eバイク+アウトドア道具=日光いろは坂を上って、中禅寺湖畔でホットサンドを焼いてみた!の巻

eバイク+アウトドア道具=日光いろは坂を上って、中禅寺湖畔でホットサンドを焼いてみた!の巻

こんにちは!
ツーリング好きの細かすぎるアウトドア道具ライター・ポンチョです。

5回目の『eバイク+アウトドア道具=』は、eバイクの登坂能力=アシスト力を体感するのにふさわしい日光いろは坂を上り、中禅寺湖畔、戦場ヶ原を抜け、中禅寺湖西岸の静かな千手ヶ浜でホットサンドを焼いて食べるという、ツーリングです。

ホットサンドメーカー

さて、「ホットサンドを焼く」には、上の写真のような道具を使います。
アウトドア用のゴトク大きめのストーブに、ホットサンドメーカーというアルミ製で熱伝導のよい、挟みパン焼き器を載せて、焼くのです。使ったことはなくても、見たことはあるという人、案外多いと思います。

これは日本のヨシカワ・ホットサンドメーカーのシングル(焼き目なし)という商品で、Amazonでは2000円弱で売られている、コスパモデルです。テフロン加工されているので、弱火で焼けば焦げ付き皆無。重さは350gしかなく、手に持ってみると「あれっ!?」と思わず口にしてしまうくらいに軽量。だからツーリングに持ってこい!

今回の目的は、金谷ホテルベーカリーのパンでホットサンドをつくること

金谷ホテルベーカリーのロイヤルブレッド

このホットサンドメーカーを使って、食パン2枚の間に好みの具材をサンドして、片面ずつ約1分ずつ焼くだけ。
それだけで、とってもお手軽なのに、予想を越える程美味しいんです。

今回は日光ということで、『金谷ホテルベーカリー』のロイヤルブレッド(702円)という金谷ホテルの朝食にも供されているパンでホットサンドをつくってみることにしました。

このツーリング、「金谷ホテルベーカリーのロイヤルブレッドでつくったホットサンドを食べてみたい!」というのが目的で、より美味しく食すためにいろは坂を上って、中禅寺湖畔を目指してお腹を空かせるのが手段なんです。
ロードバイクでは、かなり走りごたえのある日光いろは坂ですが、eバイクならきっとスイスイッと笑顔で上れるはずです!

では、ツーリングに出発です。

バドSL4.0 スペシャライズドのeクロスバイクを相棒に

東武日光駅

ツーリングの行程は、往路は東武日光駅から千手ヶ浜までの距離35km、累積標高差980m。国道122号、そして120号線から、上り専用の第2いろは坂を経て、中禅寺湖北岸、竜頭の滝を越え、赤沼茶屋手前から戦場ヶ原を通るマイカー規制道路に入り、中禅寺湖北岸の千手ヶ浜まで。

ヴァドSL4.0

乗車したeバイクは、自転車に興味を持っている人なら誰でも知っているスペシャライズド・VADO(バド) SL 4.0というeクロスバイク。

ところで、以前佐野ラーメンを湧水で食した回もそうだったけれど、この企画しっかりヒルクライムするツーリングの時に、ドロップハンドルではなくフラットバーのeバイクが選ばれるのは、なにか理由があるのだろうか・・・・・・。

第2いろは坂

そんな疑問を持ちながら、突入した第2いろは坂。

漕いでいるうちに思いついたのは、VADO SL 4.0のような通勤、通学利用にも推奨される快適で無理なく乗れるポジションのeバイクで、果たして本格的なヒルクライムするとどうなるのか? をレポートすることは、意味があるな! ってこと。

そこで、ポイントを3つに絞って、レビューをしよう!

バドSL4.0の魅力3選

①重量14.9kgでeバイクなのに、ヒョイと持てる軽さを装備!

