3月にヤマハ発動機から新モデルのeバイク、2車種が発売された。グラベルタイプのWABASHI RT(ワバッシュRT)を見た瞬間、日本縦断をするならこのバイクだと直感。何としても試乗したいと思った僕は4月16日、ヤマハ発動機が朝霧高原で開催する「YPJ Fan Meeting 〜Natural Holiday〜」に参加することにした。
YPJのオーナーはもちろん、YPJに興味がある人なら誰も参加できるオープンなイベントで、新モデルのWABASH RTとCROSSCORE RC(クロスコアRC)の試乗はもちろん、ライダートークショー、歴代のYPJ車両の展示。さらにYPJオーナー限定の朝霧高原エリアをめぐる“YPJオリジナルツアー”やYPJ開発ライダーや元MTBダウンヒルチャンピオンによる“ビギナー向けMTBライディングレッスン”。ヤマハオリジナルグッズや富士吉田の物産品が当たる“大抽選会”など盛りだくさん。車にeバイクを載せてワクワク気分で向かった。
台風の影響もあり前日は雨だったが、当日は曇り空。どうにか雨で中止という、最悪の事態だけは避けそうだった。途中で渋滞に巻き込まれたが、中央高速を走って9時半、会場に到着した。富士山が正面に見える場所のはずだが、残念ながら雲に隠れて見えなかった。すでに駐車場は車でいっぱい、YPJオーナーを中心としたイベントなのでどれ位の人が集まるのかわからなかったが、すでに100人以上は集まっていそうだ。
これまで乗っていた車種(YPJ-TC)とWABASH RTの大きな違いは、バッテリーがフレームインになったこと。外からバッテリーが見えないので、eバイクかどうか一目ではわからなくなった。見た目がかなりシンプルになった。
ドライブユニットは上質なアシストを提供する「PWseries ST」を採用。4つのセンサーの情報を瞬時に演算、ライダーが求める適切なアシストパワーが得られるようになった。またアシストも従来のモードに加えて、走行状況とライダーの要求にシンクロするアシストを3モードから自動選択する、オートマチックアシストモードを搭載。よりライディングに集中できるようになった。ほかにも小型化された多機能メーター、サスペンション付きのドロッパーシートポストなど、大きくブラッシュアップされた。
ヤマハ発動機の関係者さんたちと挨拶を交わすと、いよいよWABASH RT試乗となる。イベント会場の隣に緩やかなアップダウンのある広い草原があり、その中に試乗用コースが設けられている。ここを走るのかと思うとテンションが上がる。サドルの高さを調整してから、ゆっくりこぎ出す。昨日路面が芝なので慎重に進んで行く。
フレアーなドロップハンドルが新鮮、昔乗っていたランドナーを思い出す。坂に合わせてギヤチェンジをしながら進んで行く。フロントチェーンリングはシングルになり、リヤスプロケットがワイド化された。TCでもインナーを使ったのは数回だけ、シングルにして正解かもしれない。
デコボコな路面でもスムーズに進んで行く。感覚を確かめるようにペダリング。走りながら、舗装路走行が中心のロングツーリングをするならWABASH RTは最適かもしれない。そんな気がした。リヤキャリヤ用のマウントもあるし、フェンダーやキックスタンドも取り付けられる。フロントフォークにアクセサリー用のマウントまで付いている。これなら荷物がたくさん積めるぞ…… 日本縦断の旅への妄想がどんどん膨らんでいく。
アッという間に試乗コースを一周。名残惜しさを感じながら試乗を終えた。せっかくなので同時発売されたCROSSCORE RCも試乗することにする。こちらはフラットバーハンドルで、フロントサスペンション付き。ポジションはいま乗っているYPJ-TCに近く、試乗コースは路面がデコボコなので、フラットバーのCROSSCORE RCの方が安定感があった。
一度に多くのeバイクを試乗できる機会は貴重、さらにeMTBのYPJ-XC、前後サスペンション搭載、ヤマハのフラッグシップドライブユニット「PW-X2」を載せたフラッグシップモデル、YPJ-MTproも試乗。こうゆう場所を走るならMTBがベストであることを実感した。ヤマハのeバイク試乗を心行くまで堪能。気が付くと雲に隠れていた富士山が顔を出していた。
試乗が終わると車で河口湖へ移動する。eバイクを降ろし走り出す。サラッと河口湖を一周する予定だったが、対岸の湖畔に桜が咲いているのが見えた。行ってみると湖畔に道には“富士・河口湖さくら祭り”と書かれた看板が立ち、たくさんの観光客で賑わっていた。桜と河口湖と富士山のコラボレーション。こんな景色、なかなか見られないぞ。人が少ない場所を見つけると、絶景の中にeバイクを入れて記念写真。まさに偶然の産物。めちゃくちゃラッキー。よし、日本縦断もがんばるぞ~♪
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