「VADOとオジさん」 スペシャライズド・ヴァドSL5.0EQでいく アラ還オジさんのeバイクポタリング記“バッテリー残量は50%あればいい、ゆるゆるポタリング”

「VADOとオジさん」 スペシャライズド・ヴァドSL5.0EQでいく アラ還オジさんのeバイクポタリング記“バッテリー残量は50%あればいい、ゆるゆるポタリング”
ヴァドSL5.0EQ
スペシャライズド VADO SL 5.0 EQ。カーボンフォークにフューチャーショック、前後フェンダーとリヤラックが付いたモデル。モーターはスペシャライズドオリジナルのSL1.1モーター。最大出力250w、トルクは35Nm。バッテリーは320Wh。カラーはブラッシュドアルミ/ブラックリフレクティブ。今回からサイドバッグを装備した、これについてはあとで紹介する

ユルいポタリングならバッテリー残量半分でも余裕!?

スペシャライズドのeバイク、VADO SL 5.0 EQに乗るオジさんライターのeバイクライフ記という華やかさがまったくない企画ではあるが、eバイクは世の中のオジさん達にこそ強く勧めたい乗り物だけに、eバイクが気になっているオジさん諸氏にはぜひ読んで欲しい。

予定がぽっかり空いた日があった。とくになにをする予定も立てていなかったが、ここ数日吹いていた強い風もなく、天気もよかったのでVADO SLに乗ることにしてメインスイッチを入れるとバッテリー残量は56%と表示された。

これまでの傾向からVADO SLはバッテリー10%で約10kmくらいアシストが効くので、その計算では50kmは走れる。まあ、余裕見て30km~40kmか。
このバッテリー残量は「こんなに走れる」とも言えるし「これくらいかぁ」と少しもの足りなさを感じるものでもあるが、スイッチを入れた時間がAM10時頃、そこから出かける準備をしたりなんだりで走り始めるのが昼頃、そして夕方までフラフラするということであれば「ちょうどいい」のであった。
そこでクルマ(ホンダN-VAN)にVADO SLを積んで、ポタリングするのに適している有明、お台場エリアへと出かけることにしたのだ。

自転車レーン
有明、お台場、晴海、豊洲の湾岸エリアは歩道、車道ともに自転車レーンの整備が整っているし、海沿いの公園内も自転車で走れるので一帯がサイクルコースのようなもの。都内でeバイクに乗るならお勧めのエリアだ
自転車レーン
車道も走りやすい。ただ、観光地という場所柄か、大型バスを含む路上駐車もあるし、レンタカーやクルマの運転に不慣れな人も多くいる印象なので、他人の運転を信用することなく、安全確認は自分でしっかり行いながら走りたい
ディスプレイ
バッテリー残量は56%。これでもイイや、と言うノリで出かけるユルさは、オジさんのeバイクライフとして、しっくり来るモノものでもある
クルマとヴァド
車重があるeバイクでは自転車をバラして袋に詰めて鉄道に乗る輪行が現実的ではない。そのため走りたいエリアまではクルマで運ぶのがいいと思う。eバイクを車載するのに適したクルマや車載アイテムの紹介もやっていきたい

VADO SLを積んだN-VANは臨海副都心地区にある潮風公園の駐車場に駐めた。このエリアは駐車場が多く、しかも都内としては利用しやすい料金設定のところも多いのでeバイク+クルマで訪れるにはなおさら適しているのだ。

潮風公園から北に向かえばお台場方面で、南は青海経由の有明方面へ行く感じになる。今回もどこへ行くかはノープランだったが、ひとつ決めていたのが「景色のいいところで昼ご飯としてカップ麺を食べる」ということだ。
でも、そう思いつつもカップ麺を持ってきていないので、まずは南側に少しいったところにあるコンビニに寄ることにした。

行こうとしているコンビニはオジさん世代には懐かしい「船の科学館」の前にある。都内で小中学の時代を過ごしていたのなら、課外授業の類で訪れたことはあるのではないだろか。
そんなことから入ってみたくもなるが、実は老朽化を理由にすでに閉館しているし、なんと4月より老朽化のための解体工事も始まっているのだ。
閉館していたのは知っていたが解体されることは知らなかったのでこれは驚き。特徴的で懐かしいあの建物を、もう一度見ておきたいと思っているなら、建物の外観が残っているいまのうちに行っておいた方がいいかも知れない。

