自転車通勤と街乗りに最適なおすすめeバイク

自転車通勤と街乗りに最適なおすすめeバイク

これから自転車通勤を始めたいと考えている人は多いだろう。また、街乗り用に新しく自転車が欲しいと思っている人も多いはず。そこで気になるのはやっぱりeバイクだ。「実際、eバイクって自転車通勤に向いているの?」「自転車通勤や街乗りにおすすめなeバイクはどれ?」 そんなあなたの疑問にお答えし、初めての一台の選び方、そして編集部おすすめのeバイクをご紹介しよう。

なぜ自転車通勤と街乗りにはeバイクが向いているの?

ずばり、eバイクは自転車通勤と街乗りに向いている。それはなぜか。今回はアドバイザーとしてワイズロード 新宿アーバンeコミューターの副店長・杉浦 信(すぎうら まこと)さんに話を聞いてみた。

ワイズロード 新宿アーバンeコミューター副店長の杉浦 信さん。eバイク販売と整備のプロだ
ワイズロード 新宿アーバンeコミューター。国内唯一と言っていい、eバイクを専門的に扱うスポーツバイクショップだ。小径車や折り畳み自転車も専門的に扱っている。オンラインで自転車を購入し、受け取りとその後のメンテナンスをショップで受けられる「Y’s Roadオンライン」も実施している

「eバイクは、自転車に乗るときに一番力を入れないといけない場面だけうまくアシストしくれます。例えば、こぎ出しや坂道、向かい風といった場面です。これがずばり自転車通勤と街乗りに最適であるがゆえんなんです」と杉浦さん。

信号明けのこぎ出しが頻発する市街地走行ではeバイクは大きな力になる

「街乗りなら当然ですが、自転車通勤も市街地を走るシーンがほとんどですよね。市街地は信号や一時停止によるストップアンドゴーが多いです。だから、特に頻繁にあるこぎ出しを楽にしてくれるeバイクは、それが大きな武器になるのです。

汗をかきにくいのもポイントです。暑い季節は、通勤で服が汗でびっしょりになってしまうこともしばしばですが、eバイクなら普通の自転車に比べるとかなり汗を防げます。

重い荷物を積んでも、アシストで楽に走れることもポイントです。リヤキャリヤ(自転車に取り付ける荷台)にバッグを取り付けたりする人も多いですが、そうした装備でも苦になりません」。

重い荷物を積載しても楽に走れることもポイントだ。写真はリヤキャリヤの一例

自転車通勤と街乗りを目的とする人の中には、運動にもなることをメリットに感じている人も多いと思う。eバイクだと全然運動にならないのでは?

「いえいえ、十二分に運動になります。eバイクは時速24kmでアシストが切れる仕組みになっています。これがミソで、このくらいの速度域で走るのが一番楽に、効率良く走れて、かつ無理のない運動にもなる速度域なんです。こぎ出しや坂道、向かい風といった力を使うときだけアシストしてくれて、“一番おいしい速度域”でアシストが絶妙に切れる。だからこそ、運動にもなるし楽に楽しく走れるんです」。

自転車通勤と街乗りに適したeバイクの選び方は?

数あるeバイクの中から、どんなものを選んだらいいのだろう?

eバイクが自転車通勤と街乗りに適していることはよく分かった。では、それ用にどんなものを選んだらいいのだろうか?

「お薦めなのは小径車です。小径車というのは、車輪が小さくコンパクトで小回りの効くタイプの自転車です。中にはそのうえで折り畳めるタイプのものもあります」。

初めてのeバイクにおすすめの小径車。写真はbenelli(ベネリ)の「mini Fold 16 popular」(記事の後半で詳しく)。photo:benelli

「市街地走行に適していて、かつ収納にも困らないので、通勤・街乗りに最適なうえに最初の一台としても扱いやすいです。電動アシストがない通常の小径車は、車輪が小さいぶん走るためにたくさんこぐ必要があったり、初心者だと安定感に欠けて操作が難しかったりするのですが、eバイクだから走行は楽だし、バッテリーやモーターを積んでいることによって重心が安定します。eバイクによるメリットを受けやすい車種である、という意味でもおすすめですね。

他には、サスペンションを搭載していたり、タイヤが太めのタイプもおすすめです。MTB(マウンテンバイク)タイプもありです。市街地は意外と段差があったり、路面にパンクの原因となるものが落ちていることが多いのです。そんなとき、サスペンションや太めのタイヤが乗り心地の良さとパンクに対する強さを発揮してくれます。人力のそうしたタイプの自転車だとそのぶん走りが重くなりがちなんですが、eバイクだとそれを打ち消してくれて、“乗り心地の良さだけがうまく残る”というわけですね」。

サスペンション搭載でタイヤが太めのモデルもおすすめ。写真はbenelliの「TAGETE 27.5 CROSS」(記事後半で詳しく)

価格帯はどのくらいのものから選んだらいいのだろう?

