折りたたみ自転車のトップブランドによるフォールディングeバイク!ダホン・フューコム

1982年の創業以来、世界最大の折り畳み自転車ブランドとして多様なラインナップを誇るダホン。同社ならではの機構とデザインの文脈を受け継いだ、スマートなeバイクが登場した!

シートポスト一体型バッテリーでスマートなルックスに

フューコム

DAHON Fu-Com
ダホン・フューコム
価格/22万円

SPEC
フレーム/アルミ
フォーク/アルミ
ドライブユニット/バーファン・RM G310
コンポーネント/シマノ・ターニー7速
バッテリー/ 36V10Ah
タイヤ/CST・C1959 20×2.0(ETRTO406)
カラー/マットブラック、カーキ
重量/18.5kg

ダホンらしさそのままのeバイク

折りたたみバイクと言えば誰もが思い浮かべるトップブランド、ダホン。そのダホンから登場したフューコムは、同社らしいシルエットと折り畳み性能、そして何といっても走りを両立した、20インチホイールの小径eバイクだ。バーファン製のリヤハブモーターを採用し、サムスン製のシートポストバッテリーと組み合わせることで一充電航続距離120kmを実現。小径車ながらワイルドなカラーリングとデザインをうまく融合している。ブロックタイヤを装着し、ちょっとした未舗装路も走行可能な使い勝手の良さを併せ持っている。

ダホンらしさの象徴である折りたたみ性能に妥協はなく、30年以上にわたって定評ある同社独自のDFSシステムを採用。

トップチューブ分割、可倒式ハンドルなどを装備。車載や輪行も余裕のコンパクトさと3ステップで折りたためる手軽さを兼ね備えている。トップチューブからBB下にかけてデルテックという専用のケーブルをつなぐことでヒンジ部への負担を軽減、車体剛性を向上させるだけでなく、フレームの耐久性も大幅に向上させている。

BESVなど多くの競合他社が存在する小径eバイクの世界において、老舗ダホンが投入してきた新型eバイクは、ダホンらしい隅々まで行き届いた作り込みと、手に入れやすい価格を両立した注目の一台だ。

3ステップで簡単にフォールディング

バッテリー内蔵のシートポストを下げて、ハンドルを折りたたみ、トップチューブを分割する3ステップでコンパクトに折り畳める。そして、そのまま自立もするダホンならではの機構を採用。シートポストバッテリーのケーブルなどを都度引き抜く必要などもないので、降車してものの数十秒で車載や輪行が可能だ。ハンドル折り畳み機構のクランプの剛性はダホンらしく抜群で、こうした魅力はeバイクになっても何ら失われていない。

重量は18.5kgと超軽量ではないが、20kgを下回っているので、サドルなどを持って片手でも持ち上げられるのは取り回し上とても便利。

折りたたみ状態
シートポストに重心があり持ちやすい
シートポストに重心があり持ちやすい!

DETAILS

スリング
トップチューブからBBをつなぐスリングによって、ヒンジ部に掛かる負担を大幅に低減。折り畳み時も触ることなくスリングが曲がってくれる
アシストコントロール部
アシストコントロール部はLEDの表示で、アシスト力とバッテリー残量を確認できる。機能は少ないが、視認性と直感で操作しやすい
タイヤ
2インチのブロックタイヤを採用し、簡単な未舗装路での走行にも対応。モータートルクがあるためスリックでは滑りやすい条件でも安心して乗れる
リヤディレーラー
シフターやリヤディレーラーなどの変速部品はシマノ製で、性能はもちろん補修パーツも手に入れやすい。7速のターニーを搭載している
RM G310リヤハブモーター
バーファン製のRM G310リヤハブモーターを採用。ロー側のスプロケットとおよそ変わらない直径のコンパクトなデザインで小径車ともマッチ
シートポスト
極太シートポストにサムスン製のバッテリーが内蔵される独特のデザイン。バッテリー容量は320Whで見た目よりもかなり大きくロングレンジを実現

IMPRESSION「街乗りでも旅先でも便利に使えるeバイク」

乗ってまず驚いたのは、eバイクであること以前に車体の剛性感。メインフレーム部の剛性はダホンというブランドに期待する剛性そのもので、まずここがしっかりしているので、走っていて気持ちいい。アシストはモリモリとトルクが湧き出てくるというよりは、ギヤ3枚分ほどペダリングが軽くなるという雰囲気で、小径車の苦手な条件、例えばヒルクライムや再発進などで活躍してくれるトルク感。このトルクを生かして、通常よりも太めのブロックタイヤを装着しているので、乗り心地は良く、同時にちょっとした砂利道や芝生の上も得意ジャンル。ポタリングや旅先での移動手段としてちょうど良い性能を実現している。多くの体格の人で共有できるセッティング幅の広さで、一家に一台持っておけば、生活の幅が広がるバイクだ。

難波ケンジさん

RIDER
難波ケンジ

eバイクの黎明期より20年以上にわたってその変貌を見つめてきた、国際自転車ジャーナリスト。日本にeバイクを持ち込んだ最初の人物として知られる。

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