ふたり合わせて123歳。妻のヒロコは61歳にして生まれて初めての長い自転車旅、それもいきなり日本一周。果たして最後まで走り切れるのか!?
6月8日、梅雨入りと同時にスタートしたふたりの旅。神奈川相模原市から東京、埼玉、群馬と進み、いよいよ最初の難関三国峠へ!
DAY05
群馬県沼田市のビジネスホテル。朝、目覚めてカーテンを開くと雨は降っていない。やった。今日は日本一周最初の難関、三国峠越え(新三国トンネル)。標高は約1000m。僕的にはそれほどの高く感じないが、eバイク初心者、運動不足の61歳ヒロコは初めて1000mの峠「本当に越えられるのかな?」「きついところは降りて押していいよね?」……出発前から不安を何度も口にしていた。
沼田市内から国道17号は緩やかな傾斜で、スイスイ進んでゆく。三国峠へ向かう国道の最後コンビニ、赤谷湖と猿ヶ京温泉にあるローソンで休憩。ジュースでのどを潤し、さらに携帯食としてパンやお菓子を買っておく。荷物の整理をしていると、僕のeバイクの「夫婦E-BIKE日本一周」の文字に気がついた女性が「わーっ! すごい日本一周ですか? スタートはどこですか?」興味深そうに声をかけてきた。これからの期間や走るルートなど、目をキラキラさせながら聞いている。きっと旅行が好きなのだろう。最後に「頑張ってください」と嬉しい言葉と一緒に菓子の差し入れまでいただく。小さいけれど嬉しい出会いだった。
再びこぎ出す。上り坂が延々と続く。ヒロコはせっかちな性格なので、早く早くと気が急いて力を使って上ろうとするが、それでは息が上がるし、筋力体力も使う。eバイクは速度を抑えてアシストを多く使うことで体力の消費を抑えることができる。僕が敢えて速度を抑えて進んでゆく、ヒロコも合わせるように、ペダルもゆっくりになる。旅は競争ではない、勝ち負けもない。楽しく無理なく、マイペースで行こう♫
長い長い上り坂だっが、昼ちょっと前、ついに新三国トンネルの入口が見えてきた。ヒロコは大喜び。もっと大変だと思っていたようだが、ヘロヘロに疲れ果てるまでには至らなかった。それより何より自分の足で1000mの峠を上れたことに驚いている。よく頑張った。沼田のホテルを出たのが朝7時なので5時間かかったが、体力的にはひとつクリア。これでひとつ大きな自信ができた。
新三国トンネルは昨年開通したばかり、旧三国トンネルに比べると道幅も路肩も広くなり、自転車が走りやすくなっていたのは幸運だった。それでも念の為に反射テープの付いたバンドを着けておく。あっという間に通過、トンネルを抜けるとそこは新潟県だった。
雪のない苗場スキー場、寂れたロッジを眺めながら進んで行く。予約した越後湯沢の宿へ行くとリゾートマンションのようで、その一室を民泊として提供しているようだった。受付に自転車のこと話すと、部屋に入れてもいいという。エレベーターが狭いので、できるかな? と思ったが、運びたい一心で、前輪を上げ、斜めにしたら、無理な体制ながら、なんとか入れた。良かったー笑。これでひと安心。今日は最初の難関、三国峠を突破。大きなステップアップを果たす一日にとなった。
●宿泊地:新潟県湯沢町
●走行距離:61.6km
DAY06
今日の予定は新潟県柏崎市。ヒロコの祖父母のお墓があるのでお参りしようと思っている。ところネットで柏崎の宿を探すが、どこもいっぱい。困り果てていたところ、「HATCHの寝床」という名ゲストハウスを発見。連絡をするとここも満室。困っていると親切な宿でプライベートな部屋を特別に提供してくれるという。ありがたい。良かった。さあ、柏崎へ向かおう。
新潟は米どころ南魚沼市はあちこち田んぼだらけだ。一難去ってまた一難ではないけど、またまた峠道が始まった。それも思ったよりもハード。ペダルをこぎながら「えーっ!? また、上り坂なの、聞いてないよー!!!」とヒロコが叫ぶ。仕方がない、日本は山国なのさ〜(笑)
十日町ではTwitterで知り合ったゆきGさんと合流した。こんな風にSNSを通じて知り合い、旅先で会うのが今の時代。ゆきGさん直接会うのは初めてだが、バイクでの日本一周経験者、とても気さくな人で、歳も近いことから、すぐに打ち解けた。新潟名物のへぎそばをご馳走になるが、ツルとした食感、腰のある麺がおいしいかった。