「20万円前後を基準にしてもらうといいですね。高額になればそのぶん精度も上がり、走りの性能も安全性も高くなります。安いモデルだとバッテリー容量が小さく走行距離が短くなってしまう傾向があります。そのバランスの取れたポイントがこの価格帯です」。

買うときに注意したいことは?

では、実際に買うときに気をつけたいポイントとは?

「通販ではなく、信頼のおけるお店で買うことです。eバイクは電子部品も搭載しており、定期的なメンテナンスが必須です。だからきちんとお店で購入し、購入後のメンテナンスも含めて面倒を見てもらうようにしてください」。

自転車ショップなら、試乗車が置いてある場合も

「また、お店だと試乗車を置いていることもあり、買う前に実物を試せるチャンスがあるかもしれません。さらに、店員が自分にあったeバイクを提案してくれるというメリットも。数十万円にもなるお買い物ですから、しっかりとお店で自分に合ったものを慎重に選びたいですね」。

自転車通勤と街乗りに最適なbenelli(ベネリ)のeバイクを紹介!

ここからは、編集部一押しのeバイクとして、イタリアのブランド・benelli(ベネリ)から2つのモデルを紹介しよう。どちらも自転車通勤と街乗りに最適な一台だ。

スタイリッシュな折り畳みeバイク「mini Fold 16 popular」

benelli(ベネリ)・mini Fold 16 popular(ミニ フォールド16ポピュラー)。カラーはコズミックブルー(左)とコズミックシルバー(右)の2種類

2020年7月に発売されたばかりの新モデル。小径車タイプかつ折り畳むことができるeバイクだ。アシストは強力で、小径車とは思えないほどのパワフルで快適な走りが魅力。それでいて税抜10万円代の価格で、コストパフォーマンスもかなり高い。

折り畳みは非常に簡単だ。30秒も掛からずに素早くコンパクトな姿に変身する。「輪行袋(りんこうぶくろ)」という、自転車を電車など公共交通機関に乗せるための専用の袋にもすっぽりと収まる。なので、例えば自転車通勤で“往路は乗って、復路は雨が降ったから電車で帰る”という芸当も可能なのだ。

eバイクとは思えないほどコンパクトに折り畳むことができる。キャスター付きで持ち運びも楽だ。 photo:benelli
車体にライトを(そしてバッテリーも)内蔵し、すっきりとまとまったスタイリッシュなデザインだ。 photo:benelli
モーター(ドライブユニットと呼ばれる部分)は前輪にあり、フロントドライブ式になっている。 photo:benelli

mini Fold 16 popular

●価格:10万8900円(税抜)
●サイズ:1サイズ(適応身長145cm〜)
●カラー:コズミックブルー、コズミックシルバー
●重量:17.0kg
●アシストモード(最長走行可能距離):low(38km)、millde(00km)、high(50km)
●モーター出力/バッテリー容量:250W/5.2Ah
●変速:シングル(1速)

動画でもチェック!

シティライドに適したeMTB「TAGETE27.5 CROSS」

benelli・TAGETE27.5 CROSS(タジェーテ27.5クロス)。 photo:benelli

benelliを代表するモデルでeMTB(イーマウンテンバイク)の「TAGETE27.5」がシティライドに適した仕様にアレンジされ、2020年に新登場したモデルだ。

普通、MTBはブロックタイヤというぼこぼことしたオフロード走行に適するタイヤを履いているが、このモデルは最初から舗装路の走行に適したスリックタイヤを履いているのが特徴。これによって、MTBの快適な乗り心地とクロスバイクのような軽い走りを両立している。自転車通勤にもってこいのeバイクだ。

太めのスリックタイヤを初期装備している。 photo:benelli
オプションパーツとして、「リアキャリア」(4500円・税抜)と「フェンダーセット(5400円・税抜)」を装着することができる。 photo:benelli
変速はリヤ10段で、勾配の変化などへ細かに対応したギヤ選択が可能だ。 photo:benelli

TAGETE27.5 CROSS

●価格:21万8000円(税抜)
●サイズ:XSサイズ(適応身長165~170cm)、Sサイズ(適応身長165〜185cm)
●カラー:クールグレー
●重量:22.0kg
●アシストモード(最長走行可能距離):6段階(100km)
●モーター出力/バッテリー容量:250W/11Ah
●変速:1×10速

benelliとは?

イタリアのブランドで、モーターサイクルで長い歴史を持つ。その分野で長年培った技術を基に、2011年からeバイクの開発・販売を開始した。小径車とMTBをメインでラインナップしており、手に入りやすい価格ながら強力なアシスト力を備えた、コストパフォーマンスに優れるモデルをそろえているのが大きな魅力だ。

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