eバイクで行く秘境グルメvol.1 富士山五合目・双子山で御殿場の厚切りハムのホットサンドを頬張ってきた!【機材編】

ベスビーのeMTBに乗る

JR御殿場駅から富士山二合目・水ヶ塚公園までeバイクを走らせ、標高1800m付近の双子山までハイクした模様をお届けしたアソビ編
続く今回の記事は、その旅で使った機材=道具を紹介します。

アウトドアでの遊びをよりよい時間にするには、道具のよさに依るところが大きいです。よい道具というのは金額の多寡に関わらず、使い勝手のよいモノ、ひとつでいろいろなシーンに役立つ汎用性の高いモノ、そしてなにより使っていて楽しい気分にさせるものです。

とはいえ、昨今の物価高騰により、eバイクもアウトドア道具も高価……。だからこそ、吟味して選びたいもの。そのポイントを解説したいと思います。

トレイル走行を軽快に!アウトドアな遊びに高相性

TRX1.3

私が学生の時(今から30数年前です)アルバイトして購入した自転車がフロントサスペンションの、現在でいうハードテールのMTBでした。生まれ育った東京の下町でMTBがその性能を発揮できる場所は多くなく、江戸川や荒川の土手、葛西臨海公園の斜面や階段、段差を走らせて遊んでいました。当時はMTBが日本に上陸して間もない頃。そうしたことをしても禁止されている訳ではなかったので、問題になることもありませんでした。

TRX1.3に乗る

今回、乗車したハードテールeMTBのBESV(ベスビー)・TRX1.3は、はじめてMTBを乗った時の「どこにでも行けそうだ!」という自由さを感じさせてくれる軽快さが特長に思えました。Sサイズで24.3kgという重さは、車からの積み卸しはなかなか難儀ではあります。しかし走り出すと、軽い。アシストを切っていても、それなりに進んでくれます。

アーデント

走りの軽さは、Maxxis・Ardent(マキシス・アーデント)、29×2.4のタイヤに依るところが大きいように思いました。29インチという大きさ、そして2.4インチという幅は、オンロードでもモタつきを感じさせず、乗り心地もよいもの。ブロックパターンの間隔が広めに取られているので、オフロードでは軽快さを維持しながらよくグリップしてくれ、上りで踏み込んだ時も空転することがありません。

フロントサスペンション

ストローク量120mmのフロントサスペンションは、私レベルのライダーにちょうどよい感じです。斜面や少しガレた林道走行で車体が暴れることなく、思い通りに進めることができました。だからこそ思い切って下ることもでき、MTBならではの心が浮き立つような走りを可能にしてくれます。

バッテリー

バッテリーは、ダウンチューブをボテッとさせることなく収まっていることも、スタイリッシュでいいです。630Whの大容量で最長175kmの走行が可能なのも、うれしいです。

ドライブユニットは、シマノ製のE8080。パワフルではありますが、ペダルを踏み込んだ際に必要以上にアシストが効くのではなく、足りない分、必要な分だけサポートされているようで、ナチュラル。だから、緩やかなアップダウンが続く林道で、アシストによって前に進んでいるのではなく、しっかりと走らせている感があります。

それが「どこまでも行けそうだ!」という、MTBを走らせて感じるワクワクに繋がっているんです。うん、コレはMTBビギナーにこそ試してもてほしい、楽しいeMTBです。

BESV TRX1.3
フレーム: ハードテールベスビープレミアムアロイフレーム
フォーク: サンツアー・XCR34エアーブースト、29″、120mm
タイヤ:マキシス・アーデント、29×2.4
リヤディレーラー:シマノ・デオーレ RD-M6100、12速
ドライブユニット:シマノ・E8080(250W、70Nm、最高時速24km)
バッテリー:630Wh内蔵リチウムイオンバッテリー
ディスプレイ:シマノ・SC-E7000、SW-E6010-L
サイズ:S(42.5cm)、M(46cm)
カラー:トレイルカーキ-ナイトブラック
航続距離:175/160/120km
重量:24.3kg(S)、24.5kg(M)
価格:49万8000円

休日の楽しみ方を変える1台

TRS1.3

私はフルサスMTBに乗った経験が、ほとんどありません。
だから、今回乗車したTRS1.3の特長をしっかり感じ取れたのか、不安があります。でも、昨今のフルサスMTB、そしてフルサスeMTBは、こういうバイクなのか!という驚きは得られました。

それは、下ることへの興味の増大です。

フロントサスペンション

高低差1~1.5m位の斜面があったので、そこを走らせてみました。まず、上で紹介したハードテールeMTBのTRX1.3で走った際には、腕と膝で衝撃を和らげる動きをして下りる訳です。その予測と実際に、それほど違いはありません。

TRS1.3に乗る

次にフルサスe-MTBのTRS1.3で下ると……予想を越えて動くサスペンションに、ちょっと怖さを感じた直後、「あれ!?」と驚くほど、自転車がすべての衝撃を吸収。ソフトにスムーズに走り下ってくれました。

リヤサスペンション

続いて、シマノの力強いドライブユニットのアシストを使って、土手のような場所、30mくらいの長さの斜面上部へ。ギアの選択を間違いなければタイヤは空転することなく難なく上れます。

そこから、斜面を一気に下ってみます。初めての自転車、初めて下る斜面。勇気を振り絞るほどのレベルではありませんが、ちょっと身構えて、しっかり身体で衝撃を吸収しようと下り出すと、「あれれ!?」。
体重移動をちょっと行っただけで、スムーズに下ってくれました。

