【ヴィチ・V-01編】eバイクこの1台 自分にとって、いちばんのeバイクを選ぼう

世界中で人気が上がってきているeバイクは、毎年、ニューモデルが登場するなど勢いあるジャンルだ。最近は日本の街中でもよく見かけるようになってきたので、今後はもっと増えていくだろう。ただ、そうはいってもまだeバイクの歴史は浅く、「どんなeバイクがあるか?」「eバイクでどんなことがやれるのか?」などなど、eバイクに乗りたい人に対して、選んでもらうための情報が伝え切れていない状態だ。そこでここでは、いま存在を知っておくべきeバイクをピックアップして、それぞれのスタイルから特徴まで詳しく紹介していく。今回取り上げるのはヴィチ・V-01だ。

V-01

ちょっとした街乗りにピッタリ アーバンスタイルにもなじむeバイク
シンプル&コンパクトがベスト

仕事の合間のちょっとしたスキマ時間に、またせわしない日常生活からのエスケープとして、小回りの効く心強い相方がいたら、それはどんなに素敵なことだろう。V-01に乗った瞬間、いつもとは別の道を選んでいる私がいた。

ヴィチロゴ
フレームに入ったICCIの文字もシックなイメージ
ロゴまーくのバッジ
ヘッドにはロゴマークのバッジが配される

eバイクを求める人の中には、これまでスポーツバイクを頑張って乗ってきたサイクリストが、その爽快感を電動アシストに頼って得たい、という心理が少なからずあると思う。そういうユーザーにとってeバイクは、どこまでもスポーツバイクのカテゴリーから脱することはない。

一方、自転車の世界も多様な楽しみ方が広がるに応じて、これまでになかった様々な方向性のモデルが現れるようになった。2023年より国内販売が始まったeバイクブランド「ヴィチ」もそのうちの一つだ。

ヴィチのファーストモデルとして発表された「V-01」は、見るからに都会的でスタイリッシュなデザインの外見とは裏腹に、根底に流れるテーマは「スローライフ」。慌ただしい毎日の中で置き去りにしてきた穏やかな時間を、自転車で気の向くままに走り出すことで取り戻そう、というコンセプトを基に作られた一台。そのため、できるだけシンプルな作りであり、なおかつ小さく折り畳むことでオブジェのように変化する可愛らしい乗り物。どこか力の抜けた、決して頑張って乗らない自転車の世界が広がっているはず。

未来の散歩道具としてのeバイクの可能性を追求したとき、今、その最も好位置の存在となるのがV-01ではないだろうか。街中へ気軽にこぎ出せば、全く思いもかけなかった発見や出合いが、あなたに訪れるかもしれない。

ゆったりとした移動手段を楽しみたい人向け
省スペースで保管しやすく、小回りが利くスタイリッシュなデザイン性が目を引く一台

ちょっとした都市部の移動に、使途を街乗りに特化した小型の折り畳みeバイクが登場!走行スピードを緩めて、あなただけのスローライフを手に入れよう。

V-01
メタルシルバー

メインフレームの中央に配されたチェーンホイールと、小回りの利く前後16インチホイールの3つの円と、フレーム、ハンドルポストとフォーク、シートポストの3本の直線で構成された「V-01 」は、世界の名だたるデザイン賞を受賞した、近未来的でスタイリッシュな車体が目を引く小径折り畳みeバイク。

一見、とてもeバイクに見えないが、バッテリーをシートポストに内蔵し、リヤハブにモーターを備え付けることで、車体のデザイン性を損ねることなく、ペダリングの推進力をアシストする。

余計なものを排したシンプルな作りは、細部に至るまで徹底されている。操作の煩わしい変速機能をなくし、シングルスピードとしたのもそのうちの一つ。電動アシストのハイ・ミドル・ローの3モードが変速代わりの役割を果たし、ディスプレイの手元スイッチで簡単に操作できる。また、ハンドルポストと一体化したフロントのLEDライトもデフォルトで装備される。

折り畳めば一気にコンパクトに。ヒンジ部の作りは膨らみがなく、見た目もスッキリ。レバー解除もワンタッチで、慣れればものの数秒で折り畳め、取り扱いが難しいところが一切ないのもうれしい。

