2023年4月15日~16日に東京ビッグサイトにて開催された「サイクルモード TOKYO 2023」では、スポーツバイクを中心にブース出展や各種のイベントが開催された。eバイクジャパンでは出展されていたeバイクの取材を行ってきたので順に紹介していこう。
スペインのスポーツバイクブランド「ORBEA」から新型eバイクが登場
ロードバイク、MTBと言ったスポーツバイクのジャンルでは世界的に人気のあるブランドが「ORBEA(オルベア)」。そんなオルベアがサイクルモード TOKYO 2023にも出展していた。そしてブースの中心に展示されていたモデルが、2023年9月以降に日本への正規導入が予定されているeロードバイク「GAIN M 10iLTD(ゲインM10iLTD)」だ。
今回はブースを訪れていたオルベアのグローバル・セールス・ディレクターのMr.NICK HOWE(ニック・ハウ氏)に「GAIN M 10iLTD」の特徴を説明してもらった。
ハウ氏によると「GAIN M 10iLTD」は軽量であり重量バランスにも優れているので、オルベアの他のロードバイクと同様に乗ることのできるよう開発されたモデルではあるが、バッテリーとドライブユニットを搭載することで、他のモデルにはない快適さをあわせもっているのが特徴とのこと。
日本ではeロードバイクのユーザーはまだそれほど多くないが、ハウ氏のよると欧州ではコンフォートな面を持ったロードバイクを求める声はとても多いという。サイクリングの醍醐味であるヒルクライムも、キツイながらも仲間とはぐれず「楽しみたい」というニーズだ。
こうしたことからGAIN M 10iLTDのようなeロードバイクが求められていて、現実的に現在のオルベアではeバイクの販売が全体の約半分を占めるとのことだった。
では「GAIN M 10iLTD」のスペックだ。フレーム、フォーク、ホイールはカーボン製で、ドライブユニットはリヤハブ式「MAHLE(マーレ)」製のX20というロードバイク専用設計の最新モデルで出力は360Wh。バッテリーは250Whを搭載。モーターやバッテリーの制御に関しては、マーレではなくオルベアが主導で開発しているので、ロードバイクとしてふさわしい乗り味を実現しているとのことだった。
なお、マーレとは日本のeバイクでは初めて聞く名前ではあるが、クルマ業界では世界的なサプライヤーとして名が知られている企業。日本のeバイク界でいうと「ボッシュ」と同じイメージと思っていいところだ。
こうしたメガサプライヤーはさまざまなテック系企業を吸収していくことで事業をさらに大きく展開して行く傾向だが、マーレもスペインのバイクモーションという企業を買収。クルマの電動化の技術を高めることにあわせて、eバイクの世界にも参入してきたそうだ。
展示車はハンドルがアップタイプだったがこれは前記したようにロードバイクにコンフォートな面を求める層に向けた仕様で、通常のハンドルを選ぶことできるという。
コンポーネントはシマノのデュラエースが使われていたが、このほかにアルテグラ、105、スラムと選ぶことが可能だ。また、本国仕様にはアルミフレームのバージョンもあるそうだ。こちらの日本への導入は未定だが、オルベアというブランドのeロードバイクに乗りたいと思う層は多いだろうから、価格的に手頃になるのなら入れて欲しい気もするモデルである。
そして気になる価格だがこれは未定。ただ現在のレートで、欧州での価格から想定すると約160万円と言ったあたりだろう。カーボンフレームのeバイクであり、コンポーネントにシマノのデュラエースを装備していて、フレームのカラーオーダーが無料ということからみると、このクラスのeロードバイクとしてはバランスの取れた価格設定と言える(高額であることはたしかだが)。現在、9月の導入を目指してはいるが、今どきの世界情勢から多少伸びることもおおいにありうるので、気になる人は、eバイクジャパンやオルベアのウェブサイトなどで情報をチェックして欲しい。