プレミアムな一台へ、モデルチェンジ! スペシャライズド・ターボ バドSL2

今回は第二世代へアップデートされた、スペシャライズドの注目eバイクを難波ケンジがレポートする。

ターボバドSL2

SPECIALIZED Turbo Vado SL 2 5.0
スペシャライズド・ターボ バドSL2 5.0
カラー/グロスダヴグレー×クールグレーフロスト、サテンディープレイクメタリック×ブラックリキッドメタルフロスト
サイズ/S、M、L
価格/55万円

大容量バッテリーを内蔵

プレミアムな超軽量eバイクの代表格だったスペシャライズド・バドSLが第2世代へと進化した。前作は320Whのバッテリーをフレーム内部に内蔵して適度なトルクの自社開発ユニットと組み合わせて注目を集めたモデル。アップデートの最大のトピックは、その容量を520Whへと拡大し、新型クレオなどにも搭載されるトルクを33%増強した「1.2SL」ユニット搭載したことだ。先代の超軽量さは失われたが、eバイクとしては全方位に進化しており、47Cのワイドタイヤや、20mmトラベルのマイクロサスペンションの「フューチャーショック3.1」もヘッドチューブに内蔵した。

前後フェンダーに、27kgの耐荷重を持つMIKシステム対応のキャリヤ、前後ライトなどアーバン用途で求められる装備も搭載。昨年先行販売されたカーボンフレームモデルに加え、今回アルミフレームモデルが追加となったり、写真の「5.0」で車重は20.11kgとなっている。

ステップスルーモデルも用意し、市場の要望にしっかり応えたラインナップとなっているが、超軽量システムが恋しいというライダーには初代モデルも継続販売されるのもうれしい。

トルクを33%増強した自社開発の1.2SLユニット

1.2SLユニット

スペシャライズドのSLといえば、トルクを絞ることでモーターサイズを小さくし、軽量なドライブユニットを実現したシステム。その次世代型1.2SLユニットでは小型軽量はそのままにトルクを33%向上し、他社のユニットに迫るトルクを手に入れた。

プレミアムなライドをかなえるカーボンモデル

ターボ バドSL2 6.0 カーボン

スペシャライズド・ターボ バドSL2 6.0 カーボン
価格/77万円

カーボンフレームとフォークを採用したハイパフォーマンスモデル。1.2SLシステムや520Whの内蔵バッテリーなどのスペックは5.0と同様で、フェンダーなどの装備が省かれた軽量スポーツ仕様で15.98kgを実現。

ステップスルーも用意するアルミフレームモデル

ターボ バドSL2 4.0 ステップスルー

スペシャライズド・ターボ バドSL2 4.0 ステップスルー
価格/49万5000円

5.0と同じフレーム、フォーク、ユニット等を装備しながら、変速といった一部装備を見直すことで50万円切りを実現したアルミモデル。ステップスルーはまたぎやすく誰でも扱いやすい。

ターボ バドSL2 4.0

スペシャライズド・ターボ バドSL2 4.0
価格/49万5000円

Details

マスターマインドH3
フルカラーのマスターマインドH3はハンドルバーのコントローラーで機能を操作できる新型システム。システムリモートロックやAppleの「探す」機能にも対応しセキュリティを向上
フューチャーショック3.1
ヘッドチューブに内蔵されたフューチャーショック3.1は、軽量でシームレスなデザインを実現しながら、フィットネス用途で求められる快適な走行感を実現
ダウンチューブ
スペシャライズドのeバイクの特徴であるダウンチューブに完全内蔵したバッテリーシステムはそのままに、容量を520Whへと向上。見た目に従来より太くなっているがスタイリッシュ
ブロック付きの47Cタイヤ
ブロック付きの47Cタイヤは増えた車重に対して十二分なエアボリュームで、ちょっとした未舗装路も走行可能。舗装路走行時は、ノイズも転がり抵抗もしっかりと抑えられている
キューズ
11速のシマノCUESをドライブトレインに採用。アルミフレームモデルはフロントチェーンホイールにはチェーンガードも装備。ユニットのトルクが増強されているので急勾配も余裕
キャリヤ
テールライトを内蔵したキャリヤはMIKシステムに対応しており、カゴやバッグなど様々な対応アクセサリーを簡単に着脱可能。リヤフェンダーと一体化したデザインで美しい

-Impression-「圧倒的完成度にうなる新世代eバイクの登場」

「既にサイクリングを楽しんでいるライダーなら、トルクは小さくても良いでしょう」。そんな逆転の発想で登場した先代とは打って変わって、スペック上はよくあるeバイクに見える仕様で登場した新型バドSL。乗ってみるとこれが、先代が大好きな筆者もうなる、走りのeバイク。スポーティなポジションとハンドリング、更に新しくなったフレームは、全体のフレーム剛性のバランスも新世代というべき進化を達成している。eバイクはBBまわりの剛性がありすぎる、と言いがちな玄人も、これなら黙る仕上がりだ。そして「5.0」はアルミフォークにもかかわらず、フューチャーショックによって乗り心地も全く不満のないものとなっている。これだけ完成度が上がったのなら、しっかり峠も上るような長距離のフィットネスライドを楽しみたいものだが、それに応える大容量バッテリーを内蔵しているので、結果的にこの仕様こそがファイナルアンサーだ。

難波ケンジさん

Rider
難波ケンジ
eバイクの黎明期より20年以上にわたってその変貌を見つめてきた、国際自転車ジャーナリスト。日本にeバイクを持ち込んだ最初の人物として知られる。

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