世界中で人気が上がってきているeバイクは、毎年、ニューモデルが登場するなど勢いあるジャンルだ。最近は日本の街中でもよく見かけるようになってきたので、今後はもっと増えていくだろう。ただ、そうはいってもまだeバイクの歴史は浅く、「どんなeバイクがあるか?」「eバイクでどんなことがやれるのか?」などなど、eバイクに乗りたい人に対して、選んでもらうための情報が伝え切れていない状態だ。そこでここでは、いま存在を知っておくべきeバイクをピックアップして、それぞれのスタイルから特徴まで詳しく紹介していく。今回取り上げるのはターン・HSD P9だ。
積載性抜群でアシストもパワフルな多目的eカーゴバイクに注目!
一家に一台、頼れるeバイク
多種多様な用途に応じた車種を取りそろえるターン。最新モデルのeバイク「HSD P9」は、まさに働く自転車。最大積載重量170kgの堅牢フレームに、ボッシュのドライブユニットを搭載した、一家の主人的eカーゴバイクだ!
幅広いユーザーから支持されるスタイリッシュな実用車
普段の買い物からフル装備キャンプまで家族で乗れるeカーゴバイク
骨太な見た目のフレーム構造から既にただ者でない様子を醸し出す、最大積載量が強みのeカーゴバイクは、普段の買い物からキャンプまで、実生活ですぐ活躍する心強い味方だ。
「HSD P9」は、ターンの主力eバイク「ヴェクトロン」とは一線を画す、新機軸として登場したモデルで、最大積載量170kgという頑強な作りのフレームとフォークが特徴の多目的eカーゴバイクだ。
トップチューブをダウンチューブに沿うように湾曲させたまたぎやすいイージーステップデザインで、センターに備え付けられたボッシュの最新ドライブユニットが、ペダリングを力強くダイレクトにアシストする。長めのホイールベースと低重心の設計が、荷物を積んだ状態でも走りの安定感を生むと共に、9段変速の外装変速機を備えることで、アシストなしでも申し分のない走行性能が保たれる。
サドル高やハンドルポジションの調整幅も広く、推奨身長は150cmから195cmまで、体重制限は120kgと、乗り手の体形を選ばない。家族全員が一台を乗り回して使用できることを考えると、価格も納得できる範囲。使途も幅広く、普段の買い物もリヤラックに別売の専用アクセサリーを付ければ、一度により多くの荷物を積み込むことができる。そして、家族で自転車キャンプに出かけるなんて欧米人のような楽しみ方も、当たり前にできてしまうのが、このモデルの強みだ。
収納場所は、思った以上に必要なく、ハンドルを倒すことで狭いスペース(約40cmの幅)があれば縦横自在に収納できる。実用的に普段使いできて、汎用性の高い小型キャンピングカーのような心強い存在だ。
Point
◎ボッシュのパワーユニットをいち早く搭載
◎積載最大重量170kgの頑強なカーゴバイク
◎ハンドルを畳めばワゴン車に積載できる
◎充実のアクセサリーで用途に応じた仕様に
Spec
価格●42万7900円
サイズ●ワンサイズ
折り畳みサイズ●163×40.5×86cm
フレーム●6061アルミニウム
フォーク●SRサンツアー・ターンオリジナル
ドライブユニット●ボッシュ・アクティブラインプラス
バッテリー●ボッシュ・パワーパック300Wh/36V-8.2Ah
最高出力●250W
最大トルク●50Nm
充電時間●2.5時間
一充電での航続距離●エコ100km、ツアー65km、スポーツ60 km、ターボ55 km
シートポスト●ターン・テレスコープ34.9/30.9mm
サドル●ターン・HSD
身長許容範囲●150 〜195cm
最大積載重量●170kg
制限体重●120kg
シフター●シマノ・アリビオ 9S
リヤディレーラー●シマノ・アリビオ シャドー 9速
カセットスプロケット●シマノ・11-32T
ブレーキ●シマノ・油圧ディスク フロント/180mmローター リヤ/160mmローター
タイヤ●シュワルベ・ビッグアップル 406 20×2.15
重量●25.7kg
ラック●アトラスHラック
付属品●アブス5650L
Detail
マーケティング担当者に聞く─HSD P9とは
