ブルーノ・e-tool いろいろ積め、乗り手と共に進化できるeバイク

ブルーノから「e-tool(イーツール)」が発売された。ライフスタイルの変化とともに一緒に進化していけるeバイクだ。

eツール

e-toolは、長い人生において、ライフスタイル、好奇心、体力などが変化していくことに合わせて、それと一緒に進化していける自転車というコンセプトで作られた。例えば、子供が生まれれば、家族で一緒に幼稚園に送り迎えをしたり、週末はピクニックやキャンプに行くこともできる。また、子供が育ってくれば、自分だけで釣りに行ったり、自転車に乗ること自体を楽しめる。このように、e-toolは、子供が生まれたときから巣立つまでさまざまな仕様にできるeバイクだ。

eツール
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e-toolの開発の初期段階では円形のチューブをフレームに用いていたが、物を積んだときにぐにゃぐにゃと曲がるような感覚があったという。そこで、太い角チューブを使うことで、剛性をしっかりと確保している。

eツールのチューブ

リヤキャリヤは溶接で付けてあり、後付けのものとは違って物を積んだときに揺さぶられるような感覚はなく、自社のテストでは50kgまで耐えられたという。

eツールのリヤキャリヤ

また、子供を安全に乗せられるように両立スタンドが標準装備で付いている。また、重量物が運べるようにホイールには36穴のリムが採用されている。

eツールの両立スタンド
e-toolには両立スタンドが標準で付く

ハンドルはBMXのような形で、小柄な人が乗るときにはハンドルを車体の後ろ側に、大柄な人が乗るときには前に倒すことで、どんな身長の人にも対応する。

eツールのハンドルまわり

e-toolの特徴としてコンパクトさも挙げられる。全長は170cmで、普通のマンションのエレベーターに乗せられるようなサイズだ。屋外ではなく部屋の近くに停めておくこともできる。

ユニットはシマノ・5080H。2021年に登場した新しいユニットで、2.38kgとシマノの中では最軽量のものだ。これにより、e-toolを最も軽量な仕様にすれば18kg台になる。航続距離にも影響し、エコモードであれば130km弱、パワーモードであれば約90km走れる。

eツールのユニット

オプションパーツとしては前カゴ、フロントキャリヤ、フェンダー、片持ちのスタンドが用意されている。適合するチャイルドシートはアーバンイキのイキリヤシートとOGK技研のRBC-015DXだ。これから発売される予定なのが、バッテリーから電源を取る、対向車や歩行者がまぶしくないように配慮されたレザインのフロントライトやリヤライト。また、イエティのクーラーボックスとそれを取り付けるためのマウントや、サイドパネルも準備中だという。

eツールのフェンダー
オプションとして用意されているe-toolのフェンダー

e-tool
価格:27万9950円
カラー:ブラック、ホワイト、グリーン(限定)、シルバー(限定)、サンド
全長:170cm
重量:18.9kg(最軽量仕様)、23kg(子供乗せ+ 正立スタンド仕様)
国家公安委員会 型式認定取得

編集長のe-toolレビュー

eバイク市場が大きくなるにつれて、自転車メーカーのみならず、新興メーカーからもeバイクが発表されることが増えた。
既存の自転車メーカーとそういった新興メーカーの違いで一番感じるのは、下り坂でのハンドリングである。上りや、低速で走っているときにはさほど気にならない、フレームの設計が下りでは大きな差を生むのだ。

今回ブルーノが発表したe-toolは、小径の車輪を採用した積載能力の拡張性が高いモデルだ。一見すると走行性能は二の次という印象があるかもしれないが、荷物が増えたときの安定性において重要になる。
これまでブルーノのバイクというと、華奢なフレームワークが印象的なものが多かったが、eバイクになり、かつe-toolのキャラクターを実現するために、かなり無骨なスタイルになっている。

eツールに試乗する編集長

発表会の後に、東京タワーの周辺を試乗。重い荷物を積んだ時に便利なのが、メインフレームが低く設計されているところ。乗り降りの際に足を高く上げなくていいので、安心感がある。ブレーキはディスクブレーキかと思いきや、Vブレーキを採用。その昔、MTBでも採用されていたタイプで、ディスクブレーキよりも制動力はやや劣るが、軽いしコスト面でも有利だ。e-toolの使い方であれば十分。小径ゆえに重心が低く安定感があり、下り坂でもハンドルがぶれることなく、フォーク周辺に必要な剛性があることがわかる。無骨なタイヤと相まって、パパチャリ的な使い方もできるし、釣り道具を積んで出かけるなど「いい道具」として活躍してくれそうだ。(中島丈博)

eツールのフレーム
eツールのフレームは低床設計だ
eツールのブレーキ
ディスクブレーキではなくVブレーキを採用している

ブルーノとは

スイスと日本のコラボレーションブランド。企画やデザインを日本のダイアテックが行い、ブルーノ・ダルシー氏が技術的なアドバイスをしている。ブルーノ氏はスイスの自転車ロードレース、マウンテンバイク、シクロクロスの元代表選手だ。ブルーノの自転車は旅の道具として作られ、長く使えるように、特に足まわりやフレームなど、自転車の根幹の部分への妥協はない。

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