ヴァドSL4.0のドライブユニット

VADO SL 4.0重量は14.9kg。一般的なeバイクの重量は20kg弱あるので、それに比べるとかなり軽量。アシストなしのクロスバイクでも13kgほどの重量が多くあることを考えると、かなり軽量化に力を入れています。搭載されるモーターは、スペシャライズド自社開発のSL 1.1。最大出力は240wと控えめ、しかし重量も2kg弱と抑えたことが、車体重量の軽量化に貢献しています。

ただしバッテリーはフレーム固定式で、モーター上部のポート部から専用充電器をコンセントにつないで充電するタイプ。そのためバッテリーだけを取り出し自宅に持って入って充電するということはできず、eバイクごと自宅のコンセントがある場所まで運ばなければなりません。

マンション暮らしの人は面倒だと思いますが、そんな時に重量14.9kgの軽さが活きるんです。なにせ、ヒョイと持てる軽さなんですから!

②アシスト力は、人力感を優先した追い風的

第2いろは坂

自社開発のモーターによるアシストは「漕いだ力の約2倍までのパワーで、最高時速24kmまで」とカタログにあります。アシストはECO、SPORT、TURBOの3つモードを基本としていて、アシスト力が最も弱い。ECOモードの最長航続距離は130kmです。

ヴァドSL4.0に乗るポンチョさん

アシストの最大出力が控えめなこともあり、「頑張ってアシストしています!」というパワフルさはありません。
一番強力なTURBOモードでも、強めの追い風を受けて走行している感じです。

他のeバイクとの違いは、坂道の斜度に合わせてのギヤ変速が必須なこと。人力バイク=通常のスポーツバイクを漕ぐ感覚がしっかりあります。

そうです! このVADO SL 4.0は、アシストの力で漕ぎ、上るeバイクではなく、乗り手が自転車を漕ぐ力、操る楽しみのある人力感優先のeバイクなのです。

③弱そうに思えたアシストですが、いろは坂を30分でラクラク上れちゃうんです。

ヴァドSL4.0のスイッチ

人力感優先なんて書くと、アシスト力が控えめどころか弱くて、いろは坂を上るのはよっぽど大変だっただろうと、想像するかもしれません。
ちなみに、今回上った第2いろは坂には、タイムトライアル区間というのがあって、坂手前の馬返しから、最高地点ちょい手前の明智平までの距離7.4km、標高差418mを、ロードバイクで30分以内に漕げれば割と速い方だそう。

ヴァドSL4.0に乗るポンチョさん

今回、私はアシスト力を最大限味わうため、いろは坂の全区間をTURBOモードで走行。鼻歌を歌いながらポタリング気分で上りましたが、タイムはちょうど30分くらい。
おかげさまで、ノンビリ漕いでも割と速い部類で上れたのです!

VADO SL 4.0のアシスト力は弱いのではなく、あくまで自然なのでしょう。
人力感優先というのは、そういう感覚です。

eバイクでラクしたい人には物足りないかもしれないけれど、eバイクでも頑張りたい人は頑張らせてくれる。だから、eバイクでヒルクライムしても、ズルした感じがあまりなく、満足度が高いツーリングが楽しめます! それが、このeバイクの個性なのです。

ほぼTURBOモードで走行したら、何km走れるのか? やってみて、わかったこと。

ヴァドSL4.0に乗るポンチョさん

ところで、気になる点がひとつあります。
アシストはECOモードで最長航続距離130kmということですが、ほぼTURBOモードで走行すると、どれくらいの距離を走れるのか? しかもいろは坂という電池消耗が激しそうな行程を走行した場合は、どうなんだろう? 

もし電池が切れたら重いバイクを漕がなきゃならない恐怖心から、いつもは中~弱のアシストモードを切り替えて電池節約を図ってきましたが、今回のVADO SL 4.0は14.9kgと軽い。いろは坂途中でバッテリーが切れたらキツいけれど、まぁ頑張ればいいやと実行してみました!

