イッシモは休日をグンと楽しくするeバイク!

クルマでまわるよりたくさん見て徒歩でまわるより広い範囲を見るイッシモは休日をグンと楽しくするeバイク!
イッシモは休日をグンと楽しくするeバイク!

東京には著名な観光地が多くあってにぎわっている。でも、そんな代表的なルートから少し外れてみると、あまり知られていない「いい場所」があるのだ。そこで今回は湾岸エリアのいい場所を巡ってみた。

イタリアの老舗メーカーが作るスクーター的eバイク

eバイク(電動アシスト自転車)には個性的なモデルが多く存在しているが、その代表格と言えるのがイタリアの「ファンティックeバイク」がリリースするイッシモシリーズだ。
では、イッシモを紹介する前にファンティックのことに触れておくと、ここは世界的に有名なモーターサイクルのメーカーで、創業は1969年と古く、代表的なモデルはオフロードバイク。日本では「モータリスト」が輸入の窓口になっていて、ファンティックeバイクも同様にモータリストが扱っている。 
そのファンティックeバイクでは専用フィールド向けとして本国仕様のパワフルなeMTBを扱うが、同時に日本の基準に合わせて導入しているのが、イッシモというトラス構造を取り入れたアルミフレームに20インチのファットタイヤを履くユニークなeバイクだ。
このイッシモには装備の違いで「FUN」と「URBAN」の2モデルがあるが、紹介するのはFUN。オプションのキャリヤとリヤフェンダーを付けた街乗りスタイルだ。
このスクーターのようなeバイクで有明、お台場、青海という都会と港の組み合わせが楽しめる「東京ならでは」のコースへ乗り出してみた。走って止まって、ときには押してクルマより細かく徒歩より広く、そして楽しく走ってきた話を伝えさせてもらおう。

お台場と言えばユニコーンガンダム。ガンダムの下は自転車乗り入れ禁止なので横を通過
クルマでは立ち寄れない気持ちいいスポットが多い。海沿いに降りる道はアップダウンもあるが、イッシモなら入っていける
車重は30kgを超えるけど、重心が低いのか押し歩きをしてもそれほど重さを感じない。街乗りバイクとしてはこれ大事
気がつくと4時間ほど走っていた。立ち寄りながらなので距離は延びないけど、満足度が高いイッシモでのポタリングだった

おしゃれデザインの奥に見える真の姿がまたカッコいい

イッシモの電源を入れる手順は以下のとおり。バッテリーのスイッチを入れてから、ハンドルに付いているアシストモード切替スイッチと並んで配置されるシステム電源をオン。これでディスプレイにアシストモードなどの情報が表示されてアシストが可能な状態となる。
そしてペダルを踏み込むと、一瞬だけ車体の重さをペダルの感覚で体感するが、イッシモに搭載されているバーファン・M500はeMTBにも採用される強力なユニットなので、すぐにペダルが軽くなる。
モデルを務めてくれた磯田さんは、ふだんロードバイクに乗っているので脚力はあるが、イッシモとロードバイクとはポジションがまるで違うので、初めてイッシモを目の前にしたときは戸惑いもあったようだ。
また、頑丈そうな車体ゆえに車重を気にしていたようだが、走り始める前の試走を終えると「大丈夫です、これすごくよさそうですね」と笑顔を見せてくれた。
ただ、ひとつ気になったのはサドルの高さ。イッシモはフレーム形状的にサドル高が高め。それだけに身長が160cmくらいの磯田さんでは、サドル高をいちばん下げた位置でも、停車時の足着きはつま先立ちとなっていた。でも、重さがあるといっても原付スクーターほどはないので、足着きが今ひとつでも不安はなかったそうだ。
さて、今回のコースを紹介していこう。スタートは東京テレポート駅周辺。少し前まではお台場パレットタウンが営業していたのでにぎわったエリアだが現在は静かである。
パレットタウン前には整備された歩道があり、人が少ないときは自転車に乗ったまま通行可なので今回は走って通り抜けた。
そこから一般道へと入るが、お台場周辺は歩道が広く、歩道内に自転車レーンが設けてあるので安全に走れるのが特徴だ。それになによりこの周辺は歩いている人が少ないので、なおさら走りやすい。
そうこうしているうちにビッグサイトをまわり込んで海沿いに到着。イッシモは内装5段ギヤ(シマノ製)を装備しているので、ハイギヤにして力を入れてこげば、アシストの助けもあってそれなりの速度は出せるが、そんな走り方より時速15kmくらいののんびりペースが心地いい。
海沿いのルートには車道へ上がる上り勾配もあるけど、イッシモは上りを意識せずに走って行けるし、段差もエアボリュームがあるタイヤとトラベル量が80mmあるフロントサスのおかげでスムーズに越えていけるのだ。
また、側道から歩道への進入時など、低速に落としてからの向き替え&ギャップ越えというバランスを崩しやすいシーンも、ペダルを踏めば反応よくアシストが効くので車体はすぐに安定。イッシモは楽なだけでなく、少ない踏力でも十分な駆動力を後輪に伝えられるところもいい。バランスが取りやすいのだ。
なお、イッシモのバッテリーは一充電で70km〜120kmほど走れるので、休日のポタリングであればバッテリー残量の心配は無用だ。
また、バッテリーはフレームから取り外せるので、マンションなどに住んでいたり、ポタリング途中の立ち寄りで駐輪場に止めるときにキーロックだけでなく、バッテリーを外しておくということもできる。
さらに磯田さんからは「ブレーキの効きとタッチがいいので安心できます」と、ブレーキについて高評価のコメントもあった。
なんかいいことばかり並べる感じになったけどこれは事実。イッシモはイタリアの実績あるモータサイクルメーカーが手掛けるeバイクというほかにはないものだけに、製作に関しては自転車作りではなくて、モーターサイクル作りの視点が用いられているのではないかと感じる。車体の重量バランスのよさや衝撃吸収性の高さ。そして駆動を与えたときのバランスのよさなど、モーターサイクル的な特性が見えるのだ。
個性的なルックスから楽しそうな雰囲気が伝わるイッシモだが、乗り物としてとても面白い存在なので、見栄えだけでなく「中身」も重視したい人にお勧めだ。

