旅行会社のエイチ・アイ・エスとメリダジャパン、美しい伊豆創造センターの共同企画。レンタルeバイクで巡る伊豆サイクリングがツアーとして発売される。そのモニターとして当メディアeバイクジャパンも参加。eバイクを体験するにはピッタリと確信してきた。
eバイクは楽に走れる自転車ではなくて、ペダルバイクのように自身の体力、脚力で走りつつ身体的に苦手な上り坂などで消耗しすぎないよう、ECUにより賢く制御されたモーターがアシストしてくれるもの。つまり幅広い層の人に「スポーツバイク」の楽しみを味あわせてくれるユーザーフレンドリーな存在だ。
そんなeバイクの購入を検討している人に勧めたいのが、エイチ・アイ・エスとメリダジャパンが共同で企画する「オーシャンビューとパワースポットを巡るサイクリングツアー」だ。eバイクの魅力を理解するには試乗することがオススメだけど、どうせなら走って楽しいエリアをムリせずたっぷり乗るほうがより理解できるし楽しいだろう。そんなことから、このツアーに参加してきたのでツアーの内容や感想を紹介していこう。
サイクリングツアーの特徴とバイク紹介
「オーシャンビューとパワースポットを巡るサイクリングツアー」は駿河湾に面した西伊豆(沼津エリア)が舞台。距離は約22kmとサイクリングツアーとしては短めだし乗るのはアシストがあるeバイクなのでサイクリング未経験者でも走りきれるものだ。
ツアーで使用するのはメリダジャパンが扱うeバイク。車種は万人に扱いやすいクロスバイクモデルが基本となるが、他に乗ってみたい車種があれば(メリダ、ミヤタ製eバイクに限る)ツアー申込時に問い合わせて欲しい。
ヘルメット、グローブ、フロントライト、テールライトもレンタルに含まれるのでサイクリングをすることに関して参加者が持参するものはない。ただ、自転車に乗ることに適した動きやすい服装(汗をかくので速乾性のトップス、足を動かしやすいパンツ、タイツやソックス、スポーツシューズなど)は必須だ。
また、サイクリングツアーのスタート・ゴールとなる「くるら戸田」には温泉があるので、ツアー後にさっぱりしたい人は着替えも持っていくといい。
それとサイクリング時は適切な水分補給も必要だが、レンタルeバイクにはボトルホルダーが付いているのでマイボトルを持参するか、出発までにペットボトル飲料を購入しておくこと。ちなみにサイクリングツアーで立ち寄るビュースポットに飲み物の自動販売機はない。
伊豆穴場ツアーをスタート
では、ツアーレポートだ。ツアー参加者はJR三島駅に集合してからツアー側が用意したタクシーにてeバイクの乗り出し地点となる「道の駅 くるら戸田(へだ)」へ移動。くるら戸田から駿河湾が見える海岸線に出て県道17号線を移動。最初は出会い岬や碧の丘といったビュースポットを巡り、最後はパワースポットである諸口神社へ。途中、海の幸の昼食や、駿河湾の眺望がきれいな高級ホテルでのティータイムも含まれる充実した内容だ。
集合場所のくるら戸田にはそれぞれに割り当てられたeバイクが用意されていた。取材班はミヤタのクルーズ 6180(販売終了)だ。このモデルは以前も乗ったことあるが、普通の自転車と同じ感覚で乗れる印象。走り慣れない道、初めて一緒に走る人達という条件では、クルーズの乗りやすさはありがたいし、安全に走れると感じた。
最初の目的地である「出会い岬」へ向かう。くるら戸田から海沿いの県道17号線までは約800m、海に当たったところを右折して海沿いを行くと上り坂が見えてくる。
出会い岬までの区間は今回のルートのなかで最も勾配がきついとのことだったので気合いを入れてみたのだがそこはeバイク。アシストモードをハイにしておけばギヤは中間の選択(クルーズ6180は外装10段)でもスイスイと登れる。
試しにさらに軽いギヤに変えてみると平地とあまり変わらない足の回転になるのでふだん自転車に乗っていない人であっても問題ないと思う。実際、藤木さんやもう一人の女性参加者さんも(サイクリング経験はほぼないそう)難なく登っているように見える。とはいえ手応えがないというわけではない。身体を動かす気持ちよさはしっかりと感じられるので目的地である出会い岬に着いたときに達成感は味わえるはずだ。
昼食では海の幸を堪能
出会い岬をあとにする。今度は山下りだがこちらも先導の村井さんがコントロール。速すぎず遅すぎずの速度を保って下っていく。サイクリング初心者を対象としているツアーでは「危ない」とか「こわい」を感じさせないことは大事なので、こうしたペース配分は「さすがだなぁ」と感心。
