スポーツも運動も嫌いな超インドア派の妻ヒロコと60歳からeバイクの旅を始めた夫かんいち。60歳を過ぎた夫婦のeバイク日本一周。昨年は東日本。今年は西日本一周。神奈川から南下、本州、四国、九州などを走り沖縄へやってきた。梅雨明けした沖縄、楽しむぞ〜♪
DAY172&173「ヤンバルクイナの里へ」
名護に着いた翌日は宿で体を休め、溜まっていた洗濯をしたり、原稿書きなどで過ごした。仕事が片付いたところで行動開始。日帰りで北へ約35kmの国頭まで行ってみることにする。
朝ごはんを食べ終えて外に出ると、近所のA&Wの駐車場がオートバイで埋め尽くされていた。どうやら週末のツーリングを楽しむライダーたち集合場所になっているようだ。それししても50台近く、名護のオートバイが全部ここにいるのじゃないかと思うほど、たくさん集まっている。
青空の下、国頭へ向かってこぎ出す。国道58号を走っていると、A&Wにいたオートバイが次々と僕たちを追い越して行った。左手にエメラルドグリーンに輝く海を眺めながら進んでゆく。時間が経つにつれて気温がグングン上昇、汗が噴き出してくる。熱中症対策のためコンビニや道の駅での休憩を交えながら、マイペースで進んでゆく。今日は荷物はないし、追い風なのでかなりラクに感じる。
順調に進み、昼前には国頭村に着いてしまった。国頭は沖縄本島でも特に豊かな自然が残っている場所で、国の天然記念物“ヤンバルクイナ”が生息する土地としても知られている。
国道沿いで見つけた食堂『くにがみ亭』で昼ごはん。豆腐チャンプル定食とアジフライ定食を注文した。食いしん坊の僕たちは料理を二種類頼んで、半分ずつにして食べることが多い。これも夫婦旅のメリット。どちらも美味しく食べました。
食後はeバイクで周辺の海岸を巡った。辺土名海岸や桃原ビーチ、オクマビーチなどいくつもあるが……どこも青い海が広がる、沖縄らしい海岸ばかりだった。しばらくの間、ペダルを休め、海を眺めて過ごした。
午後になると太陽はさらに強さを増し、焼けるような暑さになった。木陰で休んだり、コンビニでエアコンで涼んだりしながら名護へ向かう。沖縄へきた時は時々キャンプもしようかなと思っていたが、この気温で張ったらテントの中は完全にサウナ状態。すぐにその考えを却下した。全身汗だくで宿に戻るとすぐにシャワー。汗を流すと生き返った。
宿泊地:沖縄県名護市
走行距離:73.6km
総走行距離:7529.7km
DAY174「沖縄は歩道までアドベンチャー!?」
名護から本部へ向かう。距離は近いのでのんびり準備する。今回は部屋が一階で目の前が駐車場なのでパッキングも楽々。僕たちは荷物が多いので、部屋と自転車を2往復しないと荷物を全部運び出すことができない。ホテルの部屋がエレベーターがないと悲惨で、出発前から既に汗だくなんてことが何度かあった。
沖縄のファストフードA&Wでモーニング。メニューはフィッシュバーガーとルートビア。ルートビアが僕の大好物で、何とおかわり自由。もちろんジョッキでグビッといただきました♪ ついでに、そのまま昼近くまでテーブルで原稿書きのお仕事。いい感じで捗った♪
今日のお昼は、名護にある沖縄そばの名店『宮里そば』へ。初めて食べた時からお気に入りの店で、名護に来た時は必ず立ち寄っている。店構えは昔と変わらないが、店内に入ると新たに自動券売機が導入されていた。これも時代の流れか。メニューは沖縄そばが中心。ソーキそば、三枚肉そば、こんぶそば、カレーなどあるが、今回はあえてのスペゲティーにした。ヒロコは「どうしてここでスパゲティ?」と怪訝な顔をしているが、一度食べてみたかったので、いいんです。食べてみると味は至って普通、古い喫茶店のようなクセのない味。なので次は素直にソーキそばにします(笑)
