eバイク旅ノート Vol.87 eバイク日本一周27「友の応援を受け歩む四国路」

還暦を超えた夫婦がeバイクで日本一周の旅を始めた。スポーツマンとは程遠いふたり、特に妻のヒロコは運動嫌いで超インドア、途中でギブアップしないか心配したが、約3か月間をかけて東日本を走り切った。今年4月からスタートした西日本の旅、神奈川から東海を走り、関西を越えて岡山までやってきた。

DAY123

4日間連続走行で疲れが溜まっていたこと。さらに直島を歩きまわったこともあり、今日はお休みにする。eバイクは電動アシストがあるとはいえ、体力を使ってこぎ進んでいくのは自転車と同じ。休息も必要なのです。

午前中は児島でお世話になっているヒロコの友人、いぶちゃんが車で王子が丘の展望台へ連れて行ってくれた。標高234mの小高い山に展望台とカフェがあり、広い窓から見える景色は最高に素晴らしかった。瀬戸内海に浮かぶ大小の島々、瀬戸大橋、遠い四国の町まで一望。壮大なパノラマを満喫した。

『お休み』といいながらも、午後は図書館やネットカフェで旅ノートの原稿書き。その合間に“児島ジーンズストリート”を歩いたり、コインランドリーへ行ってお洗濯したり、忙しく動き回ることに笑 まあ、これが僕たちの旅のスタイルなんだよね〜

宿泊地:岡山県倉敷市
走行距離:18.1km
総走行距離:5798.4km

王子が岳パークセンター
いぶちゃんの車で倉敷市児島の高台にある『王子が岳パークセンター』へ。展望デッキとカフェがあり、3人で絶景とカフェタイムを楽しんだ
ジーンズストリートのマンホール
国産ジーンズ発祥の地『児島』。約400mの通りに地元ジーンズメーカーが軒を連ねる『ジーンズストリート』。マンホールの蓋もオシャレです

DAY124

今日は晴れ、絶好の観光日和なのでeバイクで17km離れた古い町並みが残る倉敷美観地区へ出かけた。今はゴールデンウィークの真ん中、どこへ見ても観光客がいっぱい。倉敷川沿いの通りや裏通り、どの通りも歴史を感じる美しい建物ばかりなのだが、人が多くアミューズメントパークを歩いているような気分だった。

eバイクで走るのは大変なので歩いて回る。少し外れた場所で見つけたカフェ“七明縁”で一休み。ようやく静かになった、インドカレーや豆乳ヨーグルトなどを食べながら、店主の女性とお店を始めたきっかけや苦労話などおしゃべり。ゆるい時間を楽しんだ。

再び町をブラブラ。昼を過ぎると暑さが上昇、Tシャツ1枚になった。アイビースクエアへ行くとビールフェスをやっていた。僕は下戸だが、こんな暑い日に飲むビールはきっと格別だろう。ヒロコは呑める口なのだが今日は自転車。ソフトクリームを食べたし、お土産も買った、さあ、そろそろ帰ろうか。

宿泊地:岡山県倉敷市
走行距離:35.9km
総走行距離:5834.3km

倉敷川
eバイクで訪ねた倉敷、ゴールデンウィークの中だったのでどこも人がいっぱい。中心となる倉敷川では『観光川舟』を楽しむ人がたくさんいた
白壁の蔵屋敷
倉敷美観地区には江戸時代から残る白壁の蔵屋敷などが残っている。個性豊かなカフェや雑貨屋、売店があり、食べ歩きをしている人も多かった

DAY125

宇野(岡山)〜高松(香川)のフェリーが5年前に廃止になったことが数日前にわかった。これまでオートバイの旅で何度も使っていたメイン航路なので、今もあるだろうと勝手に思い込んでいた。瀬戸大橋を考えれば、廃止も当然の流れ。ということで、直島を経由して高松へ渡ることになった。

