はじめまして。ツーリング好きアウトドア道具ライターのポンチョです。
昨今流行っているソロキャンプ的に、eバイクに乗って手軽に日帰りアウトドアを楽しめるあれこれを、道具の紹介とともに解説する企画が、『eバイク+アウトドア道具=』です。
今回は、少し秋めいてきたので、アウトドアコーヒーを楽しんできました。
それでは、どうぞ~~~!
電動アシスト自転車ではなく、eバイクって? というレベルの私
3年位前から、気になってはいたんです。eバイク。
20年位前に、ソーラーパネルを取り付けた電動アシスト自転車で、距離100km程のタイムを競うレースに参加。途中でバッテリーに充電がされなくなるトラブルに見舞われ、電動アシストの恩恵と、その重さを経験したことは、遠い思い出。
当時はママチャリに毛が生えたようなスポーツ仕様だったのが、現在は完全にスポーツバイク。バッテリーも大型化&軽量化され、100km程を、それこそソーラーパネルなしでアシストの恩恵を受けて、軽々と走り続けられる。
いや、そんなことは、このサイトの読者であれば、「今さら」と思うことでしょう。
でも、今さらだとしても、敢えて声を大きくして言いたい!
いやぁ、なにコレ! なにこのリヤから押し出される感じ。電動アシストバイクというより、電動バイクのように上って行くんですけれど~~~!!
私は今回が初のeバイク体験。
他のモデルを知らない。
だから電動アシストのモーターが、リヤハブにあるなんて想像もしていなかった。
「今や、アシストはクランク部分だけじゃないのね」
「リヤハブでアシストが利くから、押し出される感じがあるんだ!」
「えっ、それがベスビーの特長だって!?」
と、その前に
「ベスビーって?」
「あっ、eバイクブランドの……初めて聞いたけれど、欧米ではメジャーなブランドなんだ!」
私の疑問に編集長・ナカジマさんが回答してくれ、次々に驚きが増していく!
グラベル仕様というeバイクの安心安全
という訳で、私が乗ったeバイクは、ベスビー・JG1。
同社初のグラベルバイクで、フレームにアルミ、フロントフォークとシートポストには、振動吸収性の高い軽量カーボン素材を採用。タイヤはマキシス700×38C。コンポはシマノGRX11s。そしてブレーキは油圧ディスク。
当たり前だけれども、きっちりグラベルしている。
今回は林道中心にポタリングしたのだけれども、15.9kgというバイク重量を太いタイヤとカーボンフォークがソフトに受け止めてくれ、安心安全感強め。
このグラベル仕様こそが、eバイクならではのスピードと、増えた重量によるトラブル、つまりパンクや荒れた道での走行の不安定さを防ぐ、スタンダードなスタイルになるんじゃないかと思えた。
繰り返すが、初めてeバイク乗車した、ツーリング好きアウトドア系道具ライターの感想です。
斜度8%の急坂で時速20kmがひょいと出る!
さてこのJG1。アシストモードを3種類装備。
ECO(省電力)、SMART、POWER(最大出力)。
ECOモードは、最低限のアシストながら、しかし漕いでいる感あり。省電力なので最長105kmもアシストを受けられる。ほんの少し背中を押してもらえる感覚。いや、それでも十分に体力消費を節約できる。これだけでもいいぞ!
SMARTモードは、同社オリジナルのアシストモードで、ペダルを踏む力を感知して自動的に最適な電気量を出力する。うん、とても頭がいい。
坂が急になり、踏み込む足が重くなって、「おいっ! どうした !!」と声を掛ける前に、いいタイミングでググッと後輪が押される。誰かが背中を押してくれる。
慣れるまで、いやそのアシストが当たり前だと思うようになるまで、坂道になる度に、「おーっ!」と感嘆の喜声が出る。
誰? 誰が押してくれているの? と振り返っても、当然誰もいない。でも、私の身体、いや足を察して、すぐにアシストをはじめてくれる誰かがいる。間違いなくいる。
そんな感覚だ。
そしてPOWERモードは、最大出力のアシスト。
今回は長くても30kmのポタリング予定だったので、峠に向かう坂道でPOWERモードを無駄遣いしてみた。
コレがスゴい!!
声(文字)を大きくした通り、もはや漕ぐ足は、動かしている体(てい)で、ほぼ漕いでいない。電動バイクのごとく、勝手にバイクが進む!