ヴァドを積載
N-VANは助手席を床に収納することで、eバイクはもちろん、大型オートバイも積むことができるが、今回は助手席を出したまま積んだ。車体を斜めにするとぴったりサイズで積載できる。車体が軽いので積み降ろしもしやすいし、キックスタンドがあるので固定も容易だ
コンビニ
コンビニでの買い物。筆者はアブス製のチェーン式ロックを使っている。VADO SLのようなキックスタンド付きのeバイクでは「立ち寄り」もしやすいので、ロックの出番は多い。というか、信頼できるロックあっての行動範囲という気もするので、このアイテムについてもサイズや使い勝手等、いろいろ調べてみたい
船の科学館
日本海事科学振興財団が管理する「船の科学館」。オジさん世代であれば見学したことある人もいると思うが、実は老朽化が理由での解体工事が始まっているので、この姿はもうじきすると見れなくなる
宗谷
同じく日本海事科学振興財団が管理する南極観測船「宗谷」の係留展示は継続されるとのこと。宗谷は艦内を見学することもできる
東京国際クルーズターミナル
晴海埠頭にあった客船ターミナルはいまは船の科学館横の青海地区にあり「東京国際クルーズターミナル」という名称になっている。駐輪スペースもあった

公園のルールはオジさんとっても相性のいいもの

さて、先ほど買ったカップ麺をどこで食べるか?である。このエリアは海沿いが整備されているので休憩場所にはこと欠かないが、このときに頭に浮かんだのがお台場の端っこにある台場公園手前のベンチだったのでそこへ向かうことにした。ルートとしては「宗谷」の係留地点からは潮風公園方面に戻り、だいばビーチ(お台場海浜公園)の海沿いをグルリとまわる感じ。

お台場海浜公園も海沿いの道を通行することができるが、公園を歩いている人も多いので速度はゆっくりを厳守。まあ、今回走るエリアの公園内道路はすべて「ゆっくり走る」べきところで、こうした公園内でeバイクを含む自転車が速度を出しているとおそらく問題になって自転車乗り入れ禁止になるであろうから、歩行者にプレッシャーを与えない安全な速度で走ることは、我々eバイク乗りのためでもある。
なお、アシストがあるeバイクでもそれなりの時間を走っていればいい運動になりつつ、速度が低いぶん漕ぐのも楽なので、公園のルールのあわせたペースはオジさん的にはむしろ好都合であったりもする。

レインボーブリッジ
お台場海浜公園からはレインボーブリッジがきれいに見える。ベンチも多いのでポタリング途中の休憩場所にもいいと思う
公園内
通過中にパチッと撮ったもの。このように走りやすい道路が整備されているが、公園内は基本的に歩行者が優先なので、eバイクで走る際の速度は控えめが基本
ヴァド
今回から付けてみたサイドバッグ。左右振り分けで大きすぎないものを探していたところ見つけたのがオーストリッチ製のバッグ。オーソドックスな形状でVADO SLにも似合うと思っている
サイドバッグ
横幅も広がりすぎないので走行にも影響がない
サイドバッグの中身
今回は足が縮められるイス、タオル、カップ麺、水筒を入れてきた。上着なども入るし、走りに行った先で土産物を買っても大丈夫。荷物が運べるということはポタリングを楽しくするために必要な機能だと思う

カップ麺用のお湯は家で沸かしたものを持参すればいい

カップ麺は持ち運びしやすく、気温が高い時期でも痛んだりしないのでポタリングで持っていくのに適しているのだが、食べるためには「お湯」が必要でお湯は火を使って涌かすものである。
でも、屋外で「火」の使用ができる場所は限られている。たとえ河原であってもバーベキュー場とかキャンプ場として設定されていなければ火気厳禁と考えていいと思う。そして今回走るエリアもそう、火の使用はNGだ。

そんなことからこれまでも「ポタリングにカップ麺を持っていきたい」と思いつつ、お湯が用意できないことからあきらめていたのだが、ふと思ったのが「家からお湯を持っていけばいいのでは?」ということ。いまは保温力が高いマグボトルもあるのでそれを使えばいいのである。ということで今回は家でちんちんに沸かした熱湯を入れた保温ボトルを持参した。

ちなみに使ったマグボトルは象印製で保温力は95℃の熱湯が6時間後も70度以上というスペック。他にも同じようなボトルはたくさんあったが、見たものはすべて「6時間後で69℃以上」といううたい文句だった。ならば1℃でも高い象印製にしようと言うことでこれを選んだ。なお容量は350mL。カップ麺を作るのであれば十分な容量(少し多いくらい)だし、コーヒー持参のコーヒー休憩がしたい人にもちょうどいい容量だと思う。

