いい画を探しにeバイクで出発!
eバイクのいいところはたくさんあるが、なかでも小回りが利いて走り出しも、走り続けることも楽であると言う部分は大きなポイントだ。
サイクリングに出かけるとしても、A地点からB地点までドーンと走るのではなくて、気になるお店や横道、風景など目に入ったものにその都度反応するような寄り道重視の内容が似合う。アシストのおかげで止まったり走ったりが苦ではないから、気になったらどんどん止まるべきでもある!?
そうした性質と相性がいいのが、カメラのスナップ撮影趣味だ。この趣味も撮影者の感性に訴えるものに反応してレンズを向けるものだけど、撮影に関する一連の行動と思考はeバイクでのサイクリングでの「それ」とも、かなり高いシンクロ率であった。
そこで今回は、スナップ撮影が趣味のこのお二人、ともに26歳という勝間田さんご夫婦に、eバイクでのスナップ撮影サイクリングを実践してもらった。
東京からクルマで2時間ちょっとほど離れた地域に住む勝間田さんのご自宅から、そう遠くない同県内の高原エリアがこの日の目的地。ダンナさんの翔太さんは買ったばかりのカメラショルダーバッグに愛用のソニーα7Ⅲ入れてを背負い、奧さんの理沙さんは富士フイルム製の小柄なミラーレス機、X-T2を首からかけてスタート。
走り出しこそ通行量がそれなりに多い道だったけど、小さな交差点をクイッと曲がれば目に入るのは、前も後ろも横も広々と開けた高原らしい景色。一気に開放感が増す。でも、まだ序の口、この先はもっといい場所が……と思いきや、二人は早速eバイクを停めて風景に向かってカメラを構えた。
「はい、ここで~」みたいな誘導の必要はなくて自然に出たこの動作、狙ってはいたけどスナップ撮影趣味とeバイクでのサイクリングは、予想以上に合っているようだ。
勝間田翔太さん
愛用カメラ◎SONY α 7III
勝間田理沙さん
愛用カメラ◎FUJIFILM X-T2
取材に協力してくれたのは今年ご結婚されたばかりの勝間田さんご夫婦。何と同じ年齢の幼なじみで、お付き合いの時間もそれだけ長いという映画の主人公のような関係を築いていた方だ。それだけに仲がいいというか、一緒にいることがとても自然に見える。雨予報だった撮影日の天気をも変えてしまう、ほんわかオーラ出てました。
【BESV】eBIKE INFO
BESV JG1
価格:36万3000円
グラベルのアドベンチャーライドまでこなすのがJG1。走破性能を追求したベスビーのJシリーズ。カーボンフォークとカーボンシートポストを採用していることから、路面からの振動が低減。それに加えてフレアドロップハンドルと700×38Cタイヤの装備で未舗装路でのバイクコントロールが容易。キャリヤとフェンダーはオプション。
BESV JF1
価格:25万3000円
機能とデザインを両立させた作りを持つのがクロスバイクモデルのJF1。フレームは軽量なアルミ製で車重は16.1kg。それでいて100kmを超える航続距離を誇っている。ドライブユニットはBESVオリジナルのリヤドライブなので、フレームはスッキリ。撮影車には純正オプションのリヤキャリヤが装備される。
【eバイクと風景】eバイクだから見えた景色がある
現地へ向かう途中、取材班の気持ちはかなりブルーだった。クルマの窓越しに見えるのは真っ白の霧とときおり激しく降る雨。これで撮影など無理、そう思っていたが、撮影で巡る予定のエリアに入ると状況は一変。ウソみたいだけどここだけ霧も雨もない。
その風景がこれだ。曇っているが暗くない。それどころか明るさが一定で撮影向き。でも、影も全くなくなって撮った画がノッペリするなぁと思っていたら、少しのあいだ、雲が切れて太陽の日が差すという具合。キセキだよーと声が出る。
天気すら味方につけた勝間田さんご夫婦、のんびりペースで高原を走る。速度を上げることは造作もないことだが、そうせずまわりを眺めながらのんびり走ってなにか見つけたらストップという具合。
起伏があるところもスイスイ向かう。最初は坂の前でグッと力を入れる感じだったが、上ってみると思わず声が出るくらいスイスイ上れてしまったので、それ以降、ご夫婦は坂を気にすることなく行きたいほうへ向った。
そうして走り回ったけど、最後まで「疲れた」という言葉はなし。それどころか、今日は充実してるぞ的な笑顔が絶えない。eバイクとカメラ趣味、合わせてみたら超ビンゴだった。
勝間田さんご夫婦が撮った「eバイクと風景」
eバイクと風景というテーマで撮ってもらった。翔太さんは露出をオーバー目にして夏っぽく。JF1に跨がる理沙さんの白いTシャツと真っ直ぐの道が生きる。理沙さんはひび割れたセンターライン、アスファルト、緑の草原、山の黒、雲の白と、風景に積層する色の中にJG1を置いた。
のんびりでも行動範囲は十分広くて、のんびりだから見える景色は広かった
(右)景色があまりかわらないのも公言の特徴。そこで道路脇に注目。緑ではない色が見つかる。クルマやオートバイでの移動だと気がつけないものでもある。
(右)こんな風景のなかeバイクでのサイクリング。同行している取材班も気持ちいい。それにゆっくりペースの良さも体感させてもらった。
(右)行き止まりもまた楽しい。遠くの風景を眺めてほっとひと息付く。「今度はキャンプイスやお茶が飲めるセットも持ってきたいね」という会話が聞こえた。