BESVがeバイクの楽しさと可能性を 3回にわたってお届けする特別連載。第2回はBESVの台湾本社工場に、日本のメディア史上初潜入! これまでのスポーツバイクとは異なる次元の、eバイクの開発の舞台裏に迫る。
BESVのeバイク工場に日本メディアとして初潜入!
プレミアムeバイクブラントBESV について、詳しく知っている人は少ないのではなかろうか? 今回その謎に迫るために台湾のテクノロジー産業の中心地、桃園市にある同社の本拠地に向かった。
新興自転車ブラントとは思えない巨大な オフィスビルに着くと、入り口にはダーフォンと書いてある。そう、BESVは日本でもおなじみの液晶モニターブランドBenQや、キーボード製造の大手ダーフォンなどを擁する15企業からなる巨大企業の電動自転車事業部なのだ。
テクノロジー企業体ならではの技術を用いて行える新事業として2011年に自転車への参入を決め、13年に最初のeバイクであるLX1を発表。以降、その開発規模の大きさを生かして矢継ぎ早に、欧州を中心とした世界中で、BESVブランドのeバイクを投入している。
eバイクの基幹部品であるバッテリーやソフトウエアを自社で開発し、自前の工場で生産している点か既存の自転車ブランドにはないBESVならではの強みだ。今回日本メディアとしてその工場を初めて訪れたか、その生産規模もさることなから、実験設備に驚いた。
自転車としての耐久試験だけでなく、テクノロジーメーカーならではの低温や塩害、耐水実験設備、さらにはモーターの音をテストする音響実験室まで用意しており、その開発規模に驚かされる。
スポーツとシティカテゴリーの両面で、 eバイク市場に攻勢を掛けるBESV。要注目ブランドである。
モーターの静寂性をテスト
手作業での組み立て
バッテリーの放電充電を500回!
専属デザイナーがモデリング
フレーム耐久など品質も管理
超低高温度耐久試験
BESV(ダーフォン社)取締役会長 アンディ・スー氏 インタビュー
BESVがスタートした経緯
毎年末、自転車で台湾各所の山に入って遊ぶという社内行事を行っています。けれど急斜面も多くこぐのに必死で、すばらしい風景を見る余裕もなくつらいだけという人も多くいました。そのとき、IT企業である我々が持っている技術で、彼らをアシストできるのではないか、と考えました。
その後市場を調査し、欧州ですでにはやりはじめていたエコや健康などの要素が詰まっているeバイクが、将来的にメジャーになっていくと考えました。そしてダーフォンとして2010年より、グループの総力を挙げて自転車部門をスタート。これまでブランドを作り、流行させてきた経験を生かして、ビューティ、エコフレンドリー、スマート、ヴィジョンという4つの設計理念のイニシャルから名付けた「BESV」ブラントを確立したのです。
I T企業としての開発力
アップル社をはじめとした世界中の企業との関係があり、美しいものへの設計のノウハウがあります。また、自社でバッテリーを設計できることから、台湾の自転車加工メーカーと連携することで、自由度の高いフレーム設計が可能となるのです。現在までに台湾や日本において、著名なアワードを数多く取ってきました。それは自転車業界ではこれまでほとんどない成果です。 また、バッテリーはシマノのオフィシャルサプライヤーとして世界で3社のうちの1社に選ばれています。
ソフトウエアに関しては、自動でアシスト比率を変えてエネルギーの消費を最適化するスマートモードを開発し、BESVの各モデルに取り入れています。これは他社でもなかなかまねできないシステムではないでしょうか。その他にも自転車とスマートフォンアプリの融合を進めていきます。すでに地図機能、GPSなどともからめ、盗難対策やルートナビも実用化段階です。
eロードバイクの可能性
ロードバイクは他のスポーツバイクよりも、体力やテクニックのハードルが高いです。それをより多くの人に楽しんでもらうためには、モーターが付くというのは大きいでしょう。今後そういったeロードもひとつのソリューションとして市場では歓迎されていくと思います。
まだ現状ではeロードは少ないですが、BESVがそれを変えていきたいですね。