eバイク業界の特徴は新規ブランドが多いところ。それだけにこれまでにない発想から自転車を作ってくるのでスタイルや機能を含めてeバイクには面白いモデルが多いのだ。とくに街乗りをメインとしたミニベロ系ではその傾向が強いのでこのジャンルは「eバイクらしい」モデルが揃っているところ。そこでこのページではサイクルモード2022の「スポーツ eバイクエリア」で見かけたeミニベロを集めてみた。小径車はチョイ乗り用というイメージもあったけど、eバイクなら行動範囲はグッと広がるだけに個性的な部分とあわせてeミニベロは注目すべきモノと言えるだろう。
ホンバイク-オリジナリティ溢れるフォールディングミニベロ




カスタムカーショーのような演出で目を惹く展開をしていたHONBIKE(ホンバイク)。ホンバイクは社名でもあり商品名でもある。ホンバイクは折りたたみ式のeミニベロだが、画像を見てわかるように車体の作りは個性的。前後のホイールは片持ち支持されていて、ホイールの素材は4輪車のレース用ホイールなどに使用されるマグネシウム製で、フレームは型に入れて成形するアルミダイキャストにて製造。駆動はチェーンではなくシャフトドライブというのもほかにはない機構だ。なお、リヤホイールの支持はフレームの役目をするシャフトドライブ構造で受け持つ構造になっている。
ドライブユニットは5段階の出力切替ができる設定で、さらにアシストの特性は出力特性とは別にエコ、ノーマル、スポーツの3つから選択ができる。公称値としての航続距離は35km~47kmと表記されている。バッテリーのスペックは36V 6.0AH/6.0AHのリチウムイオンバッテリー。モーターはフロントハブ内蔵式だ。車体サイズは1560×595×1070(全長×全幅×全高 mm)で、折りたたんだときは970×500×780(全長×全幅×全高 mm)となっている。
(問)ホンバイク https://honbike.jp/
ウィーモ-100kmの航続距離を持つスタイリッシュなeミニベロ



WIMO(ウィーモ)は「COOZY(クージー)」の2022年モデルを展示。クージーは従来からあるモデルだが2022年式はドライブユニットを変更。バーファン製のフロントハブ内蔵式でより高出力なものとした。バッテリーは信頼性重視でパナソニック製を採用。
2022年モデルはディスプレイも変更されていて表示がより見やすいものとなった。また、積算距離だけでなくトリップも表示するので「今日はこれだけ走った」ということが分かりやすくなった。こうした表示はフィットネス的な乗り方をするときにとても便利だ。それに後輪への駆動の伝達はチェーンでなくベルトドライブなので裾幅があるパンツで乗っても油汚れを気にせず済むし、クルマに積む場合も車内を汚さない。軽量な車体と合わせて「ドライブ+サイクリング」という遊びも気軽に行えるだろう。
変速はシマノ製のリヤハブ内蔵3段なので道路状況や体力に合わせて走ることができるところもポイントだ。折りたたみ式ではないが車体サイズは1575×545(全長×全幅 mm)とコンパクトなのでクルマにも搭載しやすい。車体重量は以前のモデルが19kgだったところ18.75kgと少し軽くなっている。
(問)ウィーモ https://www.wimo.co.jp/
アサヒサイクル-人気のフォールディングeバイク「エヴォル」を展示




アサヒサイクルが展開するevol(エヴォル)シリーズはeロード、eMTB、eクロスバイクの販売からスタート。これらの車種は完売となったが2022年からは新たに折りたたみ式のeミニベロ「エヴォルミニ F207」とeシティサイクルの「エヴォル C277」の発売を開始した。
エヴォルミニ F207はバーファン製のH400ユニットを使用しているが制御プログラムはアサヒサイクルオリジナル、エヴォルミニF207にあったアシスト特性としている。シートポストを兼ねるユニークな形状のバッテリーは容量が36V 6.5Ahで最大58kmのアシスト走行が可能。毎日の通勤、通学で不足はなく、休日のサイクリングもこなせるレベル。折りたたみ時はハンドルポスト、フレーム、そしてペダルを折りたためばOK。バッテリーケースを兼ねているシートポストも、フレームから抜くか下げるかをすると荷物をたくさん積んだラゲッジスペースでも搭載しやすくなる。
エヴォルC277はふだん使いでの便利さを追求したモデル。前後のフェンダーに大きめのフロントキャリアを装備。バッテリー容量もあるのでエコモードであれば約112kmのアシスト走行が可能。
(問)あさひ https://www.cb-asahi.co.jp/
GSジャパン-USB端子付きでスマホなどの充電もできるeミニベロ




