こんにちは!ツーリング好きアウトドア道具ライターのポンチョです。
『eバイク+アウトドア道具=』は、eバイクでツーリングした先で、お手軽なデイキャンプやアウトドアなアクティビティを楽しむ企画です。誰でもラクにツーリングできるeバイクで自然豊かな場所に向かい、よりアウトドアを堪能してみようというもの!
さて2回目は、秋も盛りを過ぎ、朝晩はかなり冷えてきたので、湧水でラーメンをつくって温まってきました。乗車したeバイクは、ジャイアント・FASTROAD E+(ファストロードE+)。このeバイク、気が付かないくらいに自然なアシストで自転車を漕いでいる感覚がありながら、でもしっかりアシストされていて、もっと遠くへと向かいたくなる、極上のツーリングバイクでした!
それでは、どうぞ~~~!
人生2台目のeバイクは、ジャイアントのフラットバーeロード
前回、東京・あきる野市の神戸岩の滝の水でコーヒーをドリップしたツーリングで乗ったeバイクは、ベスビー・JG1というグラベルバイクでした。その時が私史上初のeバイクツーリング。
さて今回、人生2台目のeバイクは誰もが知っているサイクルメーカー・ジャイアントから今年発売された、FASTROAD E+(ジャイアントの製品ページ)でした。
ハンドルは真っ直ぐのフラットバー。タイヤは700×32Cと太め。
フラットバーなのでクロスバイクなのかと思ったら、フラットバーロードのeバイクモデルだそう。
その違いをざっくりと表現すれば、小回り、加速がよいのがフラットバーロード。直進安定性に長けているのがクロスバイクとなります。
でもね、乗ってみると、加速がよくて直進安定性もいいんです。同シリーズの兄弟車にドロップハンドルのROAD E+があって、フレームは同形状、ハンドルをフラットバーにして乗りやすさを高めたのがFASTROAD E+だから、フラットバーロードなのかも。
「FAST」とモデル名にある通り、確かにスピーディーに走ります。アシストをONにしている時はもちろんですが、OFFにしても、よく走るんですよ!
自転車としての基本性能のよさに驚いた!
ギヤはフロントシングル、リヤが10段。重量は重めの19.4kg。
だからアシストを切っていると、止まる前にギヤを軽くしておかないと漕ぎ出しが重い。立ち漕ぎしたくなるほど重い。
でも、一端スピードが出てくると、不思議なくらいにスゥーと加速。
平坦な道なら、頑張らずに、当たり前に時速25kmくらいで巡航可能。19.4kgの重さを感じない軽さです。これならバッテリーがなくなってアシストが切れる恐怖に怯えながら、走る心配無用。
eバイクって、アシストが切れたら重いだけの自転車でしょ……なんて偏見、このFASTROAD E+には当てはまりません。アシストなしで走っても、しっかり楽しい気分のままでした!
乗車姿勢は、フラットバーのおかげで少し立った状態。これなら、スポーツバイクに慣れていない人でも疲れにくいし、乗りやすい。
普段ドロップハンドルのツーリング車に乗っている私にとっては、もう少し前傾姿勢になるように調整したいかな。
スムーズでナチュラルなアシストは、乗り手と共同作業するような乗車感覚!
アシストしてくれるモーターは、電動アシスト自転車の先駆けとして知られるYAMAHAのSYNCDRIVE SPORT(シンクドライブスポーツ)モーター。これに、ジャイアントが独自のアシストセッティングを盛り込んだものだそう。
取り付け位置は、ペダル(クランク)部で、いわゆる電動アシスト自転車と同じ。ちなみに前回のベスビー・JG1は後輪部にあって、後ろから押される感じが強かったんです。
FASTROAD E+はどうかというと、漕いでいる足の重さは、坂道になっても平坦な道の時のまま。押されている感覚はほとんどない。でもペダルはクルクル回せるから、アシストは利いている。
それは、「あれ、アシスト入れてなかったっけ?」なんて勘違いしてしまうくらいに、スムーズなもの。坂道が終わって再び平坦な道に戻っても、アシストが切れた感じはしません。
どうやら、このモーター、「頑張ってアシストしてますよ!」という自己主張しない控えめタイプのようです。さすがに急坂であれば、「働いてくれているのね」とわかるけれど、自転車を漕いでいる感覚はあるので、モーターと自分の共同作業で急坂を攻略している感じ。
だから、自転車を走らせている満足感がしっかりあって、しかし、足への負荷は軽減されているので、疲労も少ない。
eバイクでラクに走っているのは間違いないのだけれども、ナチュラルなアシストなので、自分のチカラで走っている気にさせてくれます。
これは、面白い。もっと遠くまで行こうか! と、前向きにさせてくれるeバイクです!
公表値では最大205kmと十分なアシスト走行可能! でも実際は?
さて、遠くまで走るのに気になるのが、アシストを受けて走れる距離。
アシストは4つのモードがって、メーカー公表値では
●SPORTモード 82km
●ACTIVEモード 100km
●TOURモード 137km
●ECOモード 205km
SPORTモードがアシストが最も強く、以下、ACTIVE、TOUR、ECOの順に、弱くなります。ECOモードなら205kmもアシストされるということですが、、実際はどうでしょう?
