eバイク旅ノート Vol.55 eバイクレンタル旅。その3は諏訪湖一周&諏訪大社参拝

eバイク旅ノート Vol.55 eバイクレンタル旅。その3は諏訪湖一周&諏訪大社参拝

次なる目標は妻ヒロコとふたりで日本一周をすること。まずは少しずつeバイクに慣れてもらうためレンタルeバイクのある場所を探した。1回目が茨城県の霞ヶ浦、次が静岡県の朝霧高原。さて今回は??

朝霧高原の旅でわかったのは、ヒロコは景色がよかったり、観光が楽しめたり、おいしいものが食べられたり。走る以外の要素があるとテンションが上がること。確かに、走るだけでも楽しい僕でも、きれいな景色の中を走った方が気持ちいいし、目の前にニンジンがぶら下がっていた方が脚に力が入るもの。日本一周ではヒロコが楽しめそうなことをたくさん詰め込もう。ただ、そうなるとなかなか進まない気もするんだけど…… まあそこは深く考えないでおこう(笑)

話は変わって。僕の最近の仕事の中心はイラストレーター、締め切りはあるが、それまでの時間比較的自由に作ることができる。一方妻のヒロコはコーチなど対人の仕事が中心。それだけに自分の都合で時間を変えたりすることはできない、休日もあってないようなもの、なかなか時間がとれなかった。朝霧高原の3週間後、ようやく休日ができた。さあ、レンタルeバイクに出かけよう。

今回の目的地は長野県の諏訪湖。目標やゴールがあった方がいいと思い“諏訪湖一周(16km)”することにした。ただ距離的に物足りないので、全国に約2万5000社ある諏訪神社の総本社、諏訪大社の参拝を加えることにした。eバイクをレンタルするのは、諏訪湖の西部にあるJR岡谷駅に隣接する“岡谷市観光案内所”。eバイクレンタルは高めに設定しているところが多いが、ここは1日2000円(事前予約の場合)と良心的。スタッフから使用規約の説明を、乗り方のレクチャーを受けたら、準備OKだ。

ちなみに今回レンタルしたeバイクはパナソニックのジェッターとミヤタのCRUISE5080(クルーズ5080)で、どちらもクロスバイク系。まずは諏訪湖に向かって走り出す。抜けるような青空、いい一日になりそうだ。しばらく走ると“釜口水門”が見えてくる。諏訪湖の水はこの水門を抜けると天竜川となり、南アルプスと中央アルプスの間を南へ南へと流れ、遠州灘へと流れつく。そう、ここはまさに天竜川の始まりの場所なのだ。そして僕たちの諏訪湖一周のスタートもここ。水門の歩道に入って行くと、諏訪湖が最高に素晴らしく、ヒロコはスマホで写真を撮りまくっていた。

岡谷市観光案内所
今回eバイクをレンタルしたのはJR岡谷駅に隣接する“岡谷市観光案内所”。更衣室、荷物のお預かりも可能。ヘルメットも無料貸し出ししている
釜口水門
諏訪湖一周、僕たちの“スワイチ”スタート地となったのが釜口水門。この門を通った水が天竜川となり、愛知県、静岡県を経て太平洋へ注いでいる
クルーズ5080とジェッター
レンタルしたのは右が僕が乗るミヤタのCRUISE5080、左がヒロコが乗るパナソニックのジェッター。どちらも自然体で楽しめるeバイク

左手に諏訪湖を見ながら進んでゆく。途中からきれいなサイクリングロードと歩行者道路が現れる。木など視界を遮るものもなくなり開放的なった。ヒロコの足取りも軽く、あっという間に諏訪湖最南端の石舟渡の交差点に到着した。湖を一周するならここで左折なのだが、諏訪大社上社へ行くためそのまま県道16号を直進する。歩道は自転車も走れるのだが、路面がかなり荒れていて危険そうなので、車道を進んで行く。時々ヒロコがついてきているか、後ろを確認しながら進んでゆく。

30分ほどで諏訪大社の上社本宮に着いた。ここは日本最古の神社のひとつでパワースポットとしても知られている。eバイクを駐車場に置き、歩いて向かう。大きな鳥居をくぐり、大太鼓のある“神楽殿”、さらに67mにも及ぶ通路“布橋”を通って拝殿へ。荘厳な空気を漂わせる境内、拝殿の前でしっかり手を合わせた。

諏訪湖のサイクリングロード
諏訪湖の周辺はサイクリングロードが充実しているので、車も気にすることなく、安心して走れる。ちなみに左のオレンジ色の道はジョギングロード
諏訪大社
全国に広がる諏訪神社の総本山。日本最古の神社のひとつ“諏訪大社”は上社が本宮・前宮、下社が秋宮・春宮に分かれた二社四宮となっている
諏訪大社の上社本宮を参拝
諏訪大社の上社本宮を参拝。境内を歩いているときに見つけた神楽殿の中を覗くと大太鼓があった。側面にはダイナミックな竜が描かれていた