「小型のキャンピングカーのような実用性を兼ね備えたモデルです」
ターンは2011年に北米で誕生し、2012年モデルから日本での販売も開始した比較的歴史の新しいブランドだ。スタイリッシュなデザイン性が特徴のアーバンバイクブランドとして、マルチモーダルな旅の実現を提案する折り畳み自転車をはじめ、様々な人気シリーズを生み出してきた。都会の“路地”を走り抜けるイメージのセカンドライン「Roji bikes」は、若者向けにヒット。その時々の文化やファッション、ライフスタイルを取り込みながら、この12年間で発展してきた。
eバイクモデルへの着手も早かった。2018年にボッシュのドライブユニットを搭載した初のフォールディングeバイク「ヴェクトロン」が登場し、一躍人気車種となった。そして、今回紹介するのが積載性に優れた万能eカーゴバイク「HSD P9」。このモデルは厳格な耐久テスト規格をクリアした高強度と高耐久性のフレームを使用し、荷重170kgまで耐えられ、標準装備のリヤラックの耐荷重も60kg。これは国内モデルではなかなかない頑強さだ。というのも、欧米では車代わりにeカーゴバイクを使用する人が多いため、車と同じく長く使えるものを、という考えの下にHSD P9の開発をしてきた。
また、HSD P9はセミフォールディングバイクという点も高ポイント。ハンドルが最も幅を取るパーツだが、可動式のステムを真っすぐにしてハンドルポストを折り畳めば、幅40cmほどの隙間に収納できる。工具もいらないので、誰でも15秒もあれば簡単に行える作業だ。車体の長さも、日本未発売ながら欧米で人気のロングテールモデル「GSD」と比べると、圧倒的にコンパクトだ。これは日本の道路事情に合った、ちょうど良いサイズ感のカーゴバイクと言うこともできる。
積載量が増えた場合でも、最新式のボッシュのドライブユニットが強力にアシストしてくれるのが大きなアドバンテージ。1回の充電でエコモードなら100km、一番電力を消費するターボモードでも55kmは走行可能。ホームページ上でバッテリー消費のシミュレートをすることもできるので、荷物量やライダー体重などを設定して一度行ってみると、いかに走れるかが分かると思う。
自転車を止める際に必要な、車体を安定させるキックスタンドと、アブス製のロックも標準装備。実用的に使用するための装備は、最初から備わっているのもうれしい限り。
そして、運ぶものに応じた様々なアクセサリー類が充実しているのもターンの特徴だ。車体の各部に取り付けられる小物入れから、フロントラックや保冷バッグ、リヤラックに装着できるバスケットやソフトケース、パニアバッグまで、そのバリエーションは豊富。ペットを乗せるための「ドッグルーフミニ」というコンバーチブルカバーもあり、愛犬を乗せて共にサイクリングを楽しむこともできる。
街中でよく見かける子供乗せママチャリは、子供が成長してしまったら、その使い道を失ってしまう。その点、HSD P9は違う。大きな荷物も運べる買い物自転車や、家族のアウトドア遊び用キャンプツーリング車としても長く使うことができる。その時々の目的に応じたバイク仕様にして、オンからオフまで、普段使いからアウトドアまで、様々なシチュエーションで、家族皆でシェアして存分に使い倒してもらいたい、そんな一台だ。
Other model
高い積載性能とコストパフォーマンスが魅力
クイックホールD8
価格:32万7800円
HSD P9と同様のドライブユニットで、積載能力も最大150kgと申し分ないが、ハンドルポストは倒すことができない。変速は8段。収納性に重きを置かない人向けのモデル。
ターンのeバイクの代名詞という存在
ヴェクトロンS10
価格:43万4500円
ターンのeバイクといえばこれ。ボッシュのアクティブラインプラスを搭載した、可動式ステム付きの折り畳みeバイク。10段変速のスポーティかつ安定感のある走行性能が人気。
手の届きやすい価格帯でヴェクトロンを
ヴェクトロンN8
価格:32万8900円
ヴェクトロンの走行性はそのままに、コストパフォーマンスに優れたモデルが新登場。ハンドル位置は前後に動かせないが、フレーム分割式で折り畳み可能なのは変わらない。