今回、片道約30km、往復約60km、累積標高差、約540mをツーリング。
当初はECOモードで走行。山に入ってからTOUR、ACTIVE、SPORTの各モードを織り交ぜてテスト。復路では、下り基調ということもあり、度々アシストを切って走りました。
ツーリング終了後に確認するとECOモードで残り90km程のアシスト走行距離を表示、バッテリーは46%残っていました。
恐らく、このFASTROAD E+の乗り方に慣れたら、もっと節約走行が可能でしょう。今回のようにいろいろ試しながら走っても、100kmは確実にアシストしてくれそうです。
アシストのON/OFF、モードの切り替えは、ハンドル左手側のスイッチで行ないます。
でも通常はECOモードで十分。
急坂に入ったら、TOURやACTIVEモードに変えましたが、ACTIVEモードだとパワーがあるのでギヤ変速することを忘れがち。eバイクだから、それでもいいんです。いいんですが、ギヤ変速した方が楽しい……と思ったけれど、モード切り替えだけでも、十分に楽しかったのも、本当です。
キックスタンドも装備。誰もが楽しく乗れる自転車です!
FASTROAD E+には、しっかりとしたキックスタンドが標準装備されています。これはスポーツバイクに慣れていない人にとっては、ありがたい装備でしょう。
普段ツーリング車に乗っていて、スタンドなしが当たり前の私も、スタンドがあるとサクッと停められるし、サイクルスタンドがない場所で建物の壁に立て掛けておいて、転倒……なんて心配をせずに済むのが、とてもありがたいと感じました。
いろいろなところに立ち寄りながらのツーリング、また普段の通勤・通学の足に、是非このeバイクを活用してほしいという、ジャイアントの考えの表れとも思えます。
価格38万5000円は、ロードバイクとしては高価だけれども、eバイクとしては標準的、いやコスパがかなりいいんじゃないかと思いました。
eバイクながら、しっかり自転車を漕ぐ楽しさがあって、体力に自信がない人でも、散歩気分で100km近くのツーリングが可能。疲労は最小限。身体に余裕があって、走った先でアウトドアな+αの楽しみまで味わえるでしょう。
今回のツーリングの+αの楽しみは、佐野ラーメン!
今回のツーリングの目的でもあり、+αの楽しみは佐野ラーメンです!
佐野ラーメン発祥の地である、栃木県佐野市周辺は、小麦の産地。そして良質な水が湧く場所。麺づくりに大切な2つの材料を青竹で打つことで、空気を多く含み、腰の強いおいしい舌ざわりに仕上げています。
曰く、札幌、喜多方、京浜、九州と並ぶ、五大ラーメンのひとつだそう。
手に入れたのはJR東日本・両毛線と東武鉄道・佐野線が乗り入れる佐野駅の南口から、自転車で3分にある、「佐野ラーメン本舗上岡商店」。ド派手な建物が目印です。
そこで家庭用として販売されているのが、ガララーメン(350円)。ガラと商品名にある通り、鶏ガラ醤油スープが付いています。
なぜ今回この佐野ラーメンをチョイスしたかといえば、生ラーメンタイプながら、茹で時間がわずか45秒! だから。一般的な生ラーメンは2~3分茹でるので、半分以下。
これは、アウトドア向き! 試す価値あり!! と佐野までやって来たのです。
佐野ラーメンを茹で、スープをつくる水は桐生へ!
麺づくりによい水が必要なように、ラーメンづくりにもよい水があったほうが、断然美味い。佐野市周辺にも湧水地がいくつかありましたが、ちょっとツーリングするには近すぎるんです。それでに、せっかくだから景色がよい場所で食べたい。
で、見つけたのが、お隣、群馬県桐生市の山間、桐生川の源流部に位置する梅田湖上流部の大州の水という湧き水です。
佐野ラーメンを購入した佐野駅から片道30km。往復60km。eバイクなら、それくらいなんてことはない距離です。
大州の水を汲み、さぁ、いよいよラーメンをつくるぞ! と向かったのは、桐生川源流林と呼ばれる場所。しかし……その場所に着いてみると、沢沿いのその場所はすっかり日陰。しかも沢を吹き抜ける風が冷たい。
いくらあったかいラーメンを食べるにしても、これでは寒すぎる……と、即断で場所変更。梅田湖畔の公園に向かいましたが、なんと火器使用禁止……。これじゃラーメンを作れない……。
しかし、旅は常に予定変更の連続。思いつきでさらに楽しくなるものです。
公園手前に、川に下りる道と駐車場、そしてきれいな河原があることを、eバイクを走らせながら見つけていたので、そちらに向かいました。
源流林近く、桐生川の流れが美しい場所です。それに風もなく、陽射しも暖かく、最高のシチュエーション!
45秒ラーメンは、約10分で完成!
さぁ、ラーメンづくり開始です!