いや実際には勝手には進んでいないのだけれど、そう思えるトルク感がスゴい。
アシストなしで漕ぐと時速8kmほどしか出せない急坂で、POWERモードにした途端、時速20kmを越える!
「あぁ、トップライダーって、こういうスピード感で坂道を進んでいるのか~~~」と、ひたすら感動する時間が続く。そして自分がトップライダーになれたような優越感にひたりながら、地元の高校生自転車部女子らしきライダーを追い抜いたけれど、少し反省。
自分の力でもないのにいい気になっていると、きっと罰があたるな……謙虚に走らなければ!
ちなみにモード切り替えは走行中も可能。トップチューブにあるボタンを押すか、ドロップハンドルの下ハン上部の左右に+-ボタンがあり、それをタッチするだけで切り替えられる。上ハンを握ったままでも親指が届く位置にあり、操作性もよく考えられている。
いやぁ、eバイク、ベスビー・JG1、実に面白スゴい!
さて、eバイクに興奮しすぎたけれど、今回の目的は
東京都の西の端、檜原村にある払沢の滝の駐車場を基点に、北の大岳神社の神域への入口にある神戸岩(かのといわ)の水を頂き、コーヒードリップをして飲むこと。
理由は、eバイク同様に、神戸岩がずっと気になっていて、でも訪れることがなかった場所だから。
ちなみにアウトドアでコーヒーをドリップするのは、私の長年の趣味。自宅はもちろん、キャンプ、登山、ツーリングでコーヒー豆をミルで挽いて、ペーパードリップしている。
でも今回は、私が暮らす千葉県市川市の道の駅いちかわ内にある「いちCafe珈琲焙煎(道の駅いちかわのサイト)」のドリップバッグを味わった。
ひとりの時はミル挽きから行なう時間がたっぷりあるけれど、同行者がいる場合は、あまり待たせず、期待値を上げずに、ササッと提供する方が喜ばれる。
そこそこの味のコーヒーでも、その場で湯を沸かし、ドリップしたコーヒーをアウトドアで飲めば、誰もが美味しいと感じるようになっている。これは自然の摂理といっていいもの。
茶菓子は、払沢の滝の入口にある豆腐屋「ちとせ屋(檜原村観光協会のサイト)」
のうの花ドーナツ(1個100円)。しっとりとして、素朴。うの花=おかららしくあっさり。日本ならではのドーナツだけれども、これがコーヒーによく合う。
楽歩京都の森乃雫は、ドリップコーヒーの美味しさを最大化
ところで、先に書いた通り、私はアウトド道具のライターだ。だから少し、それらしいことも、書いておこう。
上の写真にある、コーヒードリップに使ったヤカンは、北欧ノルウェーのイーグルプロダクツのキャンプファイヤーケトル(スライブの製品ページ)。
焚火の似合う頑丈さと牧場にあるミルクタンクのようなデザインは、いかにもアウトドアな雰囲気。
本体はステンレス製で、底部には熱伝導率のよい銅メッキが施され、湯沸かしを早めている。以前テストをした際には、熱伝導率のよいアルミ製のヤカンと変わらない早さで湯が沸いたので、その効果は間違いない。
そのケトルの口に装着した鳥のくちばしのようなものが、楽歩京都(公式サイト)の森乃雫。
京都の工房で仕上げらている、3Dプリンターで形作られたチタン製のコーヒードリップ用注ぎ口だ。
商品名の通り、ドリップ時に雫のような湯を落とせ、十分に豆を蒸らしながらコーヒーを淹れられる。当然、そうして淹れたコーヒーは、味わいが深くなる。本当に!
デザインもよく、黄金比、黄金螺旋を取り入れていて、見ているだけでも気持ちがいい。
一度でもアウトドアでコーヒードリップをした経験があればわかってもらえると思うが、ヤカンやカップから湯を注ごうとすると、ドバッと湯が出てしまいがち。
不味くはないけれど、なんだかなぁ……という気分になることが多々ある。
しかしこの森乃雫は、誰がドリップしても、上手に細い湯、雫を簡単に注げる逸品。
えっ、たったそれだけの道具? いくら?
いっ、いっ、1万円!