4日間もお世話になった、いぶちゃんとお父さんにお礼を言って児島を後にした。まずは宇野港からフェリーに乗って直島へ。3日前は観光客でいっぱいだった直島、今日はゴールデンウィークの最終日とあって観光客もまばら。とても静かで、同じ島とは思えなかった。

高松ゆきのフェリーが出るまで時間があったので、前回見学できなかったアート満載の直島銭湯『I❤︎湯』を見学、お昼ごはんを食べたり、ゆっくり過ごした。

約1時間フェリーに揺られて高松に上陸。宿に荷物を下ろして町をブラブラ、アーケードに入り歩き始めるが歩けど歩けど終わらない。どこまでも続いていて交差点に出ると、さらに左右にアーケードが延びている。さすが日本一の長さを誇る高松中央商店街!

最近はどこも大型ショッピングセンターが中心だが、アーケードは個性豊かな個人商店がいっぱい。「えっ、ここ何屋さん?」「この店にお客さん来るのかな?」「あっ、美味しそう!」ふたりで笑いながら、冗談を言い合いながら、楽しく歩いた。

宿泊地:香川県高松市
走行距離:17.9km
総走行距離:5852.2km

終点の先へ
瀬戸内海への入口、宇野港と駅の周辺には様々なアート作品が展示されている。これは『終点の先へ』という作品で放置自転車をアート化したもの
高松港
宇野から直島を経由して、いよいよフェリーは高松港に着岸した。船を降りると、カラフルな大きな柱のアートが僕たちを迎えてくれた
商店街に列車
日本一長いアーケードの町として知られる高松。通りを歩いていると踏切があり、警報器と共に商店街の真ん中を列車が走り抜けていった

DAY126

いよいよ今日から四国の旅が始まる。香川といえば“讃岐うどん”。今日は丸亀まで行くのでその途中で立ち寄れそうなうどん屋をいくつかピックアップした。1軒目の“うどん宮武”へ行くと、ガーン! まさかの臨時休業。忙しかったゴールデンウイークの代休らしい。

気を取り直してネット検索で見つけた、近くの店“マルタニ製麺”へいってみる。小さいお店で、いかにも地元のうどん屋という感じ。これは期待値大だ。僕は“冷やかけ”とおでん、ヒロコも“冷やかけ”とイカ天を選んだ。食べてみるとシコシコ強い腰のある麺で喉にドーンとくる。これぞまさに、僕たちが求めていた讃岐うどん。ふたりとも満面の笑顔になった。

調子が出てきたところでもう一軒。立ち寄った“桑島製麺所”はセルフではなく、腰もやや弱かったが、さすが香川県と唸りたくなる、美味しいうどんだった。

おにぎりのような美しい形の山が、香川県を代表する“讃岐富士(飯野山)”。記念写真を撮ると、今日の宿“うえる亀ゲストハウス”へ向かう。宿主の中島さんとは東京の海外バイクツーリングのイベントで会って以来なので約10年ぶりの再会となった。顔を見るのは久しぶりだが元気そう。

夜は再会を祝って中島さんが丸亀の名物“骨付鳥”や海鮮料理などご馳走してくれた。また席には中島さんの友人である、さぬきうどんライターの百々さん、香川に移住してゲストハウスBB LODGEを始めたという、ゆいさんも合流、賑やかな夜となった。中島さんありがとうございます♪

宿泊地:香川県丸亀市
走行距離:42.9km
総走行距離:5895.1km

『アーケード内で排泄させないでね
高松を出発する朝。通りがったたアーケードの入口に『アーケード内で排泄させないでね』の文字と震える犬が描かれたマナー看板があった
讃岐富士
香川県の象徴である飯野山、別名『讃岐富士』。標高の低い山だが、おにぎりのような形をした美しい山なので遠くからでも見つけることができる
マルタニ製麺
ヒロコが今回一番美味しかったと話したのが『マルタニ製麺』。地元で人気の店のようだった。ネットで偶然見つけたのだが、運が良かった♪
丸亀ゲストハウス・ウェルかめ
丸亀ゲストハウス・ウェルかめ』は世界をバイクで旅した中島さんが夢を現実にした、旅人のために作ったゲストハウス。『四国おもてなし感激大賞2017』を受賞