ヴァドSL4.0に乗るポンチョさん

結果は距離45km、標高差1200mで、ほぼバッテリーが残っていない状態になりました。

このスペック、もの足りないと思うなら、別売りの予備バッテリーのレンジエクステンダー(5万7200円)を追加してください。ECOモードで65kmの航続距離を延ばせます。

スマホアプリで、アシストを最適化して電池寿命を延ばすことも可能!

航続距離を延ばす方法は、レンジエクステンダー装備以外にもあります。
VADO SL 4.0には、Mission Control(ミッションコントロール)というスマホアプリが用意されていて、各アシストモードでのアシストの強さを無段階で自分好みにカスタマイズが可能なんです。
デフォルトよりも弱めにすれば必然的に距離を延ばせるし、自分の体力、漕力に合わせて設定、最適化すれば、ムダなバッテリー消費を抑えられるでしょう。

またこのアプリを使うと、アシストモードにSmartControl機能が追加されます。
これはバッテリー残量の自動管理や、時間、距離、運動強度(心拍数)に応じて、アシストレベルが自動調節されるもの。簡単に言えば、自分でいくつかの項目を設定すれば、後はアシストのムダをアプリが勝手になくしてくれる機能です。

また、VADO SL 4.0には、上位モデルのように走行データを表示するディスプレイが標準装備されていません。
代わりにこのMission Controlアプリがスマホに速度、距離、ケイデンスやパワーなどリアルタイムの走行データを表示。ライド履歴等も保存されるので、これでも問題ないでしょう。

その他の機能では、前後ライト自動点灯が安全でいい!

ヴァドSL4.0のフロントライト
ヴァドSL4.0のリヤライト

VADO SL 4.0は電源をONにすると、自動的に前後ライトが点灯されます。
フロントはLezyne(レザイン)製で明るさは210ルーメンと充分。リヤはサドルにマウントされていて、どちらも紛失、忘れた・・・・・・なんて心配がなくていいです。今回は第2いろは坂最後に長いトンネルがあったのですが、そこで機能を発揮してくれました。

ヴァドSL4.0のフューチャーショック

ところで、上位機種のVADO SL 5.0にはステム部分に、Future Shock(フューチャーショック)という超軽量なサスペンションが内蔵されています。サスペンションフォークより軽量で、ハンドルに伝わる路面の凸凹からくる振動も軽減してくれるもの。

VADO SL 4.0には、このフューチャーショックは内蔵されいませんが、握力や腕の疲労が大きいとは感じませんでした。でも、フューチャーショックがどれくらい機能するのか? 気になります。
またロード以外に、グラベルや林道も多く走りたい人は、+10万円強必要ですが、VADO SL 5.0を選択するのもありかもしれません。

ヴァドSL4.0

VADO SL 4.0は、自然なアシストと、Mission Controlアプリでアシストレベルを自分好みに設定できるのが、他のeバイクにはない特長です。

自分の体力、体調、ツーリングの行程に合わせてアシストレベルを変えられる機能は、自転車好き、道具好きには自転車パーツをイジることと同じように、自分好みにカスタムできる楽しさがあります。

何度かツーリングを重ね、そのデータ、経験を元に、設定していくことで、VADO SL 4.0の性能をより効率よく発揮させる、育てる楽しみを、是非味わってみてください!

VADO SL 4.0
価格:44万5500円
サイズ╱S、M、L
カラー╱ライムストーン/ブラックリフレクティブ、スモーク/ブラックリフレクティブ
フレーム╱E5アルミニウム
フォーク╱アルミニウム
ドライブユニット╱スペシャライズド・SL1.1 
コンポーネント╱スラム・NX(11S) 
タイヤ╱スペシャライズド・パスファインダー スポーツ(700×38c)
重量╱14.9㎏

問 スペシャライズド・ジャパン
https://www.specialized-onlinestore.jp/

ホットサンドも、いろいろ試す楽しみがありました!