そんな、乗る人を選ぶことなく、受け入れやすい点が評価され、EXPO2025大阪・関西万博のサプライヤーにも選出。気軽にこぎ出すことのできる小粋ないいヤツ、そんな愛着さえ感じさせてくれる一台だ。

V-01
マットブラック
V-01
ブロンズ

Point

◎数々の賞を受賞したプロダクトデザイン
◎小回りの利く16インチホイールの走行性
◎3モードのシンプルな電動アシスト機能
◎10秒で折り畳めて、65×68×38cmに

Spec

価格●16万2800円
サイズ●ワンサイズ
折り畳みサイズ●65×68×38cm
制限体重●100kg
身長許容範囲●153〜188cm
フレーム●パテンテッド3-Dフォージドアルミフレーム
フォーク● パテンテッド3-Dフォージドワンピースアルミフォーク
モーター●36V250W 10Tフリーホイール
バッテリー●リチウムバッテリー36V-5.2AH
充電時間●約3時間
一充電での航続距離●ロー45km、ミドル40km、ハイ35km
シートポスト●バッテリー内蔵パテンテッドシートポスト
サドル●アンチフレーミングブラックフォームW/Tクランプ
タイヤ●16×1.75
重量●16.8kg

Detail

後輪駆動部
後輪駆動部は、丸みを帯びた扁平形状のリヤエンドに隠れるようなデザイン。リヤハブに搭載されたモーターのアシストが、初心者にはギヤ代わりとなる
シートポストバッテリー
コードを抜き、シートポストバッテリーごと取り外して屋内で充電することで、リチウムバッテリーを狙った盗難防止につながる
コントロールユニットのコネクター
シートポストバッテリーの後ろ側上部にコントロールユニットのコネクターがある。電源ボタンもコネクターの上に配置している
充電コード差し込み口
シートポスト前側の差し込み口に充電コードをつなぐことで、シートポストを外さずに直接充電することもできる
ディスプレイ
ディスプレイもシンプル。上側にアシストの3モード、中央にはバッテリー残量を表示。下部に電源と+と-のスイッチのみ
コントロールユニット
車体後部に備えられたボックス状のコントロールユニットが、バッテリーとモーター、ディスプレイをつないでいる
ハンドル
ハンドル幅は560mmで、右側にディスプレイ、左側に付属品のベルと反射板。バーエンドにリヤのリフレクターを装備する
フロントライト
ハンドルポストに沿う形で付けられた縦型2灯のLEDフロントライトは20ルクス。手元スイッチの長押しで点灯・消灯操作可
フォーク
フォークもフレームに合わせた扁平形状で、160mm径のディスクブレーキによる制動力をしっかり受け止める剛性を確保している
V-01
斜め横に渡されたメインフレームと、ほぼ直角に交差するハンドルポスト、シートポストのラインがシンプルで美しい

折り畳み時のコンパクトさはイチ押し!

商品マーケティング担当に聞く─V-01とは
「余計なものを排してシンプルな形状を突き詰めたコンパクト折り畳みeバイクです」

小野拓真さん
小野拓真さん
アキボウ
コーポレート部 マーケティング戦略グループ
小野拓真さん
入社2年目で自転車ブランドはVICCI、ターン、そしてヘルメットブランドのセーフティラブスなどを担当してきたマーケティング担当。普段はクロスバイクに乗る

世界三大デザイン賞の一つであるドイツのレッド・ドット・デザイン賞をはじめ、日本のグッドデザイン賞、台湾のゴールデン・ピン・デザイン賞と、世界の名だたるデザイン賞を受賞したヴィチの「V-01」。2022年に開発プロジェクトが立ち上がり、約1年の期間を経て、2023年4月より国内販売が決定した。小径折り畳みeバイクとしては、ターン、ダホンに続く3番目となり、様々な方向性の自転車ブランドを扱うアキボウでも異色の存在と言える。

機能性をプラスしていく方向ではなく、いかに必要最低限の機能で、初心者でも扱いやすいeバイクにしていけるか、その点が最も苦心した点。そのため、eバイクは生活に彩りを添えるアイテムであり、快適な移動手段を得ることで“日常にスローライフを楽しむ時間を”というテーマを打ち出した。そのことがファーストモデル「V-01」の開発の方向性を決定づける結果となった。

