eグラベルバイクがますます装備充実! BESV JGR1.1

今回はプレミアムeバイクブランドであるBESVが、細部をアップデートして発売するグラベルeバイクを、難波ケンジがレポート。

JGR1.1

BESV JGR1.1
コンポーネント/シマノ・GRX機械式11速
バッテリー容量/360Wh
タイヤサイズ/700×40C
カラー/メタリックマラカイト
サイズ/ S、M
重量/17.3kg(サイズM)
価格/41万8000円(標準装備)、45万円(本体+レンジエクステンダー特別価格)

内蔵バッテリーに追加も

BESVからラインナップされるeグラベルバイクは2タイプがあるが、今回紹介するのは完全インチューブバッテリーとリヤハブモーターを採用したJGR1.1。アルミフレームにインチューブバッテリーを組み合わせているが、ドライブユニットがセンターマウント式ではなくリヤハブ式のため、詳しくない人が見ると人力のグラベルバイクに見える流麗なスタイルを実現している。360Whのバッテリーを採用し、一充電航続距離130kmを実現。さらに2025年のアップデートで、セットオプションとして選択できる198Whのレンジエクステンダーバッテリーを搭載することで、65kmの航続距離を追加可能となった。

リヤハブモーターは250Wの最高出力を持ち、完成車重量で17.2kg(サイズS)を実現。バッテリーとモーターを合わせた重量は十分軽く仕上がっている。

フロントフォークはカーボンで、コンポーネントにはシマノGRX410の変速まわりとブレーキを採用。40Cのグラベル用タイヤやフレアハンドルにより、本格的なグラベルライドに対応した仕上がりとなっている。強豪ひしめくアルミフレーム採用のeグラベルカテゴリーで、他にはないインチューブの美しさと、航続距離を両立したモデルだ。

APP BESVアプリからスマート管理が可能

トップチューブに内蔵された新しいHMIは、5段階のアシストモードやバッテリー残量を表示するのみのシンプルな機能。そこに専用アプリを接続すれば、サイコン的なバッテリー情報を含む様々な機能を表示可能だ。車両の自己診断やファームアップも対応する。

ベスビーアプリ

TOPIC 追加バッテリーの「レンジエクステンダー」が発売開始!

レンジエクステンダーバッテリーがオプションで購入可能(2025年6月予定)。バイクへの搭載はマグネットロック式の「Fidlock」を採用しており、ワンアクションで確実に固定できる。筆者もこのマウントを愛用しているが、MTBのダウンヒルでもボトルが飛んでいったことはないので、レンジエクステンダーの装着方法としてはスマートで理想的。

レンジエクステンダー
レンジエクステンダー

-Details-

カーボンフォーク
この価格帯でフロントフォークにはカーボンフォークを採用。グラベル用のタイヤクリアランスと、リラックスしたジオメトリを持ちながら、空力も意識したデザイン
HMI
トップチューブに内蔵されたHMIはボタン一つの極めてシンプルなデザイン。バッテリー残量はLEDで20%単位で確認可能。USB-C端子でアクセサリーに給電可能となっている
コックピット
リラックスしたポジションを実現するコックピットは、フレアハンドルとケーブルのセミインテグレートも実現。グラベルバイクに都会的洗練を併せ持った仕様だ
リヤハブモーター
軽量コンパクトなリヤハブモーターは、ロー側42Tのスプロケットより小さいので、バイク全体のシルエットの中で主張しない形状。アシストトルクは比較的マイルド
GRX410
リヤ11速のシマノ・GRX410をコンポーネントに採用。チェーンリングは40T、ロー側42Tのギヤレシオなので、アシストと相まってグラベルで余裕の登坂力を発揮する
ダウンチューブ
360Whバッテリーを完全に内蔵するダウンチューブは比較的大きなトライアングルを持つジオメトリで、ダウンチューブにダブルボトルも装着できる

-Impression-「オンロードツーリングにも使える快適仕様」

eグラベルバイクであるJGR1.1はフォーク長が長い快適なジオメトリから、まずポジションが快適。そして、大エアボリュームに長めのホイールベースも相まって巡航時の快適性も実に高い。時速24km近くまではアシストがあるので、リラックスしたスピードで巡航していると、非常に快適なツーリングバイクとしてのキャラクターを持っている。センターユニットではないのでスポーティなジオメトリに仕立てることも簡単で、もう一つのグラベルモデルJG1は、そうした特性を持っている。つまりJGR1.1は快適路線を狙ったということだろう。

リヤハブモーターのアシストはマイルドで、登坂時に背中を押されているような自然なアシスト感で、バイクの性格にマッチしている。オフロードに入ると、カーボンフォークがしっかりと路面のバイブレーションを吸収し、アップライトなポジションと共にフレアハンドルでしっかりとバイクを押さえていける。レンジエクステンダーは持ち運んだ先での充電も簡単で、内蔵バッテリーへの給電も可能なため、ツーリング用途での利便性も向上。まさにマルチパーパスeバイクがJGR1.1だ。

難波さん

Rider
難波ケンジ

eバイクの黎明期より20年以上にわたってその変貌を見つめてきた、国際自転車ジャーナリスト。日本にeバイクを持ち込んだ最初の人物として知られる。

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