この記事ではちょっと、いやかなりマニアックな内容をお届けする。自動車のCVT(無段変速機)製造メーカーがeバイク(電動アシスト自転車)向けのユニット開発をスタートしたのだ。
静岡県富士市にある自転車部品メーカー「ジヤトコ」が、5月24日〜26日に開催されている「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」(神奈川県横浜市)の会場でeバイク向けのユニットを展示発表した。ジヤトコは日産自動車の子会社でCVT(無段変速機)を設計製造する企業だ。自動車での知見を生かして、eバイク向けの製品開発に乗り出した。

車の業界 100年に1度の変革と言われているこの時代に自動車産業だけでは生き残れないということで、今ある車のCVTを製造設計するノウハウを、他のジャンルにも展開していく。その1つがeバイク用内装変速アシストユニットハブである。アルミのケースに納められているのは、アシストモーターと内装3段変速機。

スポーティーなモデルというよりは、コミューターモデルに採用されることを視野に入れたユニットで、ベルトドライブに対応することで、チェーン汚れを気にせずに使えるバイクのパーツとして採用してもらえるよう開発していく。

最大の特徴は、自転車のフレームエンド幅と、ホイールの内側という限られたスペースの中に、ハブ同軸モーターと内装変速機構をきれいに配置している点だ。各部品を絶妙にレイアウトできるのは、ジヤトコが自動車産業で培ったノウハウがあってこそだという。


今後は メーカーに対してユニットメーカーとしてアプローチをしていく。近い将来このユニットが搭載されたeバイクの完成車が発売されるだろう。