いくら美味しい佐野ラーメンでも、具がなくては味気ない。だからパウチされた具材を用意しておきました。私が住む千葉の矢切ネギも、刻んで持ってきました。アウトドアでの料理は、下準備が肝心です。その場で一から全部つくろうとすると、時間も掛かるし、ゴミも多くなります。
また、現地では最小限の作業に抑えることが、失敗を防ぎ、同行者を待たせずに済み、「なにができるんだろう?」という期待がしぼむ前に、食べてもらえます。
これ、フツーの味の食べ物でも、美味しいと食べてもらうための秘訣です。
そう思うのは、外で食べるカップヌードルは、なんで美味いのか? という永遠の疑問から。
空気の美味しさ、景観の素晴らしさ、身体を使って腹ペコということにプラスして、「よしメシだ! 早く食べたい!!」という盛り上がった感情に、即答してくれるからというのが、私の見解です。家では、アウトドアほど、カップヌードルに対する盛り上がりはありませんから。
だから、アウトドア飯でのスピード、大事です。
そこで今回は、シングルバーナーを2台用意。片方を生ラーメン茹で用、もう一方をスープ用として同時に点火! 寒い季節、アツアツをスピーディーにつくりたいので、ツーバーナーにしました。
同行、編集部・中島氏の分もつくるので、丼は2つ。木製丼は、無印良品のもの。手に持っても、金属製丼と違って、熱くならないのがいいんです。
それにこの丼、2つ重ねて、鍋の中にぴったり収まるサイズ。だから嵩張らずに収納可能。これをスタッキングといいますが、アウトドア道具好きは、食器やストーブを鍋の中にぴったり収納させるべく、あれこれ組み合わせを模索することに情熱を燃やす人間達です。
そんな組み合わせを、アウトドア雑誌やWEBで、あれこれ紹介する仕事をしているのが、私です。変わった趣味も、極まれば仕事になるんです。
なんて、話しているうちに、特製佐野ラーメン完成です!
準備をはじめてから約10分。彩りにのせた紅ショウガは、ツーリング途中でたまたま見つけた、「がり」の国内シェアトップを誇るという遠藤食品の工場直売のもの。
同行・中島氏は撮影していて、ややノビてしまったラーメンを食べさせてしまいましたが、私は45秒の早茹でのツルシコ麺の味わいを堪能しました~。
大州の水も、やわらかくて、旨味がひきたち、スープまで全部飲み干しました。同行・中島氏もあっという間に完食してくれたので、よかった! いやぁ、美味かった!!
今回おすすめしたいアウトドア道具は、SOTO(ソト)のストーブ
湯沸かしに使ったストーブ。先ほどはシングルバーナーと書きましたが、どちらも同じ、アウトドア用のコンロです。って、また呼び方を変えましたが、いろいろな呼び方のある道具なんです。
私が愛用しているのは、SOTOという日本のバーナーメーカーのもの。
写真左は、レギュレーターストーブ ST-310(6380円、SOTOの製品ページ)、右は、マイクロレギュレーターストーブ SOD-300S(6930円、SOTOの製品ページ)。
どちらも寒さに強く、ST-310は5℃まで、SOD-300Sは-5℃まで、火力が落ちない仕様が特長です。家庭用ガスコンロをアウトドアで使用すると、夏以外は寒さの影響で強火にしているのにトロ火になってしまい、お湯さえ沸かせないことがあります。そんなことが起きないのが、これらのストーブです。
レギュレーターストーブ ST-310
ST-310はカセットボンベを燃料に使用。メーカーは推奨していませんが、専用ボンベでなくコンビニ等で販売されているカセットボンベでも使用できるので、安心&経済的です。ゴトクが大きく、大きめ鍋でグループの食事をつくるのに向いています。
マイクロレギュレーターストーブ SOD-300S
SOD-300Sは、アウトドア用のガス缶を燃料に使用。ガス缶は少し高価ですが、ストーブ本体とともにコンパクトになるので、ツーリング向き。ひとり用の小さな鍋=ソロクッカーの中に収納でき、湯沸かしと簡単な調理ならコレを使うとよいです。
アウトドアな+αには、足元はトレランシューズがいい
私、ツーリングも、登山もランニングも普段履きも、すべてトレランシューズを履いています。あっ、トレランとは、山を走るトレイルランニングというアクティビティのこと。
最近のお気に入りは、スイスのOn(オン)というブランドのクラウドベンチャー(1万7380円、Onの製品ページ)です。
アウトドア用のシューズは、総じてゴツい見た目のものが多いですが、コレはスッキリ系。ソールは硬めなので自転車に乗る際、パワーが逃げないのもポイントです。クッション性が高く、グリップ力もあるので、自転車を降りてから自然のなかを散策するのも適しています。
Onは、トライアスリートが立ち上げたブランドということもあって、自転車好きの愛用者も多いです。スポーティー過ぎない、ゴツくない、でもアウトドアでしっかり歩け、時に走れるシューズを探しているなら、これアリです!
それでは皆さん、eバイク楽しんで!