DAY127

丸亀に連泊。香川の面白いのは朝から開いているうどん屋がたくさんあること。朝ごはんを食べに近所の“綿谷うどん”へ行ってビックリ、関東ではあり得ない100席以上もある巨大なうどん屋だった。さらにかけうどんは小サイズでもボリューム満点。ゲソ天も大きく朝からお腹一杯になった。

そのまま歩いて“丸亀城”へ。天守から丸亀の町を眺め、午後は中島さんの車で近々取り壊される鉄道駅舎“讃岐財田駅”を見に行った。その後、昨日会ったゆいさんの“BB LODGE”へ。10日前にオープンしたばかり、できたてホヤホヤのゲストハウス。内装や庭などゆいさんらしさ、可愛さ満点。これからどんな人たちが、どんな思い出をこの宿で作っていくのだろう、1年後、5年後のBB LODGEが楽しみだ。

宿泊地:香川県丸亀市
走行距離:0km
総走行距離:5895.1km

太助燈籠
かつての金毘羅参りの上陸港だった丸亀。丸亀港のシンボルとして八角形の青銅製の『太助燈籠』が立っている。近くで見ると想像以上に大きかった
讃岐財田駅
ウェルかめの中島さんが取り壊される『讃岐財田駅』へ連れていってくれた。100年もの歴史を持つ、趣のある木造の駅舎は惜しまれつつ姿を消す
BBロッジ
10日前にオープンしたばかりのゲストハウス『BB LODGE』。ご両親と一緒に香川県まんのう町へ移住して0からゲストハウスをスタート。頑張れ♪

DAY128

ゲストハウスの中島さんから聞いていた、土器川沿いの歩行者&自転車道路で南へ向かった。広い空の下、順調にeバイクを走らせる。午後には徳島県に入りそうなので、最後に美味しい讃岐うどんが食べたい。ルートの国道438号沿いに『谷川米穀店』という知る人ぞ知るうどん屋がある、そこを目指すことにする。

ところが長い上り坂が続き思うように距離が伸びない。営業時間は午後1時まで、間に合うか不安になってくる。もしも間に合わなかったら、いや、そんなことは考えたくない。その時の精神的、肉体的ダメージが大きすぎる、不安を打ち消すように必死にペダルをこぐ。

「見えた!」「やったーっ、間に合ったー!」頑張った甲斐あって間に合った。谷川米穀店は山の集落の一角にある小さなお店。ほぼ民家のような外観なので、知らない人はお店とは気が付かないだろう。僕は20年前のかすかな記憶があるだけだったが、見た瞬間にここだ!と思い出した。

ここのメニューはうどんの小と大、生卵のみ。出汁はなく、醤油をかけて食べるスタイル。暑かったので『冷』を頼んだが、飲み物のようにうどんが入ってゆく。シンプルに美味しい。小麦粉の香りと、麺のコシと喉越しを味わう、うどんとはそういうのもと言っているような気がした。ご馳走様でした!

国道438号はその後も上り坂が続いた。しばらく進むとトンネルが見えてきた。峠の三頭トンネルだ、これを抜ければ徳島県。下り坂のカーブをいくつか曲がると吉野川に沿って伸びる県道12号に出た。川に沿って東へ進んでゆく。今日の宿泊地、『うだつの町並み』が残る脇町に4時前に到着した。

伝統的建造物が並ぶエリアに入ると、まるでタイムスリップしたよう。趣のある建物が次から次と現れる。その美しさに心を奪われる。日本一周の宿泊地に古い町並みが残る場所を選んでいるわけではないのだが、このような場所にくると日本の伝統を感じられるので嬉しい。

宿泊したゲストハウス『のどけや本館』も古い旅館を使った宿で趣があり、レトロ感が満載だった。今日は僕の誕生日、夜はリクエストで少し離れた場所にあるインドカレー店へ行き、カレーとラッシーでお祝いをした。忘れられない旅の思い出がまたひとつ増えた。

