeグラベルバイクに設定されているけれども、太めのタイヤでパンクの心配をせず、里山や峠道を含むツーリングで、誰もが気持ちよく走れるバイクに思えました! なにより価格が手頃なのが、うれしい!!

JG1

JG1
価格:36万9600円
サイズ╱490(S)、520(M)mm
カラー╱オリーブドラブ
フレーム╱アルミニウム 
フォーク╱カーボン
ドライブユニット╱ベスビーオリジナル 
コンポーネント╱シマノ・GRX(11S) 
タイヤ╱マキシス・ランブラー(700×38c) 
重量╱15.8(S)、15.9(M)kg

問・ベスビージャパン
https://besv.jp/

バイクか !? という見た目通りの走破性を誇るファンティック

イッシモファンに乗るポンチョさん

最後、3台目はイタリアのオフロードバイクメーカーのeバイク、ファンティック・イッシモ ファン。これは自転車なのか!? という賛否が分かれそうなデザインです。

でも、いざガレた林道を走ってみれば、埋まった岩のギャップに乗っても何事もないようにガシガシと進める走破性の高さに、ただただ楽しくなってしまうeバイクです。

では、ポイントを3つ挙げてみます!

イッシモファンのタイヤ

①20インチ×4.0のファットタイヤを前後に装着
これはバイク!? と思わせるのが、まず装着されるファットタイヤ。4インチ幅、つまり約10cm幅のタイヤを前後に装着。当然、空気量が多くなるので、このタイヤだけでも衝撃吸収性はかなり高く、オフロード走行での高い安定感を生んでいます。

しかもタイヤのセンター部のトレッドパターンが低めに設定されているので、ロードでの走行でファットタイヤでありながら走行音は低めです。

イッシモファンのフレーム

②トラス構造のフレームで、乗り降りもしやすい!
デザイン性と強度を両立しているのが、フレームに採用されたトラス構造。三角形を組み合わせた構造でねじれに強く、ストローク量80mmのフロントサスペンションとともに衝撃を吸収。

またトップチューブを廃したことで、ママチャリ同様の乗り降りのしやすさ。それでいて、未舗装林道等のオフロードをガシガシ走れるポテンシャルを装備しています。

イッシモファンのユニット

③力強いアシストを提供するバーファン製ドライブユニット
イッシモ・ファンの重量は、なんと33.5kg! なかなかの重さなので、アシストを利かせずに走りだそうとすると、やはり大変です。
でも搭載されるバーファン製ドライブユニットは、とても力強く、いざペダルを踏み込むと、グーン!と前に出ます。あれっ? と思うほど、漕ぎ出しが軽いんです。

イッシモファンのハンドル

ちなみに、アシストモードは5段階。グリップ横の+-ボタンを押して操作します。アシスト可能な最長走行距離は120km。充分です! また、シマノ製の内装5段ギアも装備されています。
内装ギアとアシストモードで、シーンに応じた最適を探るのが、最初も面白くて、いろいろと組み合わせを変えているだけで、遊べます。

キャンプ場をベースにした、ショートトリップが楽しい

イッシモファンのキャリヤ

今回のイッシモ ファンには、オプションの片側キャリヤを装備。ここにショッピングバッグを掛けて走行もしてみました。

キャリヤ側ではない方向からの写真になってしまいましたが、後輪の向こう側にあるのがキャリヤに装着したバッグです。

正直に言います。今回装着したバッグは高さがありすぎて、路面に接触しがち……コレは失敗。装着するなら縦長ではなく、正方形から横長のコンパクトなパニアバッグがよさそうです。

イッシモファン

低めのポジション、段差を意識しなくても進めるファットタイヤとフロントサスペンション、オフロードではしっかりグリップを利かせながら、しかもラクラクと進んでいけるアシスト。
これはロードをメインに走るよりも、キャンプ場をベースにして、周囲のオフロードをポタリングしたり、買い物に出掛けたりするだけで、なんだか気分がワクワクしてくるeバイク、いやeファットバイクでした!

イッシモ ファン
価格:44万円
サイズ╱ワンサイズ 
カラー╱ホワイト、ブラック、レッド、シルバー
フレーム╱アルミニウム 
フォーク╱N.A. (80mmトラベル) 
ドライブユニット╱バーファン・M500 
コンポーネント╱シマノ・ネクサス(5E) 
タイヤ╱ヴィータイヤ・ファット(20×4.0)
重量╱33.5kg

問・モータリスト(ファンティック)
https://fantic-ebike.jp/

動画でイッシモファンを解説

eバイクだけでなく、今回はハンモックにも乗りました~~~

ハンモック

片道約25kmの峠道を進んだ先にあるキャンプ場が、今回の目的地。
そこは沢沿いの森のなかにあり、疲れた身体を休めるのにハンモックをするのがぴったりの場所なんです。しかも軽量コンパクトな、いわゆるULハンモックが近年増えていて、持ち運びと設営がとても簡単になっています。

風を切って走った後に、風に揺られて休憩。
eバイク+ハンモックは、自然やアウトドアをのんびり味わうのにサイコーの組み合わせです!

そこで、ULハンモックのポイントも、3つ解説します!

モンベルのハンモック

①重量は1kg以下、収納サイズは1Lペットボトル以下
今回使用したハンモックは、モンベル・フィールド ハンモック(1万780円)。
重量は720g、収納サイズはφ13.5×19cm。
このモンベルのフィールドハンモックは、ULハンモックのなかでは、スタンダードなスペック。さらに軽く、小さなハンモックもあります。

でも、機能性とコスパのよさは、モンベルが随一!

ハンモックの設営

②設営は、ストラップを幹に巻いてカラビナでハンモックを連結するだけ!
ULハンモックの設営は、とにかく簡単。ロープワークも不要です。

両手を広げて、その2.5~3倍程度の間隔の木を見つけ、それぞれにツリーストラップと呼ぶロープを巻き付けます。

その際、目の高さくらいに巻くと、ハンモックがちょうどよい高さになります。
そしてハンモックの両端に付いているカラビナをストラップの任意の場所に掛けるだけ。

ここで、すぐにハンモックに寝転ぶと脱落して地面に身体を打ちつけてしまう可能性があるので、腹側から体重を掛けて、落ちないことを確認。軽く腰掛けて、高さを調節して完成! 慣れれば、5分も掛かりません。

屋外でソファーのようにくつろげる

③ULハンモックは横座りして、ゆったりソファーとして使うのが◎!
ハンモック=昼寝。それが当たり前の使い方ですが、ULハンモックは、横座りしてソファー的に使うと、かなり調子がいいんです。
ツーリングでアウトドア用のチェアを持って行くのは、嵩張るし、大変。コンパクトなチェアもあるけれど、寛げるものは、ほぼありません。

ツーリング途中、気持ちのよい場所に木があって、ULハンモックを吊せば、そこは極上の寛ぎ空間に早変わり!
ただし、ハンモック禁止という場所もあるので、注意して楽しんでください。

特別なことをしなくても、アウトドアにいるだけで気持ちいい

eバイク+ハンモック

ハンモックを吊して、デイキャンプ。となると、BBQをしたり、流行りのメスティンと呼ぶ飯ごうでごはんを炊いてと、ちょっと張り切りがち。

でも、そんなことまではせず、お湯を沸かして、コーヒーを楽しんだり、カップ麺を食べるだけで、なんだかとっても充実した気分になれるのが、アウトドアのよさです。

食後は、ゴロンとハンモックに寝転んでお昼寝。
クセになるのんびり時間を、是非eバイクとともに楽しんで!

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