eバイクで日本一周を実現するために必要なことは? 計画編から準備編、実践編まで、夫婦で実行した日本一周の経験を元にアドバイスします。今回は実践編の泊まる&遊ぶです。
実践編2
泊まる
宿泊スタイル
日本一周、いろんな出費の中でも最も金額の差が出るのが宿泊費。野宿すれば一泊0円だが、リッチなホテルに泊まれば1泊で数万円が飛んでいく。それだけに、自分の予算とスタイルに合った宿泊方法を選びたい。
疲れを取りたい、体力を温存したい、資金には余裕があるという人は『ホテル』。とにかく低予算の人は『野宿』『キャンプ』が中心になるだろう。ちなみに僕たち夫婦の場合はそれをミックスするような感じだった。
宿泊方法は『野宿』『キャンプ場』『ライダーハウス』『ネットカフェ』『ゲストハウス・ホステル』『ビジネスホテル』『民泊』など色々ある。料金は野宿から順に高くなってゆくイメージだが、宿や施設、予約方法によって大きく前後するので、あくまで目安程度に考えておこう。それぞれの特徴、利点、欠点などは後でご紹介します。
予約はどうする?
昔は行き当たりばったり、現地に着いてから宿を探すこともあったが、いまはネット時代、事前予約が中心になっている。ビジネスホテルやゲストハウスなど、インバウンドの影響からいい宿(安くてきれい)はすぐ予約で埋まってしまう。また値段も予約サイトや予約の時期などによって違ってくる。
今日はどこまで走れるか、自転車の場合はその日の体調や体力、天気によって変わって来るので、予約する時間やタイミングも重要だ。僕たちの場合は前日か前々日に宿泊場所を決めて予約することが多かった(妻が心配性なので(笑))。一方、ひとり旅の時は多少無理が効くのでギリギリ、当日の昼頃に予約していた。ただお盆休みやゴールデンウィークなどは早い時期に埋まってしまうので、要注意。
僕のスマホには『Booking.com(ブッキングドットコム)』『じゃらん』『Agoda(アゴダ)』『楽天トラベル』『トリバゴ』『Yahoo!トラベル(ヤフートラベル)』『るるぶトラベル』などの予約サイトが入っていて、毎日検索を屈指して決めていた。
それぞれのサイトで得意の分野が違っていたり(ゲストハウス系、ビジネスホテル系、民宿旅館系など)、また同じホテルでも値段がかなり違うので細かくチェックしていた。


どこに泊まる?
○野宿
夜は自転車のバッテリーの充電したいので野宿は避けたいところだが、状況によってやむを得ずそうなることもあるだろう。場所としては公園の東屋やベンチ、無人のバス停、河原や海岸でのテント泊などが考えられる。利点は予約不要、宿泊費0円なこと。欠点は悪天候に弱いこと。さらに不審者に間違われて住民に通報されたり、巡回警察から検問されたり……これは仕方がないので諦めましょう(笑)。
野宿をする場合とにかく人に迷惑をかけないことが重要。“宿泊禁止”“キャンプ禁止”と書かれた場所には泊まらないなど、最低限のことは守ろう。

○キャンプ場
日本全国1000か所以上あるキャンプ場もぜひ利用したい。利点は大自然を感じられること、低料金など。欠点は雨や風の日が辛いこと(笑)。
シチュエーションは海岸、川辺、湖畔、林間、山岳、高原、公園など様々。またスタイルも車の乗り入れ可能なオートキャンプ場、ファミリー向け、ソロキャンプ向けなど色々ある。また施設もトイレと炊事場だけのところもあれば、温泉やプール、温水シャワー、売店、コインランドリー、Wi-Fiがあるとこともある。
料金は無料から4~5000円するところまで差が大きいので必ず事前に確認しておこう。特にファミリー向けのところは1区画(4名までOK)料金+入場料のところが多く、ひとり旅だとかなり割高になるので要注意。ソロキャンパーやバイクツーリストの料金設定があるキャンプ場だと安心できる。
次に充電。これまで30か所のキャンプ場に泊まったが、充電を断られたのは1度だけだった。大抵は受付で話をすれば受付内で充電してくれたり、外の電源を使わせてくれる。
それから北海道はキャンプ場にあるバンガローもおすすめ。一泊1000円~2000円程度と安い上に、室内で充電ができるし、雨でも安心。テント設営撤去の時間も節約もできたり、利点が多い。

