AIテクノロジーを活用したアシスト搭載! BESV PSF2

プレミアムeバイクブランドであるBESV(ベスビー)が2025年に発表した新たなPSF2は、アシスト制御にAIを採用するという。早速難波ケンジが走ってレポート!

PSF2

BESV PSF2
コンポーネント/シマノ・アルタス7速
バッテリー容量/381Wh
タイヤサイズ/20×1.5インチ(米式)
カラー/プラチナムホワイト、エボニーブラック
重量/18.9kg
価格/32万8000円

BESVの出世作に新型登場

eバイク黎明期に近未来デザインのeバイクブランドとして登場したBESV。特にその存在を世に知らしめたのが、初代PS1とPSA1。カーボンもしくはアルミニウムのスタイリッシュな小径eバイクは、同社のロングセラーモデルとなっている。その折り畳みモデルであるPSF1に新型のPSF2が登場した。このアップデートの特徴は、スマートモードにAIを用いて、ユーザーの乗り方を学習し最適なアシストを提供するという制御だ。同時にHMIディスプレイを採用し、同社の新アプリ(※)との連携も可能となった。

レバー操作で簡単にハンドルとフォーク、リヤフレームなどを折り畳むことで慣れれば数十秒でコンパクトに畳める独自の機構はそのままに、381Whの小型バッテリーはIPX5相当の防水性能も手に入れている。

初代の登場から既に長い年月がたっているが、これだけの人気モデルなのに競合他社が直接対抗するモデルを発売できていないところに、自社でフレームから制御システムまでを開発するBenQグループのBESVの技術力が表れている。PSF2は車載や輪行の利便性も保ちつつ、アシスト制御によりますます完成度を高めたのだ。

※「BESV SMART PLUS APP」のアプリ

乗り手の脚力に合わせてアシストを的確に制御する「スマートモード」

LX2
内蔵バッテリーを生かした通信機能や、遠隔ロック、インテグレートバッテリーなどスマートバイクとしての機能を持つ、BESVのテック系シリーズ「スマーロ」で培ったAI技術が使われている
新しいHMI
新しいHMIは日本語表示が可能で、スイッチ一体型。直感的な操作が可能で、USB-C給電も可能。アシストモードでスマートモードを選択すれば、乗るだけでバイクが自己学習して最適なアシストを提供してくれる

-Details-

リヤサスペンション
51mmトラベルのリヤサスペンションを搭載し、小径車独特の乗り心地を改善している。ショック取付部を使って折り畳みが可能な設計だ
コンパクトなリヤハブモーターと7速の外装変速の組み合わせ
コンパクトなリヤハブモーターと7速の外装変速の組み合わせ。BB内のトルクセンサーは応答性に優れたもので、ラグの少ないアシストとなった
リチウムイオンバッテリー
381Whの容量を持つリチウムイオンバッテリーは、従来と同じくキーをねじると簡単に脱着可能で、片手で持ち運べる2.1kgの軽量設計。集合住宅でも簡単に充電可能

名作「PSF1」を受け継ぐ折り畳み機構

輪行、車載に楽々なサイズに折り畳める設計は従来のPSF1を受け継ぐ仕様。コンパクトに折り畳めるのみならず、ローラーにもなるキャリヤや専用のハードケース、ソフトケースにショルダーストラップなど様々なアクセサリーが用意される。折り畳みは慣れれば30秒も掛からず、細部の保持機構まで練り込まれた構造だ。

PSF2の折り畳み状態
フォークはレバーを倒してロックを外すと簡単に倒せる
フォークはレバーを倒してロックを外すと簡単に倒せる仕組みで、その手軽さに驚く。その上で走行時には折り畳みを感じさせない秀逸な剛性感を確保
折り畳み動作
折り畳み動作は一度行うと簡単に覚えられるだろう。実はショートステムも用意されており、ポジションも自分好みにセット可能。外装変速機を傷める心配もなく、手が機械油で汚れることもない

-Impression-「日常のライディングではスマートモードが最高」

新型PSF2最大の目玉であるスマートモードの進化。しばらく乗ってみて、どこまでAIが筆者のライディングを学んでくれたのかは不明ながら、断言できるのは日常のライディングでは常時スマートモードに入れておくのが最もスマートということ。5%程度の坂道では3枚目ぐらいのギヤに入れておくと、後はアシストがケイデンスや踏トルクをみて自動的に気持ちの良い走りを実現してくれるので、何ともお気楽。急な坂道だけ変速すればそれで良い。7速で十分だ。ブレーキパワーは十分で、車体の中央と後ろに重量物が集まっているので、小径車特有の不安定感もない。

フロントリジッドの小径車なので段差では抜重しないとショックがあるが、全体にきゃしゃな印象はなく、折り畳みながら芯のある走りが楽しめる。

サイクリストがこのバイクを買えば日常や旅先では自分で乗り、夫婦やカップルでサイクリングするときにはパートナーに渡すという使い方ができるので、プラスワンの一台として相当に価値が高く、強くオススメしたい。

難波さん

Rider
難波ケンジ
eバイクの黎明期より20年以上にわたってその変貌を見つめてきた、国際自転車ジャーナリスト。日本にeバイクを持ち込んだ最初の人物として知られる。

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