ブランド力があり高品質なeバイクの販売だけでなくユーザーに法令遵守を訴えるフェーズに入ったMATE.BIKEを知る。
自転車大国生まれのeバイクブランド
2024年4月19日、デンマークのeバイクブランドの MATE.BIKE(以下メイトバイク)を日本で販売するMATE.BIKE JAPANは、同社の取り組みや2024年モデルの紹介するプレスイベントを都内で開催した。
さて、eバイクジャパンではこれまでも様々なeバイクを取り上げてきたが、その対象は日本の法規にあうスポーティなモデルとなっていて、いささかカオス状態となっているストリート系のeバイクはあまり紹介出来ていない。
そんなことから、品質や企業姿勢がいいとわかりつつも、ストリート系eバイクの代表格であるメイトバイクとはなかなか縁がなかったが、今回は我々の認識だけでなく、eバイクジャパン読者の方々にもメイトバイクのことを知ってもらうため、2024年モデルの紹介だけでなく、プレスイベントで語られたメイトバイクの取り組みも紹介していこう。
メイトバイクは「乗る人の世界観を広げ、より良い未来を目指す」という思いから2016年に誕生。MATEとは“頼もしい仲間”という意味を持つブランド名である。
メイトバイクの本拠地は北欧のデンマーク。この国は世界有数の自転車大国で、首都であるコペンハーゲンでは市民の数よりも自転車の数の方が多いと言われている。それだけに自転車優先の街作りも進んでいて、道路に設定される自転車専用レーンもクルマと同じ進行方向のレーン(一方通行が決まり)を設けつつ、自転車が3台並んで走れるほどの広い幅を持つ区間もあるそうだ。
また、信号を自転車優先に調整して信号待ちのストレスがなく通勤できるグリーンウェーブという仕組みも整備されているという。このように自転車を使用する環境が整っているので、街でいちばん速く移動できる手段は自転車と認識されているそうだ。
こうした自転車先進国であればユーザーは自然と自転車の品質にも厳しくなる。自動車大国である日本でクルマを選ぶ目が厳しくなっているのと同じことだ。メイトバイクはそのような市場で通用しているブランドだけに、存在していること自体から製品として十分優れているものであることがわかる。日本ではタレントが乗っていることや、ファッション性が高いという点がばかりが目立っていて、eバイクとしての本質はあまり見えていなかったが、本国での立ち位置を知ると、eバイクジャパンを読んでくれている目の肥えた方々にも興味を持ってもらえるeバイクであると言えるだろう。
違法改造車をシャットアウトする日本法人の取り組み
メイトバイクを日本で販売するメイトバイクジャパンは2021年に設立され、現在は東京と大阪に直営店を展開。そのほか全国の協力店舗で取り扱っていて、販売のほかメインテンスや修理などを引き受ける態勢を整えていている。
なお、日本で発売されるモデルについてはすべて日本の法規にあわせた仕様とされているので安心して乗ることのできるものとこと。
ただ、グローバルモデルゆえ「以前発売されていたモデル」では、海外仕様に戻せる改造が可能なモデルもあったが、メイトバイクジャパンでは、そのようなモデルに対してメンテナンスや修理を受け付けない体制を敷いている。なお、現行モデルは違法改造ができないようになっているという。
それに現在では車両を購入したユーザーに対して、交通ルールの紹介やどのようなものが違法改造になるかなども紹介している「メイトジャーナル」という冊子を頒布し、eバイクユーザーの品位向上に努めているそうだ。
2024年のニューカラーを紹介
さて、ここからは2024年モデルの紹介だ。この日、展示されたのは3モデルでまずはメイトバイクの代表するモデルである「メイトX」(39万6000円)から。なお、2024年モデルではスペックに変更はなく、カラー設定の変更が行われている。
メイトXは2018年に登場したもので特徴は20×4インチのファットタイヤを履いている点。ペダルバイクで乗るには太すぎて走行抵抗の面で厳しいものがあるタイヤだが、250Whモーターと40V14.5Ahバッテリーの使用によりイージーに漕げるものとなっている。最大アシスト距離は約80kmだ。
また、エアボリュームの多いタイヤなので路面からの衝撃吸収性も高く、前後に付くサスペンションとあわせて独特の乗り心地を生み出している。
フレームはセンター部分から折曲げができるようになっているので、乗用車のトランクなどにも積めるし、玄関や室内に保管する際も少ないスペースで収まるようになっている。