スポーツバイクと同じく、好きな人にしかその価値は理解できない。
値段は、正確には仕上げの違いで8000円~1万2500円。
アウトドアコーヒー好きの間でかなりの人気になっていて、現在、注文から60日ほど待たなければ手に入らない。
自宅でも使える道具でもあり、気長に待って、是非美味しいコーヒーを味わってほしい。
アウトドコーヒーは水にこだわりたい
さて、アウトドアでコーヒーを淹れるのに大切なのが、水だ。
軟水だとマイルド、硬水は深入りで苦みの強い豆向き等々、いろいろな考え方があるが、アウトドアでのドリップコーヒーでの水は、わざわざ湧水や自然水を汲んできたい。
●●の天然水等々、ペットボトルの水を用意するのは、味気ない。
汲んでくる面倒、ひと手間を経ることで、自分で育てた家庭菜園の野菜や自分で釣った魚のように、コーヒーの美味しさはグッとアップする。
神戸岩は想像以上に神聖な空気と水に満ちていた
汲みに行ったのは、先に書いた通り大岳神社の神域の入口といわれる神戸岩。高さ約100m、幅は上部で約40mの岩盤が2億5000万年もかけて削られた岩の裂け目。
渓谷の流れのすぐ脇の人ひとりが通るがやっとの幅の遊歩道を進み、その奥へ。
神戸岩の奥にある、丈を超える落ち込みの水が、今回頂いた水だ。
硬質なチャート層の岩を想像もできない年月をかけて削ってできた岸壁の間を流れる水。私がこれまでいろいろな場所で頂いた水のなかでも随一の神聖な場所の水。
コーヒーにして頂けば、きっと太古から続く時の流れの一旦を感じられるに違いない。
しかし、ここは林道脇の沢の流れ。簡単に人が入れる場所でもあり、念のため、携帯浄水器で濾過をすることにした。
コーヒーを淹れるために沸騰させるので、それだけでも殺菌は十分。せっかくの神の水を濾過してしまうと、ご利益まで落ちてしまいそうだけれども……。
ちなみに携帯浄水器はスイスの浄水器メーカー「カタダイン(公式サイト)」のビーフリー。ソフトボトルに汲んだ水を、飲み口に備えられた小型浄水器で濾過。
重さ59gで、微生物を99.9%、バクテリアを99.9999%除去。山を走るツーリング時の水切れ……なんて時に、持っていると重宝する道具だろう。
広い景色に包まれて飲むコーヒーの満足感
神戸岩で汲んだ水で淹れるコーヒー。神戸岩の奥にもスペースがあったのでそこで淹れてもよかったし、その下のキャンプ場もいいなぁと考えていた。
しかし、eバイクに乗っていることもあり、上りを苦にする必要がないので、スタート地点の払沢の滝駐車場まで戻り、今度はその奥、浅間嶺へと向かう浅間林道を上ることにした。
そうしてやって来たのが、時坂峠という場所にある元・峠の茶屋だった建物前広場。
この広場からは、目の前に大岳神社の奥の院がある、大岳山がどーんと見られる。
あの山に降って、浄化され、神戸岩に集まった水を、今、コーヒーにして飲んでいる。
蛇口をひねって出てきた水や、コンビニで買った水で淹れたコーヒーとはまるで違う、たっぷりの充実感を、景色に包まれながら頂いた。
う~ん、美味い!
距離や標高を稼ぐのもツーリングの楽しさだけれど、これはまったく異なるベクトルの楽しさで、大して漕いでないのに、しかもeバイクで楽ちんなツーリングだったのに、なぜか大したことをしたような満足感がある。不思議だ!
こんなアウトドアコーヒー、是非皆さんもお試しを!!
ところで今回着用したウエアは、ケトルに合わせた北欧ブランド
ツーリングというと、バックポケットを装備したピタピタジャージが定番だけれども、アウトドア気分を満喫するならアウトドアブランドのものがいい。
今回着用したのは北欧スウェーデンのホグロフス。
ナチュラルなきれいな色味が多く揃っていて、自転車とも自然ともよくマッチする。
Tシャツ:デルタ ハイブリッド T ショートスリーブ
ショーツ:リムシリーズ フューズ ショーツ(メンズ)
バックパック:リムシリーズ 25リットル
シューズは、デュアリティ AT2。シューズ内に入れるミッドソールパーツを、ソフトとハードの2種類から硬さを選んで装着可能。自転車には硬いソールで、効率のよいペダリングが行え、街歩きが中心ならソフトを選んで歩行感重視。
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