メカトラブルの要因になりやすい変速機能はなくし、シングルスピードにすることで、デザイン的にもシンプルな構造に。手元操作がアシストモードのみとシンプルになったことで、eバイク初心者にも扱いやすいモデルとなった。

リヤハブに組み込まれたドライブユニットは、小型ながら道路交通法の規定に適合した設定。日本人になじむ自然なアシスト力を実現した。3時間の充電時間で、最もアシスト力の強いハイモードで走行距離35kmほど。山手線全線が約35kmなので、ちょうど1周走れる計算だ。ちょい乗りアーバンモデルとうたいながらも、実はそこそこ長い距離を乗ることも、十分可能なのだ。

フォークの延長線上に取り付けられた560mm幅のハンドル、小回りが利きながら安定感のある16×1.75サイズのタイヤ、サドルの座り心地も想像以上にいい。何より、人とは違った未来の乗り物を感じさせる形状が所有欲を満たしてくれる。いつもと違う、力の抜けた時間を手に入れるために、V-01でぷらっと走り出してほしい。

折りたたみ状態
長さ68cm、幅38cm、高さ65cmのサイズに収まる抜群の折り畳み性能。これなら玄関先に置いてもそれほど邪魔にならない
V-01

スマートモビリティ万博「EXPO2025大阪・関西万博」のサプライヤーとして「VICCI」が採用!

ヴィチ・V-01は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の未来社会ショーケース事業の「スマートモビリティ万博」において、関係者モビリティに採用された。

これはV-01の、誰もが直感的に操作できる「シングルギヤ×電動アシスト」というシンプルな構造や、身長や体格、性別などを選ばず、誰もが安心して乗れるバイク設計、多くの人が手にすることができる価格帯など、複合的な要素が評価されたため。

このことによって開催期間中、万博会場内で働くスタッフの移動時に使用されることになる。未来を感じさせる次世代技術・社会システムの実証と実装という意味でも、V-01が会場内で活躍する様子が今から楽しみでならない。

折り畳み方法もラクラク簡単!

折り畳み手順は至ってシンプル。

ペダルを畳み、シートポストを下げる
ペダルを畳み、シートポストを下げる

ハンドルポスト内側の赤いレバーを起こしてロックを解除。大きなレバーを開く
ハンドルポスト内側の赤いレバーを起こしてロックを解除。大きなレバーを開き、

ハンドルポストを倒す
ハンドルポストを倒す

フレームのヒンジ部のレバーを起こす
フレームのヒンジ部のレバーを起こし、

車体を折り曲げる
車体を折り曲げる。その間、僅か10秒ほど

Other model 70年の歴史で自転車・モーターサイクル関連商品で業界をリードしてきた総合商社のアキボウ

アキボウの歴史は、前身の亜細亜自転車交易株式会社が1944年に設立されたところから始まる。当初は国内の自転車関連メーカーと取り引きし、輸出をメインに行っていたが、徐々に海外メーカーの自転車ブランドの輸入を手掛けるようになり、現在、自転車関連の取り扱いブランドは、ダホン、ターン、コルナゴ、フジ、ブリーザー、ヴィチ、シディ、チャレンジ、エコイなど多岐にわたる。

その中でeバイクモデルを扱うのは、ダホン、ターン、フジ、ヴィチの4ブランド。新しく誕生したヴィチ以外は、それぞれ国内でイメージの定着したブランドばかりだが、今後、eバイクといえばヴィチと真っ先に名前が挙がるブランドに成長する可能性もある。

フジ・ファーポイント

様々なシチュエーションで活躍するeバイク
フジ・ファーポイント

価格:37万4000円

グラベルバイクのジャリのフレームをベースに設計されたグラベルeバイク。シマノの電動ユニットを採用。

フジ・モチベーター

フジが考えるスタイリッシュなシティ電動バイク
フジ・モチベーター

価格:28万6000円
※店頭在庫のみ

ダウンチューブにバッテリーを内蔵した、スタイリッシュなアーバンeバイク。Mサイズで重量16.5kgを実現。

コラムカテゴリの最新記事