ゆっくり海岸線を北上。車道とは別に自転車道&歩道があったので進んでゆくと、草木がボーボー、ジャングルのようになった。さらに進んで行くと倒木が道を塞いでいた。なんとワイルドな歩道、さすが沖縄。木を移動させ、さらにひとりが太い枝を抑えたりしながら、どうにか隙間を作り通り抜けることができた。
今回の宿は海洋公園の近くにあるマンション。セルフチェックインスタイルで部屋の前にあるボックスに指定のナンバーを打ち込むと扉が開き、玄関の鍵が出てきた。ドアを開くときれいな部屋で広い、リビングルームに洗濯機&乾燥機まである。これでゲストハウスと変わらない値段なのだから嬉しい。「すごい。こんないいところよく見つけたねー」ヒロコも大喜び。やったね。予約サイトで探しまくった甲斐があった。
宿泊地:沖縄県本部町
走行距離:31.2km
総走行距離:7560.9km
DAY175「古宇利島でまさかのスコール」
今日は今帰仁村にある離島、古宇利島へ行く予定。走り出すと、いつも積んでいる30kg以上の荷物がないのでペダルが軽い、「おいおい誰か後ろから押しているだろー?」突っ込みを入れたくなる。スイスイ進む、eバイク最高という感じだ。
途中の食堂でお昼ごはんを食べ、さらに進むと古宇利島へ渡る『古宇利島大橋』が遠くに見えた。海とのコントラストが見事。まずは手前にある屋我地島に渡り、しばらく走ると古宇利島大橋が現れる。空と海の間を突き抜けるようにのびた橋。海を飛び越える鳥の気分でペダルを踏んだ。
古宇利島は沖縄版“アダムとイブ”の神話が残ることから恋島と呼ばれていて、橋の反対側には2枚の岩が重なりハートの形に見える『ハートロック』がある。小さな島であっという間に半周、駐車場に自転車を停めてハートロックへ。観光客や海で遊ぶ人たちで大賑い。僕たちは写真を撮ったり、冷たいジュースを飲んだり、マイペースで楽しんだ。
島を一周して橋に戻ると、怪しい雲が近づいていた。どうしようかと思っていたら、いきなりスコールのような雨が降ってきた。慌てて『海の駅ソラハシ』の軒下へ逃げ込んだ。さっきまでの青空が嘘のよう。これが沖縄の夏なのか。しばらく待ったが止みそうない。スマホの雨雲レーダーをチェックすると、雨雲があるのはこの橋の周辺だけで、周りは快晴のよう。
この雨雲を抜ければ晴れているので、濡れる覚悟で土砂降り雨の中へ突っ込んで行った。3分で全身ずぶび濡れ、パンツまで濡れている。ここまで濡れたの久しぶり、涼しいしここまでくると逆に気持ち良くなってくる。20分ほどで雨エリアから脱出。いつもは濡れないことばかり考えているが、たまにはあえて濡れてみるのもいいものだ。
宿泊地:沖縄県本部町
走行距離:51.3km
総走行距離:7612.2km
DAY176「24年ぶりに瀬底島へ渡った」
朝食を終えると瀬底島へ向かった。本部港の西に浮かぶ島で全長762mの瀬底大橋で渡ることができる。24年前にキャンプした思い出の島でもある。当時は無料のキャンプ場があり旅人キャンパーで賑わっていたが、ずいぶん前に閉鎖されたらしい。
橋を渡るとそのままメインストリートを進んでゆく。道の両側にはカフェや食堂、宿の看板が点在。結構観光客が来るようだ。徐々に民家がなくなり、畑になる。さらに進んでゆくと最後は雑草が生い茂る細い道になった。さすがにこれ以上進むのは危険と判断してUターン。
その後は別の道を走って瀬底ビーチへ向かう。こちらはいかにもリゾートという感じで、白砂の浜にパラソルが並んでいる。時間が早いからか人が少ない。しばらくビーチを眺めると、再び橋を渡って本部へ引き返した。結局どこがキャンプ場だったかよくわからなかったが、それはそれでいい。思い出の宝箱にしまっておこう。
