パナソニック サイクルテックのXEALT S3F(ゼオルト・エススリーエフ)とXEALT SJF(ゼオルト・エスジェイエフ)は「親子でサイクリング」をテーマに開発されたeバイク。XEALT S3Fが大人用、XEALT SJFは小学校3年生辺りからを対象にした子供用となっている。
デザイン的には両車そっくりの「親子でおそろい」スタイルを実現。一緒に走っている姿は絵になるものだ。そして装備面もほぼ同じだが、XEALT SJFは運転に集中しやすいようディスプレイを付けてなかったり、フロントサスを子供に合った乗り心地に設定していたりと、プラスアルファの気づかいが盛り込まれた仕様になっている。
そんな2モデルはサイクリング好きな親御さんには気になる存在でもある。そこで2024年10月に東京で開催された自転車イベント「TOKYO BAY BICYCLE(一般社団法人 自転車協会が特別協賛)」で実施されたコンテンツを題材に、両車の特徴や魅力、そして走りについてお伝えしていこう。
まずはXEALT S3FとXEALT SJFがレンタルできるサイクリングツアーを紹介する。
こちらは他のXEALTシリーズを含めたグループライドで、有明、青海、お台場エリアの約15kmのルートを走るもの。取材で同行させてもらった回には、お母さんと小学生の娘さんのペアでの参加があった。
お母さんが乗ったのはXEALT S3Fで、娘さん(ライカちゃん)はXEALT SJFに乗った。
小学生はライカちゃんだけだったので、ツアーのペースについていけるかがちょっと心配だった。
でもそれは全くの杞憂。ライカちゃんは上り勾配もあるコースを、大人と同じペースでスイスイと走る。途中で休憩はあったが、大人の隊列を引っぱりながら、ゴールまで走り切ったのだった。
これには本当に驚いたので、ゴール後、ライカちゃんに「大変じゃなかった?」と声を掛けてみたところ、「大丈夫」そして「楽しかった」と笑顔で答えてくれた。
続いてはサイクルライフナビゲーターの絹代さんと、ご友人親子(コモリさん)による親子eバイクトークイベントの内容を紹介する。
お二人とも家族でのサイクリングを楽しんでいるそうだが、そこで気になっているのが大人と子供のペースについてとのこと。
子供と一緒に走るので当然、ペースは落とすのだけど、それでも親と子供の間隔が離れてしまうこともある。これは仕方のないことだが、親との距離が開けば子供は頑張ってこいでしまうのだ。
小学生になるとある程度の交通ルールは分かってくるけど、こぐことを頑張り過ぎると周りが見えなくなることもある。すると安全への配慮を怠ることもあって、それが危ないと感じるそうだ。
それだけに軽い力で進むeバイクは有効。頑張らなくても付いていけるので走行に集中でき、普段どおり安全に走ってくれるのだ。eバイクに乗ることは安全な走行につながる……これはなるほどである。
次の話題はアシストの大事さについて。ここは「子供が疲れない」ところがポイントという。
これはどういう意味かというと、元気な子供であっても走り疲れたり、坂を上る、向かい風が強いといった条件が加わるとやっぱり機嫌が悪くなることもある。すると、楽しいはずのサイクリングが、大変だったという思い出になってしまうこともあって、次に誘っても来てくれないことも……これはさみしい。
そこでeバイクだ。eバイクであれば負担は減るので、ペースにさえ気をつければ機嫌が悪くなることもない。また、アシスト付きであっても「大変なところを走り切ったという成功体験」ができるので、ペースのこと以外でも乗ってもらう価値は大いにあるとのことだった。
このように大いに盛り上がりつつ終了したトークイベントだが、終了後、二人の娘さんはまだまだ元気が余っていたのか、特設コースでSJFの試乗をしていた。
その光景も撮影させてもらったが、そのときに見せた笑顔や楽しそうな歓声から、子供にとってSJFは便利というより、楽しいものであるということを改めて感じた。