次はランチ。どこにしようか? ふたりでスマホを見ながら作戦会議。日本食にしようということで、来る途中で見かけた“山佐屋”へ。日本建築の雰囲気のある建物の民芸食事処で、メニューを見るとうなぎ、天ぷら、そば、定食、丼などどれもおいしそう。お腹がすいているので文字を見ているだけ、お腹が鳴る。迷った末、ヒロコは天丼、僕は天丼ざるそばのセットを注文した。天ぷらは衣がサクサク、甘い醤油たれとも相性がよく、エビ天もプリプリでおいしかった。

大満足でバイクに跨り、再び諏訪湖へ。湖畔の道を東へ進んで行く。ちなみにパナソニックのジェッターはSサイズと小さく、ポジションも乗り慣れているクロスバイクに近いのでとても乗りやすいという。午後2時を過ぎているのにまだ半分も回っていないことに気が付き、少し走るペースを上げた。湖に沿って延びるサイクリングロード、霞ヶ浦はロードバイクが多かったが、諏訪湖は都心部から遠いからかほとんど見かけない。

諏訪湖の南側は平地のため水が流れ出る川や水路が多い。小さな橋をいくつも越えて、上諏訪へ向かう。久しぶりに大きな広場、“諏訪市湖畔公園”が見えてきた。緑の丘に羊の像が点在、まるで牧場のようだ。その先には鏡面加工の巨大な日時計のモニュメント。さらにペダルをこぐと、湖を眺めながら浸かれる足湯があったが、タオルがないということで、残念ながら今回はパスとなった。くそーっ。諏訪湖の周辺ではこの辺りが一番賑やかなようで、観光ホテルがたくさん建っていた。

ここで琵琶湖半周。スマホを見るとすでに午後3時を過ぎている。eバイクの返却が午後5時までなのであまり時間がない。しばらく車道が続いたが、再びサイクリングロードが現れた。快適な道を走りながら「湖一周が全部サイクリングロードならラクなのにね」ヒロコの率直な言葉に僕もうなずいた。

天丼
今日のランチは天丼にキマリ! どんな料理でもサイクリングの途中に食べるとおいしいんだけどね。それだけに、食べ過ぎには注意しないとねぇ~(笑)
山佐屋
諏訪市にある民芸食事処“山佐屋/やまさや”の天丼はおすすめですよ。風情のある日本家屋、店内も落ち着いた雰囲気でお座敷もありますよー
諏訪湖から見える山
遠くに雄大な山が見えて気持ちがいい。諏訪湖周辺は温泉、神社、仏閣、美術館、古い町並みからグルメまで、サイクリングを楽しむには最高のエリア

気分良く進んでゆくと北岸にある“みずべ公園”にあっという間に着いた。遊具とトイレがあるだけの小さな公園。ここから諏訪大社下社へ向かう予定だったが、往復するには時間が足りないので、今回は諦めることにした。湖畔を進んで行く。この辺りは住宅地のようで公園で子供が遊んでいたり、犬を散歩させている人がいたり、日常的景色が広がっていた。湖畔沿いには整備された公園が点在、住むにはとてもいい環境だなと思った。

車道とサイクリングロードを行ったり来たりしながら進んで行くと午後4時過ぎ、湖一周の起点、釜口水門に着いた。ヒロコと一緒に記念撮影するとすぐに“岡谷市観光案内所”へと向かった。無事eバイクを返却するとスタッフさんから諏訪湖一周達成認定証「#スワイチ」と記されたバッジを受け取った。

最後にヒロコに今回の旅はどうだったか聞いてみると「諏訪湖はサイクリングロードが整備されているので、安心して走れて気持ちよかった」「残念だったのは時間の関係で“諏訪大社の下社”をパスしたこと」だという。確かに、今回は高速渋滞にはまって予定より2時間到着も遅れたので、かなりきついスケジュールになってしまった。ヒロコのレンタル旅もこれが3回目。eバイクもかなり慣れてきたようで、走る姿も様になってきた。少しずつ、夫婦日本一周の旅が近づいてきていることを実感する。

みずべ公園で見つけた、関東の富士見百景の案内板
みずべ公園で見つけた“関東の富士見百景”の案内板。天気が良い日には富士山が望めると書かれている。本当に? と思い見ると、美しい富士山が!
#スワイチの缶バッジ
1日を共にしたeバイク2台を岡谷市観光案内所に無事返却。スタッフさんから諏訪湖一周達成認定証「#スワイチ」の缶バッジを受け取った
諏訪大社の下社秋宮
せっかくなのでeバイクを返却した後、諏訪大社の下社秋宮を参拝。青銅製で日本一大きな狛犬と大きなしめ縄のかかった神楽殿が印象的だった

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