ドライブユニット

ドライブユニットやリヤディレーラーは、ハードテールモデルのTRX1.3と同じですが、フルサスになり、ストローク量が大きくなると、こんなにも下りの感覚、身体の使い方、キモチの盛り上がりが異なるのか!と驚きました。
それは「いろんな場所を下ってみたい!」と思わせるものです。eMTBなので、上りだって苦労しません。だから「いろんな場所を走らせてみたい!」というのが、正しい感想です。

ハンドルまわり

ハンドル部分のレバーでシートの高さを調整できるドロッパーシートポストを標準装備。搭載されるBESVオリジナルバッテリーは630Whの大容量で最長175kmの走行が可能。重量は26kg以上もありかなりの重さがありますが、走行感は十分に軽快。オンロードもアシストを効かせれば、モタつきを感じさせません。
価格はちょっと身構えるものですが、車に積載していろいろな場所へと一緒に出掛けてみれば、間違いなく休日の楽しみ方、遊び方を変えてくれるでしょう。地球ってたくさん凸凹していて、その凸凹を見つけて、どんな感じにMTBを走らせたら楽しいかなぁと、ドキドキするようになるでしょう。TRS1.3は、どんなレベルでも、そんな夢を見させてくれる、大人の遊び道具です。

BESV TRS1.3
フレーム: フルサスペンションベスビープレミアムアロイフレーム
フォーク: サンツアー・デュロラックス36ブースト、29″、160mm
リヤショック:サンツアー・エッジLOR8、230×65、エアースプリング
タイヤ:マキシス・ミニオンDHF & DHR II、29×2.60
リヤディレーラー: シマノ・デオーレ RD-M6100、12速
ドライブユニット: シマノ・E8080(250W、70Nm、最高時速24km)
バッテリー:630Wh内蔵リチウムイオンバッテリー
ディスプレイ: シマノ・SC-E7000、SW-E6010-L
サイズ:S(42.5cm)、M(46cm)
カラー:ロックグレー×ナイトブラック
航続距離: 175/160/120km
重量:26.3kg(S)、26.5kg(M)
価格:69万8000円

ホットサンドメーカーがあるとアウトドアは楽しい!

アウトドア飯のために用意した道具

今回、私がアウトドア飯のために用意した道具は、SOTO(ソト)・ミニマルホットサンドメーカー(6600円)、同・レギュレーターストーブ トライトレイル(9900円)、ノイコヤマイコ・ミニカーボ2(8800円)という折り畳みテーブル、ノイコヤマイコ・タイベックWADケース(M)(1300円)と同(S)(1000円)、シートゥーサミット・X-ポットケトル(6270円)、同・X-シール & ゴーS(2090円)というカップです。

収納状態

それらの道具の収納状態が、上の写真です。アウトドアの道具は、軽量コンパクトが基本です。でも、あまりにもそれを追求すると、使い勝手がよくないものになります。経験値やスキルが必要になってきます。だから、程よく軽く、小さく、でも自分好みのデザインで、扱いやすいモノを探すとよいです。

ミニマルホットサンドメーカー
出典:SOTO

例えば、SOTO・ミニマルホットサンドメーカー。ホットサンドメーカーはハンドルが折り畳めないものが多く、持ち運びの邪魔になりがちです。
しかしこのモデルははプレートに向かってハンドルを反転させて挟むようにして折り畳める仕様です。重量は630g。軽量モデルが350gくらいなので、それなりの重さはありますが、コンパクトになる収納性を優先すれば、選ぶべき逸品です。
なによりアルミダイキャスト、つまり鋳物製なので、熱伝導率が高く、美味しく焼き上がります。

レギュレーターストーブ トライトレイル

SOTO・レギュレーターストーブ トライトレイルも同様に、使い勝手を優先させたい時に選択肢に入ってきます。この春に新発売され、CB缶というカセットガスに125g容量の小型缶を用意。バーナー本体も従来品より200g近く軽くなって、小型軽量さが特長です。

しかし、OD缶というアウトドア用のガス缶のバーナーと比べると、案外大きくて重いんです。

レギュレーターストーブ トライトレイル
出典:SOTO

では、なぜこのバーナーがオススメかというと、鍋やホットサンドメーカーを乗せるゴトクの位置が低く、大きくて安定感があって、調理がしやすいからです。本当はワイヤー状のゴトクが鍋と接する部分だけでも板状になってくれると、さらに安定感が増すと思うんですが……。ホットサンドメーカーを乗せた時、微妙なバランスを取らないといけないのが、唯一の難点です。

テーブルがあると、ビンボーくさくなくていいんです!

ミニカーボ2
撮影:ポンチョ

折り畳みテーブルのノイコヤマイコ・ミニカーボ2。重量は95±5g、サイズはB5版、縦半分に折り畳め、天板はカーボンプレート、脚部にはプラスチックダンボールを使用。
ソロ用テーブルとして、これ以上ないスペックを装備しています。
天板がカーボン製なので、超軽量テーブルでありがら、天板上で調理ができることで最大の利点。

ミニカーボ2を組み立てる
撮影:ポンチョ

そして脚部がマグネット固定式なので、組み立てはわずか3秒!そしてマグネットがバーナーのガス缶に作用し、テーブルを斜めに傾けてもバーナーがズレないくらいに固定されます。コンパクトなテーブルだけに、この安定感はありがたいものです。

アウトドア飯を食べる

なにより、テーブルがあるだけで、ビンボーくさくなくていいんです!テーブルに食べ物や飲み物を乗せるだけで、乗せないよりも美味しく感じられます。私は調理が好きなので、美味しく見えるか見えないかは特に気になります。
ノイコヤマイコ・ミニカーボ2は、たったの100g。それだけで美味しくなるのですから、アウトドア飯をいただく際は、是非装備してみてほしいです。

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