午後から海洋公園を散歩するが、暑くて死にそう。しばらく歩いたが、数年前に行ったので今回はパスする予定だった『美ら海水族館』へ、清涼も兼ねて急遽、入場することにした。改めて見学することになったが、やっぱり面白い。水の世界は無限で飽きることがないらしい。
今日が本部で過ごす最後の夜。宿のテラスで海を眺めながら、ビールとコーラで乾杯をした。明日から那覇へ向かって南下する予定。
宿泊地:沖縄県本部町
走行距離:24.8km
総走行距離:7637.0km
DAY177「タコライス発祥の店キングタコスへ」
海沿いの国道446号で北上してきたので、内陸を走る県道で南下する。道が狭くアップダウンの連続、夏らしく蝉や虫、鳥が騒がしく鳴いている。3日ぶり名護の町中を走っていると『沖縄ぜんざい』と書かれたのぼりが目に留まった。「ぜんざい、いいかも」引き寄せられるようにパーラーの扉を開いた。小さな店内は地元の年配者の客で埋まっている、どうやら地元民の憩いの場になっているらしい。
愛想のいいお姉さんに、冷たいミルクがけの沖縄ぜんざいを2つお願いする。食べるとこれが熱くなった体をいい感じで冷やしてくれる。小豆や白玉も甘くて美味しい。やはり沖縄の夏はぜんざいだね。
昼ごはんは『道の駅許田』と思っていたが、値段が高い上にこれと言って食べたいメニューがなった。「それなら頑張って金武町まで走って、本物のタコライスを食べよう!」ということになる。
梅雨明けしてから沖縄は連日の青空。そして連日の30度越え。ただ走っているだけなのに、滝のように汗が流れてくる。木陰を見つけては休憩を繰り返しながら、午後1時過ぎ、金武町にある『キングタコス』に到着した。
小さなお店で1階が厨房&受付、2階がイートインになっている。ここがタコライス発祥の店と言われていて、僕はタコライス、ヒロコはタコスを注文した。タコスもタコライスもボリューム満点、シンプルだがタコソースとチーズのバランスがとても良い。絶妙に美味しいタコライス、さすが発祥のお店。ここまで頑張って走ってきて良かったと心から思った。
宿泊地:沖縄県うるま市
走行距離:62.0km
総走行距離:7699.0km
DAY178「異文化と壁画アートのコザ」
うるま市で泊まったホテルは高い丘の上にある、ゴルフ場に隣接したリゾートホテルだった。大きなベッドで2人とも爆睡。ホテルの人もロビーで自転車を保管してくれたりとても親切だった。節約旅行をしているので普通は泊まれないタイプのホテルなのだが、偶然ネットで激安セールをしていたので泊まることができた。僕たちへの良いご褒美になった。
坂道をぐんぐん下り、国道331号に出る。片側2車線の広い道で路肩にも余裕があり走りやすい。さらに嬉しいのが沖縄では、大型車がセンター寄りの車線を走ってくれること。追い越す時も車間を大きく取ってくれるし、沖縄県は日本でトップクラスでサイクリストに優しい県だと思う。
昼前、沖縄市のコザに到着。米軍が越来村の胡屋地区をKOZAと呼んだことをきっかけに、一般の人々もコザと呼ぶようになったらしい。十字路周辺のビルの壁には、沖縄市の歴史を描いた、カラフルな壁画アート『コザ十字路絵巻』があり目を楽しませてくれた。また歩道を走っていると、昼間から空いているBARも多く、英字看板のお店がいっぱい。ここはどこの国?という感じ。沖縄にはいろんな文化、景色がある。
夕方、那覇の宿に到着した。前回の宿は中心から離れていたが、今回は国際通りまで歩いていける中心地。観光客が行き交う、華やかな国際通りを歩いていると那覇にいることを実感する。同時に沖縄の旅も終わりが近いことを知った。
宿泊地:沖縄県那覇市
走行距離:38.2km
総走行距離:7737.2km