eバイクで日本一周を実現するために必要なことは? 計画編から準備編まで、夫婦で実行した日本一周の経験を元にアドバイスしました。今回は旅の実践編です。
実践編1
走る
距離
まずは自分の体力や性格(走り中心か?寄り道大好き派か?)、バッテリーがアシストする距離などを考えて、基準となる1日の移動距離を決めて行こう。そうすれば日本一周が何日間(何か月)くらいできるか見えてくる。
僕の場合、日本縦断30日間(バッテリー2本)は1日の走行距離は約120km。日本一周の時は70〜80kmを目安にしていた。日本一周では妻の体力に合わせて距離は控えめにしていた。ちなみに僕が乗っていたヤマハ・WABASH RT(ワバッシュRT)はスタンダードモードで99km走行可能なバッテリーを搭載していた。
また同じ距離でも途中に峠越えがあったり、大都市の横断などがあると時間がかかるし、北海道のような信号もコンビニない道では自然と距離が延びることを覚えておこう。
さらに長い旅では体調が優れない日、雨の日、灼熱の日、向かい風、秋になると日照時間が短くなるなどいろんな日がある。予定を詰め過ぎず、距離は控えめに設定しておきたい。また夜間走行などは事故に繋がることもあるので避けたい。


休息日
日本一周では4日~1週間に1日は休息日を取るようにしていた。休息日は基本的に大きく移動せず、体を休ませる日。日本一周は長期戦なので無理は禁物なのだ。
と言いながら実際ところはコインランドリーで洗濯したり、荷物を梱包して送ったり、観光や町歩きに出かけたり、自転車メンテナンスやパソコン仕事、地方の友人と会ったり……やること(やりたいこと)が多すぎて、休息日という感じではなかったんだけど(笑)。
まあ、それでもそういう日があるだけで、かなり気分がリフレッシュできることは確か。自転車をこがないので体の休養にもなる。
それから単純に『悪天候の日』『いい宿にあたったとき』『体調がすぐれない』などの理由から連泊することもあった。移動することが旅ではない、休養することも旅のひとつと考えよう。


道路選び
日本一周のルートは海側の車線を走れる時計回りがおすすめ。また走る道は交通量の多い国道を避け、できる限りローカルな道、景色のよさそうな道を選んで走っていた。
また自転車は車道走行が基本。広い路肩や自転車レーンがあれば安心なのだが、路肩がなくて交通量が多い道では、安全を考えて歩道を通行することもあった。
怖かったのは『トンネル』。山国日本ではトンネルを走らずに日本一周することはできない。広い歩道があればそこを行くのが一番安全。問題なのは歩道も路肩がないトンネル。グオオオ~と大反響するトラックの排気音は『恐怖』の一言だ。トンネルを安全に通過するためには、何より自分たちの存在を知らせることが重要。ヘッドライトとテールライトはトンネルに入る前にスイッチオン。僕たちはさらにヘルメットにあるテールライトも点燈していた。安全反射ベルトがあればより安全だろう。とにかくトンネルを自転車が走っていることを主張しよう。
また自転車が走れないトンネルや橋もいくつかあり、大きく迂回することがあった。その際に自転車から降りて押して行く陸橋もあるので覚悟しておこう。
また全国各地にはサイクリングロードがあるので、ぜひルートに取り入れたい。自転車専用道路は自動車との接触事故の心配がないので、ゆっくりマイペースで走れる。さらに景色もいいので、まさにパラダイス。走らない手はない。



食べる
名物
せっかく日本各地を旅するのだからその土地の名物やB級グルメなど、いろんなものを食べてみたくなるもの。僕たちはそれほど積極的なグルメではないが、日本一周で食べたおいしいものは思い出に残っている。
◯北海道:寿司、ジンギスカン、豚丼、スープカレー、やきとり弁当、塩ラーメン、カニ弁当、シジミラーメン、チャーメン、花咲ガニ、さんま丼。
◯東北:じゃじゃ麺、冷麺、マルカン食堂のナポリカツ&マルカンラーメン、うに丼。
◯中部・北陸:さわやかのハンバーグ、馬刺し、朴葉みそ定食、静岡おでん、伊勢うどん、天むす、からあげ丼、ひつまぶし、名古屋のモーニング、遠州焼き。◯関西:たこ焼き、どて焼き、イカ焼き、柿の葉すし。
◯四国:讃岐うどん、徳島ラーメン、なべ焼きラーメン、鍋焼きうどん、かつおのたたき、ウツボの天ぷら、骨付鳥。
◯中国:広島焼き、ばりそば、焼牡蠣、尾道ラーメン。
◯九州:長崎ちゃんぽん、皿うどん、トルコライス、白熊、宮崎地鶏、とんこつラーメン、中津の唐揚げ、佐世保バーガー、辛子レンコン。
◯沖縄:ソーキそば、タコライス、ゴーヤチャンプル、ゴーヤバーガー、A&W、ステーキ。
思いつくままにザッと並べたただけでも50以上。良かったら参考にしてください。
それからレストランや食堂に入らなくても、コンビニなど買って手軽に楽しめる地方グルメもある。例えば北海道のカステーラ、カツゲン、ガラナ。東北のアベックトースト、イギリストースト。沖縄のコンビニで売ってるスバムフライなど、たくさんある。また西日本では肉まん(豚まん)を買うと辛子が付いてきたり。カップうどんのダシも関東と関西で違っていたり。食の変化を楽しもう。


食費の節約
旅費の中でもなかなか削りにくいのが食費。各地で目の前でおいしそうな名物を見たら、食べたくなるのが人間。さらに、いまここでしか食べられないと思ったら、なおさらだろう。
そこでおすすめしたいのが外食と自炊のミックス。自炊にはガスコンロと鍋、皿など最低限のものがあればOK。インスタントラーメンやパスタ、カレーライスなどは作れる。今日は名物を食べたり贅沢する日、今日は自炊で節約する日とメリハリを付ければ、かなり節約することができる。
それからスーパーの総菜コーナーにあるお弁当などもおすすめ。コンビニなどに比べると安く種類も豊富、さらにその土地ならではの食材や料理が使われていたりするので面白い。もし時間に余裕があるようなら値引きされる時間を狙おう。同じように道の駅で売っている総菜やお弁当も安くなるので要チェックだ。
僕たちの日本一周で大活躍したのが九州を中心に展開するファミレス『ジョイフル』。小さな町にも必ずあるし、ランチがとても安かった。ちなみに2024年の夏で日替わりランチが500円(税込)だった。旅していた時は暑かったので、エアコンが効いた場所でゆっくり食べられるのがありがたかった。


次回は実践編2。寝る(ホテルやキャンプ、予約など)、楽しむ(観光、趣味、SNSなど)です。