○ライダーハウス
昔、北海道へやって来る旅ライダーのために地元の人が作った簡易宿泊所で、自宅の一部を開放していたり、銭湯が経営していたり、ゲストハウス風だったりいろんなところがある。昔は北海道にしかなかったが、いまは全国各地にある。寝具持参、雑魚寝(相部屋)、風呂なしが基本、プライバシーはない。トイレは共同。共同キッチンやシャワーが使えるところもある。
料金は一泊ひとり1500円~3000円程度。北海道の『大正カニの家』のように帯広市が運営、無料で泊まれるところもある。事前に電話などで予約してから行こう。
利点は同じような旅人たちと会えて、いろんな話ができること。欠点は苦手な人が泊っていたら逃げ場がないこと。これは運次第なので、プライバシーを優先したい人は避けましょう。

○ネットカフェ
全国にあるネットカフェは宿泊施設としても使える。僕は会員制の“快活クラブ”によく泊まっている。ブースはリクライニングシート、フラットシート、マッサージシートのほか鍵付きの個室もある。僕は靴を脱いで横になれるフラットシートに泊ることが多かった。
ブースにはパソコンがあるし、充電もOK、Wi-Fiもある。一部の店舗にはシャワールーム、コインランドリーもある。さらにドリンク飲み放題、ソフトクリーム食べ放題、コミック雑誌読み放題。
料金は時間制。快活クラブの場合、フラットブースで6時間パックから24時間パックまで3時間おきに7タイプある。他に午後6時以降に入店者がとお得に泊まれる、ナイト8時間パック、ナイト12時間パックなどもある。
利点は予約なしで泊まれること(個室は予約も可)、ドリンクが飲み放題、ホテルよりも安い料金など。欠点はプライベートスペースが狭いこと、大きな町にしかないことなど。
人通り、車通りが多い繁華街にあるので、盗難防止のため自転車にカバー、ワイヤーロックも2つ使っていた。

○ゲストハウス&ホステル
長期旅に最もおすすめなのがゲストハウス&ホステル。画一的なビジネスホテルと違って、オーナーの個性が映し出されるゲストハウス。古民家をリノベした宿、アートが満載の宿、海外リゾート風などいろんな宿があるので、面白い。
部屋は2段ベッド、ドミトリーが基本。シャワーとトイレは共同。共同のキッチンやリビングがあって、大抵は旅行者同士の交流の場になっている。海外から来た旅行者も多いので日本にいながら国際交流もできる。一泊ひとり3000円~4000円程度。
利点はいろんな人と交流できること、キッチンが使えること。欠点はプライバシーがあまりないこと。

○ビジネスホテル
日本一周ではビジネスホテルに良く泊まった。また大手チェーンのビジネスホテルはどこも同じ造りだが、小さなビジホは地方色があったり、手作り風だったり、独自のサービスがあったり、個性があるので面白かった。
利点は個室でシャワートイレ付なのでゆっくり休めること。欠点は料金が高目、ほかの人との交流がないこと。
宿泊施設としては最も数が多いので、予約サイトやグーグルマップで簡単に見つけることができる。また予約サイトで検索すると意外と安く泊まれるビジネスホテルも多い。それから夫婦の場合、ゲストハウスだとひとり料金×2になるが、ビジネスホテルは部屋料金、ひとり当たりにするとビジネスホテルの方が安くなることが多かった。どちらにしてもビジネスホテルは料金の差が大きいので、予約サイトでの料金確認は必需。
ひとつ大きいのが自転車の保管場所。これがホテルによってバラバラで、親切なところはロビー内や事務所に保管してくれたり、部屋への持ち込みを許可してくれるだが、理解のない宿は歩道や路上、遠く離れた駅の駐輪場を指定されることもあった。

○そのほか
最近は「民泊」のような形でマンションやアパートの一室を宿泊所として提供しているところも多い。booking.comなど予約サイトで見つけられるのでぜひ泊まろう。事前決済、チェックインも非対人が多い。住所の集合住宅等に着くとタブレットが設置されていて、入力操作すると箱から鍵が出てくる。その鍵で玄関を開けて部屋に入るというシステム。
家具などが揃っていて普通のマンションと同じ。もちろんトイレ・風呂はきれい、キッチンには食器や鍋など備えてあるので、買ってきた食材で料理することもできる。リビングのソファーでくつろいだり、洗濯機と乾燥機が付いているので洗濯したり、想像以上に快適だった。

遊ぶ
観光
時には自転車移動を離れて観光などもしたい。お城散策、お寺参り、美術館、博物館、水族館、山登り、トレッキング、公園散策、ダイビングなど、自転車移動以外のことをするといい気分転換になる。
また地方に友人が住んでいるなら、ぜひ連絡を取って会いに行きましょう。遠い道程を自転車で走ってきたというだけで気分は変わるし、いつもと違う時間が過ごせるだろう。

SNS等
SNSをやっている人はぜひ旅先から、その様子を発信しよう。自分用の記録、日記代わりになるし、フォロワーさんから思わぬ情報が入ってくることもある。SNSが旅に新しい風が吹き込んでくるのでおすすめです。