再び峠を越えて、海岸線の近くにあるゲストハウス「HATCHの寝床」についた。青い壁ととんがり屋根の建物が特徴で、エントランス横のオープンスペースにはミニクーパーが停まっていた。ドアを開けると佐藤さんが笑顔で迎えてくれた。定年退職してからこの宿をスタート、同年代でバイクが好きの共通点もあり、すぐに親しくなった。夜は佐藤夫婦と僕たち夫婦、お酒を呑みながら(僕は 下戸なのでお茶)おしゃべりに花が咲いた。
●宿泊地:新潟県柏崎市
●走行距離:83.5km
DAY07
雨の中、自転車でお墓参りは大変だろうと言って、佐藤さんが車を貸してくれた。まったくもって、お世話になりっぱなしだ。おかげでスムーズにお墓参りができた。ついでにコインランドリーでお洗濯。夜は、ヒロコの親戚に会いに行ったり、柏崎の時間を有意義に過ごした。
その後、柏崎の夏祭り「えんま市」へ行ってみる。約2kmの通りに400軒以上の露店が並ぶ、大露店まつりで、歩いても歩いてもお店がある。圧巻の数で「焼そば」「たこ焼き」「くじ引き」「型抜き」「ヨーヨー釣り」など懐かしい露店もあって、どんな店があるのか、見て歩くだけでも楽しかった。
●宿泊地:新潟県柏崎市
●走行距離:0km
DAY08
お客さんの立場を超えて親しくなった「HATCHの寝床」の佐藤さん夫婦。いい時間を過ごすことができた。お礼を告げ出発。新潟市へと向かう。昨日の夜から降り続いていた雨も上がった。快晴とはいかないが、eバイク旅は曇りでも十分ありがたい。
海に近い道を北上する。途中から海が見える気持ちのいい道になった。しばらく進むと道の駅「越後出雲崎 天領の里」が見えてきた、昼には少し早いがランチにする。2階は大きな窓から日本海がよく見える「陣や」というレストランになっていた。メニューを見て、ピンと来たのが「鯵丼」近海でとれたて新鮮な鯵の刺身がドンと載った丼らしい、食べてみると臭みもなく、肉厚でとても美味しかった。
食後は出雲崎の古い町並みを散策しながら、北上する。美しい海岸線もあれば、歴史ある古い町並みもある。eバイクの旅には最高のルートだ。どの後、険しい登り坂もあったが、その分美しい景色も堪能できた。
夕刻、新潟市に到着。ビジネスホテルへ。明日は雨の予報なので、連泊して原稿を書いたり、洗濯をしたり、休養日にあてる。夜は新潟市に転勤していた小中学の同級生カタノと久しぶりの再会。旅の途中で同級生に会うのはどこか不思議な感じがする。お互いの夫婦のこと、単身赴任の苦労など話は尽きなかった。おすすめの店のどれも美味しく、新鮮な海の幸を心ゆくまで味わった。
●宿泊地:新潟県新潟市
●走行距離:95.3km
DAY09
今日は、旅で初めての休養日。といってもお仕事の原稿書きはありますが(笑)しっかり体を休めることに。ヒロコは初めての自転車旅の緊張と疲労、筋肉痛などで全身至るところがバキバキ状態。この状態でを何とかしようと思いネットで整体を検査、見つけた整骨院へ出かけた。僕は部屋にこもってパソコンを叩いていると、1時間ちょっとで帰ってきた。「全身が軽くなったー、すごく良かった〜」とまるで別人のよう、爽やかな顔になって帰ってきた。それは良かった。よし、明日からまた、走るぞー!
●宿泊地:新潟県新潟市
●走行距離:0km
★現在『夫婦で行くE-BIKE日本一周の旅』のクラウドファンディングを実施中。ぜひ旅の夢と感動を共有しましょう! ご支援のほどよろしくお願いいたします。
https://camp-fire.jp/projects/view/669580
取材協力:
ヤマハ発動機
https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/ypj/
セナブルートゥースジャパン
https://senabluetooth.jp/
ステムデザイン
https://www.stem-design.net
武田レッグウェアー
https://www.rxl.jp