マグボトルとカップ麺
350mLであればサイズも小さい。そして重くない。荷物が増えてもさほど問題ではないeバイクといえど、やっぱり「軽い、小さい」は正義なので抑えておきたいポイント
マグボトルとカップ麺
家を出てから4時間くらい経ってからお湯を使ってみた。沸かしたときよりは冷めていたようだがカップ麺を作るには問題なかった。まあ、カップ麺は時間を掛ければ水でも作れるので、お湯の温度が冷めたかな、という場合はフタをしている時間を延ばせばいいだけ
ゴミをファスナー付きビニール袋に
屋外でカップ麺を食べるときは残り汁が出ないよう、お湯は少な目にするといい。そして持参したものから出たゴミは持ち帰るのがアウトドアレジャーの基本なので、ファスナー付きビニール袋を汁物対応のゴミ袋として持っていった

走っていれば目的地なんて自然と決まるもの

念願の?ポタリング途中にカップ麺を食べるという目的が果たせたところで、さあ、ここからどうしようとなる。
とりあえず台場公園から離れようと、晴海側が見える方の道を走っていると、ふだんは海上保安庁の艦が係留されている桟橋に、海上自衛隊の艦が泊まっていることに気がついた。これがよくあることかは知らないが、筆者として初めて見る光景だったので船がよく見えるところまで移動することにした。

向かった先は豊洲市場の隣にある豊洲ぐるり公園。ここは以前、公園内への自転車乗り入れができなかった記憶があるが、現在は乗り入れOKになっている。ただし、歩行者が優先であることはほかの公園と同様だ。
豊洲ぐるり公園の向かいが晴海埠頭なので海上自衛隊の艦艇はバッチリ見えたが、兵装もある戦闘艦のバックが大規模マンション群という光景はなんとも不思議な感じだったのでもう少し近くで見てみたい気になった。そこで今度は晴海まで行ってみることにした。

自衛隊の艦
晴海埠頭方面を見たら海上自衛隊の艦がいた。戦闘艦だけに目立たない塗装。この船がよく見える場所へ移動することにした
橋の上り
埋め立て地なので地形の起伏はないのだが、運河を越える大きな橋は真ん中が持ち上がる形状なので橋越えだけは上り坂になる。でも、eバイクならグイグイいける。なお、ロードバイクに乗っている人が、橋越えのダッシュを繰り返していた。いいトレーニングになるのだろう
晴海埠頭
豊洲ぐるり公園から晴海埠頭を見る。船の後ろに見えるのが東京オリンピック2020の選手村になった晴海フラッグ
晴海ぐるり公園の案内板
せっかくなので豊洲ぐるり公園を走ってから晴海へ行くことにした。散歩している人も多いので、しつこいようだがここを走るときはくれぐれも速度の出し過ぎに注意して欲しい。力を抜いても速度が出てしまうロードバイクで乗り入れるならなおさら注意を
ららぽーと豊洲
ららぽーと豊洲のシーサイドデッキには、以前この場所にあった造船所で使われていたクレーンがモニュメントとして残されている
旧晴海鉄道橋
さらに進むと旧晴海鉄道橋がある。平成元年まで使われていて、現在は遊歩道に作り変えている
旧晴海鉄道橋
もともとの旧晴海鉄道橋の姿を見られるのはいまのうち
自衛隊の艦
晴海側へ渡って船が停泊しているあたりへ行ってみた。自転車乗り入れ禁止の遊歩道を押し歩きしてたどり着いたポイントから見る。2艦いて正体は練習艦だったが、元は護衛艦なので兵装はそのまま付いている
自衛隊の艦
前の方にまわってみた。主砲も見えている戦闘艦が泊まる桟橋の真横が都バスのロータリーというのも面白い光景
ヴァドと看板
いちおうこういう看板のあるところでも撮影

日も傾いてきたので潮風公園へ戻る。アシストがあって、乗り心地もいいVADO SLでは、約半日走っても疲れの度合いは少ないし、体のどこかが痛いと言うこともない。それにリヤラックがあるおかげで荷物が運べるバッグが付けられたので、荷物を運ぶのも楽だった。サイドバックの装着は本当に正解だった。
と、まあ、そんな感じで乗れば乗るほど気に入るVADO SLだけに、クルマに積んで家に帰る道すがら思うのは「次はどこ行こう」ということ。
体によくて楽しめることを始めたいと思っている世の中のオジさん達、VADO SLを含めてeバイク趣味、ホントにオススメですよ。

ディスプレイ
約半日走り、クルマに戻ってみるとバッテリー残量は24%。スタートが56%なので予想より減っていない。全体的にのんびりペースだったからだろうか

コラムカテゴリの最新記事