スポーツサイクルにドライブユニットとバッテリー、そしてコントロール部を追加したのがeバイク。軽量コンパクトながら驚くほどの登坂能力を発揮するeバイクのパーツとは?
eバイクの性格を決める最重要部品がドライブユニット
ドライブユニットとは、モーター、ギヤ、そして電源制御部を一体化したユニットのことで、これがeバイクのパワーの源。国内で発売される高級e バイクのほぼ全てが、BB部分にユニットを搭載するミッドマウント方式を採用しており、ライダーがペダルを踏み込むと、そのトルクを即座に分析して踏んだパワーの最大2倍の力をモーターが発生。減速ギヤを介してBB軸を直接アシストすることで、驚くほどスムーズにそしてパワフルにライダーをアシストする。BB部分にコンパクトとはいえ大きなユニットが装着されるので、完成車メーカーとドライブユニットメーカーはフレーム作りにおいて密接に協業することが求められ、ゆえに、一つのフレームにどのユニットでも装着できると言うものでもない。一般的に高級なユニットほどパワフルで、同時に軽量素材を使用して軽く、そしてコンパクトに作られているが、街乗り用に開発されたユニットは静かと言うメリットがある。欧州で人気のボッシュ、シマノ、ヤマハなど多くのメーカーが、ドライブユニットを完成車メーカーに供給している。
一日中遊ぶのにも十分なバッテリーすら登場している
スマートフォンや電気自動車の開発競争で飛躍的に進化したリチウムイオンバッテリー。eバイクもリチウムイオンバッテリーを採用しているモデルがほとんどで、バッテリー1本の充電容量は300Whから630Wh程度。例えば500Wh定格容量は、500Wのパワーを1時間出せる充電容量という意味だ。ロードバイク乗りにとっては、河川敷を流している時のライダーの出力が150W程度なので、理論値とはいえかなりのアシストが可能なことが分かるだろう。500Wh搭載車での実際の1充電あたりの走行距離は、ライダーや走り方によって大きく変わるものの120㎞程度。もしくは1500m程度の標高差を、強力なアシストを受けながら走行可能ともいえる。充電時間はACアダプターやバッテリーの性能にもよるが、3.5時間程度~。前半は急速に充電され、徐々にそのカーブが緩やかとなる。フレーム内にチューブを内蔵したインチューブ方式と、外装式の2種類があり、見た目にスマートで低重心な前者に対して、後者は脱着がしやすく、外付けゆえにフレーム設計が容易となる。2021モデルでは625Whの大容量バッテリーも登場した。
バッテリーを長持ちさせるコツは?
近年、バッテリーマネジメントは飛躍的に進化しており、バッテリーのことはあまり気にせず使っても寿命に大きな影響は与えないが、一般的にリチウムイオンバッテリーは残容量ゼロの状態かつ高温下で保管されることは苦手。もちろんメーカー保証もあり、安心して使って欲しい。
直感的な操作を可能にするコントロールスイッチ&パネル
eバイクはアシスト特性を手元のコントロールスイッチで操作可能。写真のシマノの場合、エコ・ノーマル・ハイの3種類のモードがあり、さらにはアシストオフで走行することも可能。サイクルコンピュータも兼ねているので、航続距離や走行スピードなどを手元で確認できる。コントロールパネルなしではドライブユニットが起動できないモデルもあるので、紛失しないように注意が必要だ。スペシャライズドのようにスマートフォンでその役割を兼ねるメーカーもある。
便利なUSB
ヤマハやジャイアントのコントロールパネルには5VのUSB給電機能が装備されており、駆動用バッテリーの電力でスマートフォンやテールライト等の充電が可能。