GSジャパンが販売する折りたたみ式eミニベロの「クロモ CR-F206e」。スマートなフレーム形状なので一見eバイクには見えないが、実はフレーム内にバッテリーが収納される作りとなっている。バッテリーの充電はフレーム前方に付く充電ポートから行うが、バッテリーを外して行うこともできる。取り外す際はフレームのロックを外してフレームを折りたたむことで抜き取れるという作りだ。
モーターはブラシレスDCモーターで、定格出力250Wのリヤハブ内蔵タイプ。バッテリー容量は36V7.5Ahでアシストできる走行距離は30~45km。充電が空の状態から満充電までの所要時間は付属の充電器使用で約5時間となっている。ノーマルモードでも約35km走れるので、毎日乗っても3~4日に1回の5時間充電で済むだろう。
ヘッドライトは標準装備となる。車体サイズは走行状態で1575×565(全長×全幅 mm)で折りたたみ時は780×470×710(全長×全幅×全高 mm)。車体重量は18.5kgと折りたたみ式の20インチeミニベロとしては若干軽い部類。変速は6段。カラーはブラックとシルバーの2色展開で価格は16万5000円。
(問)GSジャパン http://www.gsglobal.co.jp/bike/
ジック-旅先で乗るため持ち運びしやすさを追求したモデル




ジックのブースで注目を集めていたのが軽さとコンパクトさを追求したトランスモバイリーネクストシリーズ。従来は14インチと16インチのラインアップだったが、持ち運びしやすいという基本コンセプトはそのまま、旅先でのロングライドも可能にする20インチが追加された。
サイズは走行形態で1480×530×990(全長×全幅×全高mm)、折りたたみ時は810×500×650(全長×全幅×全高mm)となる。車体重量は13.5kgと20インチのeミニベロとしてはかなり軽い。バッテリーは大きめのスマートフォンのような形状でハンドル部に装着。容量も十分あって最大約30kmのアシスト走行が可能。また、バッテリーサイズがコンパクトなので、スペアを持っていっても荷物にならないことも旅先で乗るeとしては重要なポイント。スペアバッテリーがあればバッテリー切れの心配をせず思う存分走れるし、ギヤも6速あるので「出先での足」ではなくて「しっかりとしたサイクリング」が楽しめる作り。電源のないキャンプ場で買い出しやトイレ、炊事場までの移動手段で持っていくのも便利だろう。価格は11万3000円とリーズナブルな設定だ。
(問)ジック http://www.gic-bike.com/
ロカフレーム-東京発のeバイクブランドがリリースするBMXタイプ



ROCKA FLAME(ロカフレーム)という新たなブランド。eバイクはこうした新規ブランドが多いところが面白い。東京発のeバイクブランドというスタンスを取っているので扱うeバイクも都会で乗って似合うスタイリッシュなモデルとなっている。ここで取りあげるのは「HAYATE(疾風)」というモデル。日本では初めてとなるBMXスタイルのeバイクだ。
ドライブユニットはバーファン製のリヤハブ内蔵タイプでバッテリーは36V9.6Ahで最大200kmのアシスト走行が可能。しかもバッテリーはBB部に収まるようになっているのでeバイクには見えないスタリングとなっている。アシストモードは5段階切り替えだ。
フレームはアルミ製でフロントは油圧式サスペンションを装備。固さの調整も可能。面白いのがハンドルロック。80年代の原付スクーターに使われていたようなステムまわりの物理ロックを装備している。オジさん世代には懐かしく、若い人には新鮮かもしれない。ライトやバスケットなどはオプションで設定。カラーバリエーションはメタリックシルバー、マットブラック、マットファイヤーレッドの3色。車両価格は26万4000円。
(問)ロカフレーム https://www.atmos-tokyo.com/lp/rocka-flame