街に戻り戸田港沿いを走る。この地区のメイン通りであるだけにクルマの往来は少し増えるが、車道と路側帯は白線ではっきり分かれているので走りにくいことはない。この区間は両脇に建物が建ち並ぶので海沿いらしい眺望はあまりないが、そのかわりちょっと古めの建物が並ぶ。なんというか懐かしい感じの光景、これはこれで「遠くに来た」感じがあってついついキョロキョロしてしまう。
絶景ポイントの「碧の丘」へ
昼食後は県道17号線を南へ。山道を登って「碧の丘」というビュースポットへ向かう。魚清さんから走り始めるとすぐに道は山へと向かいはじめる。進行方向左手は平地がなくなって切り立った岩の壁だが路側帯があるので走っていて不安はない。
ここから碧の丘まで延々と上り坂が続く。距離は約7kmと長いのだが勾配はそれほどきつくない。同行したエイチ・アイ・エスの担当者さんによると最初の出会い岬へいくほうが道の勾配はきついそうだ。
実際、女性陣のペースは安定しているし、後ろから見ていてもペダルを踏む足にチカラが入っているように見えない。それに普通に会話もできているようだった。ただ、休みなく足を回しているのでそのぶん心拍数が上がっているようで、息づかいは多少荒め。でも、顔には十分余裕があった。
アシストなしで上りを走ってみることに
さて、取材班だが、実は午後の出発時にeバイクの電源を入れ忘れていてアシストがない状態で走っていた、でも、当初はスイッチが入っていると言う思い込みから「こんなものだろう」という感じで乗っていたが、ルートが上り坂に入ってくるとさすがに気がついた。
そこで電源を入れようかと思ったけど、アシストのありなしの違いがどれくらいのものかを体験するため、しばらくアシストなしで走ってみることにした。
結果からいえば大違い、序盤こそアシストを使う他のメンバーに着いて行けたが走り続けると徐々に離されてくる。それに速度も落ちてくるので枝や石をよける際もふらついたりすることもあった。
これはきついだけでなく危ない感じである。そこで路側帯が広いところで停車、電源オンして再スタートすると驚くほどペダルが軽い。グッグと強く踏み込んでいたところが楽にくるくる回せるし、隊列に追いついてからは前走車に近づきすぎないようブレーキを掛けて減速するほどの余裕もあった。
キッカケは電源の入れ忘れだったが、アシストなしとありでの違いが改めてわかり、それが原稿に書けたことは大きな収穫。でも、まあ、それほどの違いがあるからこそ、このツアーは成り立つのだろう。
ツアー後半-諸口神社へ
海のほてる いさばをあとにするとツアーは後半。戸田港と駿河湾を区切るような地形の御浜岬へ進むと最後の目的地、諸口神社がある。
漁業の町にある神社だけに海に面した大きな鳥居がある作り。こちらはパワースポットということなので、立ち寄った際は見るだけでなくお参りもしたいところだ。
諸口神社を離れ、スタート地点のくるら戸田へ戻ってツアーは完走となる。午前11頃から走り始めて戻りが約16時という約5時間のeバイクライド。eバイクの魅力を味わうには距離も地形も十分すぎるほどだった。また、普通にサイクリングツアーとして見ても、サイクリングのメッカである伊豆のなかでも穴場といえる戸田港の周辺を半日サイズながら充実の内容で走れることも価値があると感じた。取材日は8月初旬で東京は猛暑日が続いていたが戸田周辺は海風があるので日中もそれほど暑くないし、朝晩は真夏でも涼しいとのこと。そして美味しい海の幸も豊富なので日帰りではなく宿泊してのツアー参加もいいと思う。
サイクリングツアー:概要
さて、最後になったがこのオーシャンビューとパワースポットを巡るサイクリングツアー」は2022年9月3日、11月3日、12月3日に設定されていて旅行代金は大人1名で8800円。この価格でeバイクレンタルや昼食、デザート、それに駅までの送迎がついているのでかなりお得である。
ツアーの最少催行人数は4名。最大人数は安全を考慮したうえで5名に絞っているので「参加したい」と思う人は早めの申し込みをオススメする。なお、「オーシャンビューとパワースポットを巡るサイクリングツアー」以外にも伊豆をeバイクで走るツアーが用意されている。
詳しくはエイチ・アイ・エスのホームページを見るか、問い合わせ窓口(東京スポーツイベントセレクション 050-1741-9498/大阪スポーツイベントセレクション 06-6359-1919)まで問い合わせをしてほしい。
取材協力
エイチ・アイ・エス https://www.sports-his.com/bicycle/
MERIDA X BASE https://www.merida.jp/x-base/facility/
美しい伊豆創造センター https://b-izu.com/