有明エリアの公園は海沿いまでeバイクで入っていける。こういうところだと走るだけでなく、eバイクを駐めて海を眺めてしまう
有明、お台場、青海エリアはポタリングに適しているので、eバイク初心者でも安心して走れる。機会があれば走ってみて欲しい
都市部だけに信号が多いけど、アシストがあるので楽にスムーズに発進できる。この特性は疲れの軽減にかなり効果があるもの
コーヒー豆の焙煎工場?でもある青海コーヒーさんで休憩。とてもおいしいコーヒーが100円~200円で飲めるのがうれしい
短い区間だけどこのエリアにはダート路面もある。ファットタイヤとフロントサスの効果で安定。どこでも走れる印象だ
車重があるけど押し歩きも得意。また、フレーム形状的に乗り降りしやすいのもいい。とにかく扱いやすいeバイクだった
舗装された法面を走る磯田さん。とても楽しそう。「こんなのイッシモじゃないと体験できないですよ」と笑顔

FANTIC ISSIMO FUN

ファンティック・イッシモ ファン

価格:44万円

イタリアのモーターサイクルメーカー「ファンティック」がeバイク業界に参入。「ファンティックeバイク」というブランドを持つ。そのファンティックeバイクのイッシモは日本の法規に合わせてあり型式認定も取得済。撮影したのはシンプルスタイルのFUN(ファン)。ほかに小物入一体キャリヤを装備したURBAN(アーバン)がある。フレームやドライブユニットの設定は両車同じだ。

SPEC
サイズ:ワンサイズ
カラー:シルバー、レッド、ブラック、ホワイト
フレーム:アルミニウム
ドライブユニット:バーファン・M500
バッテリー容量:630Wh
コンポーネント:シマノ・ネクサス(内装5速)
タイヤ:ヴィータイヤ・ファット(20×4.0)
車重:32.4㎏

ドライブユニットはバーファン・M500。トルクは95Nmと強力で、特性はアシストが前面に出る感じだが女性でも扱いやすい
ディスプレイの表示は大きくて見やすい。また、このディスプレイには充電用のUSB端子が付いているのでスマホの充電も可能だ
右側のハンドルには後輪ハブに内装される5段ギヤの変速レバーとドライブユニットとつながるアシストスイッチが付いている
アシストスイッチのプラス側長押しで点灯するLEDヘッドライト。赤色のLEDテールランプはリヤフェンダーの後端に付いている
アシストトルクが太いのでハイギヤのままでも結構走り続けられるが、ユニットの負担を考えると適切なギヤチェンジも併用したい
630Whのバッテリーはイッシモのフレームに合わせたオリジナルデザインだ。システム起動にはまずバッテリーの電源から入れる

磯田美咲さん(ウエイブワン/カペルミュール)

モデルを務めていただいたのは、自転車用ファッションブランド「カペルミュール」の磯田美咲さん

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