ホットサンド

マイカー規制された戦場ヶ原、カラマツや白樺の森を抜けた先、中禅寺湖西岸の千手ヶ浜に到着後、金谷ホテルベーカリーのロイヤルブレッドで、ホットサンドづくりを開始!

サンドする具材は、コンビニですべて購入しました。
用意したのは、生ハム、サラミ、玉子焼き、生姜焼き、スライスチーズ、ミニトマト、袋入りサラダ。
見た目が美しく、味わいもよかったのは、上の写真のサラミ、チーズ、ミニトマト、サラダのサンドです。

玉子焼き+ダブルチーズのホットサンド

同行編集ナカジマ氏、ハセガワカメラマンに、意外に美味しかったと好評だったのが、玉子焼き+ダブルチーズ。チーズの塩味と玉子焼きの甘味が、ほのかに甘さのあるロイヤルブレッドと相性抜群でした。

生姜焼きのホットサンドホットサンド

私が期待していた具材は生姜焼きでしたが、ナカジマ氏、ハセガワカメラマンからは「ジャンクでロイヤルブレッドの高級感をスポイルしている」と低評価・・・・・・残念。

生ハム+チーズ+トマト+サラダのホットサンド

定番の生ハム、チーズ、トマト、サラダの組み合わせは、安定の美味しさでした。

コンビニ具材では、チキンやコロッケ、メンチといったジャンク系もキャンプでは実は人気です。金谷ホテルベーカリーの食パンにサンドするということで、却下されてしまいましたが、わんぱく派は是非試してみてください! 

ですが、今回用意したヨシカワ・ホットサンドメーカーなら具材厚め&多めにも対応しますが、ホットサンドメーカーによってはサンドできない場合もあるので、ご注意を!

ホットサンドを食べるポンチョさん

eバイク+ホットサンドメーカーのツーリング。中禅寺湖北岸の千手ヶ浜は、マイカー規制もあって訪れる人はかなり少なめ。だから静かで、とてもゆったりとした時間が流れていました。
今回もミル挽きしたコーヒー豆をドリップして飲み、まったりしていたらあっという間に3時間くらいが過ぎていました。

ホットサンドの感想は、ナカジマ氏曰く「湧水でつくった佐野ラーメンもめちゃくちゃ美味しかったけれど、金谷ホテルベーカリーのロイヤルブレッドでつくったホットサンドの美味しさはそれ以上。日光にツーリングに来たら、コレ絶対にやるべきです!」とのこと。

金谷ホテルベーカリーカレッジイン店

私もナカジマ氏に同意。アウトドア好き&自転車好きの、日光ツーリングの楽しみ方の新定番になることは間違いない! といえる程、美味しかったです。

金谷ホテルベーカリーのパンは、中禅寺湖畔の金谷ホテルでは販売していないので、東武日光駅前、神橋脇、道の駅等、いろは坂を上る前に購入準備が必要です。
我々が購入したのは、東武日光駅方面から神橋交差点を左折した国道122号線右手にあるカテッジイン店です。

ヴァドSL4.0に乗るポンチョさん

ツーリングでは、その土地の食を味わうことを多くのサイクリストが楽しみにしています。
その楽しみに、アウトドア道具を使って、土地の食材で料理を手作りする時間をプラスすると、旅した土地をより深く味わえます。
そして、次のプラン、食べてみたいメニューも浮かんできます。

小雨に濡れた新緑の中禅寺湖は、低く垂れ込めた雲を映して鈍く光っていました。私たちはハズれた天気予報を恨めしく思い、そして冬の残り香のような冷たい空気に包まれながらホットサンドとあたたかいコーヒーをいただきました。

「これはこれでいいけれど、次はよく晴れた日にまた来たいですね!」とナカジマ氏。
そう、また来ます。今度は日光名物、湯葉コロッケをサンドしてみたいです!

それでは皆さん、eバイクを楽しんで!

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