ユルいポタリングならバッテリー残量半分でも余裕!?
スペシャライズドのeバイク、VADO SL 5.0 EQに乗るオジさんライターのeバイクライフ記という華やかさがまったくない企画ではあるが、eバイクは世の中のオジさん達にこそ強く勧めたい乗り物だけに、eバイクが気になっているオジさん諸氏にはぜひ読んで欲しい。
予定がぽっかり空いた日があった。とくになにをする予定も立てていなかったが、ここ数日吹いていた強い風もなく、天気もよかったのでVADO SLに乗ることにしてメインスイッチを入れるとバッテリー残量は56%と表示された。
これまでの傾向からVADO SLはバッテリー10%で約10kmくらいアシストが効くので、その計算では50kmは走れる。まあ、余裕見て30km~40kmか。
このバッテリー残量は「こんなに走れる」とも言えるし「これくらいかぁ」と少しもの足りなさを感じるものでもあるが、スイッチを入れた時間がAM10時頃、そこから出かける準備をしたりなんだりで走り始めるのが昼頃、そして夕方までフラフラするということであれば「ちょうどいい」のであった。
そこでクルマ(ホンダN-VAN)にVADO SLを積んで、ポタリングするのに適している有明、お台場エリアへと出かけることにしたのだ。
VADO SLを積んだN-VANは臨海副都心地区にある潮風公園の駐車場に駐めた。このエリアは駐車場が多く、しかも都内としては利用しやすい料金設定のところも多いのでeバイク+クルマで訪れるにはなおさら適しているのだ。
潮風公園から北に向かえばお台場方面で、南は青海経由の有明方面へ行く感じになる。今回もどこへ行くかはノープランだったが、ひとつ決めていたのが「景色のいいところで昼ご飯としてカップ麺を食べる」ということだ。
でも、そう思いつつもカップ麺を持ってきていないので、まずは南側に少しいったところにあるコンビニに寄ることにした。
行こうとしているコンビニはオジさん世代には懐かしい「船の科学館」の前にある。都内で小中学の時代を過ごしていたのなら、課外授業の類で訪れたことはあるのではないだろか。
そんなことから入ってみたくもなるが、実は老朽化を理由にすでに閉館しているし、なんと4月より老朽化のための解体工事も始まっているのだ。
閉館していたのは知っていたが解体されることは知らなかったのでこれは驚き。特徴的で懐かしいあの建物を、もう一度見ておきたいと思っているなら、建物の外観が残っているいまのうちに行っておいた方がいいかも知れない。
公園のルールはオジさんとっても相性のいいもの
さて、先ほど買ったカップ麺をどこで食べるか?である。このエリアは海沿いが整備されているので休憩場所にはこと欠かないが、このときに頭に浮かんだのがお台場の端っこにある台場公園手前のベンチだったのでそこへ向かうことにした。ルートとしては「宗谷」の係留地点からは潮風公園方面に戻り、だいばビーチ(お台場海浜公園)の海沿いをグルリとまわる感じ。
お台場海浜公園も海沿いの道を通行することができるが、公園を歩いている人も多いので速度はゆっくりを厳守。まあ、今回走るエリアの公園内道路はすべて「ゆっくり走る」べきところで、こうした公園内でeバイクを含む自転車が速度を出しているとおそらく問題になって自転車乗り入れ禁止になるであろうから、歩行者にプレッシャーを与えない安全な速度で走ることは、我々eバイク乗りのためでもある。
なお、アシストがあるeバイクでもそれなりの時間を走っていればいい運動になりつつ、速度が低いぶん漕ぐのも楽なので、公園のルールのあわせたペースはオジさん的にはむしろ好都合であったりもする。
カップ麺用のお湯は家で沸かしたものを持参すればいい
カップ麺は持ち運びしやすく、気温が高い時期でも痛んだりしないのでポタリングで持っていくのに適しているのだが、食べるためには「お湯」が必要でお湯は火を使って涌かすものである。
でも、屋外で「火」の使用ができる場所は限られている。たとえ河原であってもバーベキュー場とかキャンプ場として設定されていなければ火気厳禁と考えていいと思う。そして今回走るエリアもそう、火の使用はNGだ。
そんなことからこれまでも「ポタリングにカップ麺を持っていきたい」と思いつつ、お湯が用意できないことからあきらめていたのだが、ふと思ったのが「家からお湯を持っていけばいいのでは?」ということ。いまは保温力が高いマグボトルもあるのでそれを使えばいいのである。ということで今回は家でちんちんに沸かした熱湯を入れた保温ボトルを持参した。
ちなみに使ったマグボトルは象印製で保温力は95℃の熱湯が6時間後も70度以上というスペック。他にも同じようなボトルはたくさんあったが、見たものはすべて「6時間後で69℃以上」といううたい文句だった。ならば1℃でも高い象印製にしようと言うことでこれを選んだ。なお容量は350mL。カップ麺を作るのであれば十分な容量(少し多いくらい)だし、コーヒー持参のコーヒー休憩がしたい人にもちょうどいい容量だと思う。
走っていれば目的地なんて自然と決まるもの
念願の?ポタリング途中にカップ麺を食べるという目的が果たせたところで、さあ、ここからどうしようとなる。
とりあえず台場公園から離れようと、晴海側が見える方の道を走っていると、ふだんは海上保安庁の艦が係留されている桟橋に、海上自衛隊の艦が泊まっていることに気がついた。これがよくあることかは知らないが、筆者として初めて見る光景だったので船がよく見えるところまで移動することにした。
向かった先は豊洲市場の隣にある豊洲ぐるり公園。ここは以前、公園内への自転車乗り入れができなかった記憶があるが、現在は乗り入れOKになっている。ただし、歩行者が優先であることはほかの公園と同様だ。
豊洲ぐるり公園の向かいが晴海埠頭なので海上自衛隊の艦艇はバッチリ見えたが、兵装もある戦闘艦のバックが大規模マンション群という光景はなんとも不思議な感じだったのでもう少し近くで見てみたい気になった。そこで今度は晴海まで行ってみることにした。
日も傾いてきたので潮風公園へ戻る。アシストがあって、乗り心地もいいVADO SLでは、約半日走っても疲れの度合いは少ないし、体のどこかが痛いと言うこともない。それにリヤラックがあるおかげで荷物が運べるバッグが付けられたので、荷物を運ぶのも楽だった。サイドバックの装着は本当に正解だった。
と、まあ、そんな感じで乗れば乗るほど気に入るVADO SLだけに、クルマに積んで家に帰る道すがら思うのは「次はどこ行こう」ということ。
体によくて楽しめることを始めたいと思っている世の中のオジさん達、VADO SLを含めてeバイク趣味、ホントにオススメですよ。