宿泊地:徳島県美馬市
走行距離:62.0km
総走行距離:5957.1km

丸亀城
丸亀の町並みを見下ろす丘の上に立つ丸亀城。爽やかな青空の中、最高の気分で出発した。今日は国道438号で峠を越えて徳島県へ入る予定
土器川を南下
土器川に沿って南下する。誰も走っていない歩行者&自転車道はまるでプライベートロードのよう。ふたりでおしゃべりをしながら進んでゆく
谷川米穀店のうどん小
讃岐うどんのラストを飾ったのが『谷川米穀店』。物価高の今、うどん小(1玉)200円は安い。腰の強さ、喉越し、これぞ讃岐うどんという感じだった
坂道を上る
徳島県との県境を目指して坂道を上るヒロコ。日本一周出発当初は、荷物満載の自転車で走れるのか?不安があったが、今は安心して見ていられる
のどけや本館
『うだつの町並み』で知られる美馬市の脇町。宿泊したゲストハウス『のどけや本館』は昭和の風情が残るレトロな宿で居心地が良かった
うだつの町並み
優しい明かりでライトアップされた『うだつの町並み』。昼間とは違い幻想的な雰囲気になる。こんな景色を見ていると感慨深くなる

DAY129

ゲストハウスを出て少し走ったところにレトロな劇場『オデオン座』があった。見学に入ると、案内人が現役の小劇場で、演歌のショーが行われたり、映画のロケに使われたこともあると教えてくれた。地下や控室など普段見られない場所を見学できるのが面白かった。

吉野川の堤防に沿って延びた道を使って徳島市内へ向かう。青空で天気はいいのだが、とにかく風が強い。それも向かい風なので思うように距離が伸びない。徳島の友人やまちゃんが昼ごはんを一緒に食べようと誘ってくれているのだが、約束のお店になかなか辿り着けず、着いたのはランチタイムを大きく回り、午後2時になっていた。やまちゃん、すみません。

徳島ラーメンの店『東大』で、これぞ徳島ラーメンという感じの濃厚とんこつ醤油ラーメンを堪能する。やまちゃんとは、10年前の旅からの付き合いで、徳島に来る度に美味しいお店を紹介してくれたり差し入れをくれたり、優しい人なのだ。今回も応援に駆けつけてくれ、感謝です。

阿南では、同じようにeバイクツーリングを楽しんでいる伊達さんと2年ぶりに再会。学生時代によく来たという洋食店へ行き、ハンバーグを食べながらお互いの近況やeバイクの話をした。伊達さんもeバイクで日本一周をしたいのだが、なかなか時間が作れないらしい。そんな話を聞くとこれは僕たち夫婦の旅であると同時に、どこかの誰かの代わりに旅をしているのかもしれないと思うことがある。やまちゃんや伊達さんのように応援してくれる人がいて、疑似体験としてこの旅を楽しんでいる人もいる、そんな人たちの思いが僕たちのエネルギーとなって、日本一周の旅は進んでゆくのだ。

宿泊地:徳島県阿南市
走行距離:68.4km
総走行距離:6025.5km

オデオン座
昭和8年に作られた脇町劇場『オデオン座』。西洋モダンな外観で回り舞台、奈落のある本格的な劇場。西田敏行主演『虹をつかむ男』のロケ地にもなった
阿波踊りの像
徳島市の新町橋付近で見つけた阿波踊りの像。何度か徳島に来ているがタイミングが合わず見たことがないので、いつか本物を見てみたい
やまちゃん夫婦と
応援に駆けつけてくれた、徳島のやまちゃん夫婦。一緒に徳島ラーメンを堪能。これから向かう高知のグルメ情報も教えてくれた
伊達さんと
数少ないeバイク仲間の伊達さん。四国一周のロングツーリングなど積極的に走り回っている。年齢も近いことから話で共感することも多い

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