電動アシスト自転車のバッテリーは、充電回数が増えるほど容量が少なくなり、走行距離が短くなる。とはいえ、交換用のバッテリーは意外と高いので、これを機に新車への乗り換えを検討する方も多いだろう。そこで、都内にある電動アシスト自転車の専門店に、どちらのパターンがお得なのかをズバリ聞いてみた。
昨今の大容量化によって交換用バッテリーはおよそ5万円に

リチウムイオンバッテリーを採用する電動アシスト自転車。スマホがそうであるように、充放電を繰り返すとバッテリーの減り方が早くなり、その分だけ走行できる距離が短くなる。ちなみに、各メーカーがバッテリーの交換目安としている総充電回数は「700~900回」であり、理由としては「充放電をそれぐらい繰り返すと、容量は新品時のおよそ半分になるから」としている。
昨今、電動アシスト自転車のバッテリーは大容量化がトレンドとなっており、それに比例して交換用バッテリーの値段も高額となっている。具体的には、パナソニックの16.0Ahで4万9000円、ヤマハの15.8Ahで4万9940円であり、モデルによっては車両価格のおよそ3分の1である。そんなに高いのなら、これを機に新車に乗り換えてしまおうと考える人がいても不思議ではない。
ライフスタイルの変化に合わせて乗り換えを提案することも
お話しを聞いたのは、電動アシスト自転車の専門店であるサイクルベースあさひ砧公園店の松村広志副店長だ。

「昔は8Ahぐらいが主流だったんですが、今は14~16Ahになって、1回の充電で走れる距離が延びました。それもあって、現実的なバッテリーの寿命が5年ぐらいになっています。自転車を5年も乗り続けると、タイヤやチェーン、スプロケットなど、さまざまなパーツが消耗しますよね。ショップとしてはそれらの交換も提案したいので、見積もりを出すとそれなりの金額になってしまいます(松村さん)」
確かに、タイヤは当然ながら、ブレーキシューもリムの側壁もそれなりに減っているはず。加えて、駐輪環境が屋外であれば樹脂パーツの劣化も進んでいるだろう。
「例えば、お子さんの送り迎え用に子乗せタイプを買ったとします。年少さんのときから乗り始めて、3年後の卒園のころにはもう2人乗りはできなくなります(同乗させられるのは未就学児なので)。子乗せに特化したモデルは車重が30kg前後あるので、それを普段の買い物などに使うには駐輪場での取り回しが億劫ですよね。

つまり、3年ないし5年も経つとライフスタイルが変化していますので、その時々に合ったモデルに乗り換えるというのも一つの手段です。加えて、5年という長いスパンで考えると、電動アシスト自転車そのものも大きくスペックアップしています。以上の理由から、いま乗っている自転車によほど思い入れのある人以外は、乗り換えられるパターンが増えていますね(松村さん)」

バッテリーが安かった時代は交換する例が多かったとのことだが、今はむしろ乗り換えの方がお得という見方もできるだろう。なお、サイクルベースあさひでは、自転車買い取り&リユース販売サービスも行っており、電動アシスト自転車の場合は7年以内のモデルが買い取りの査定対象になる。乗り換えの予算が少し足りないとか、置き場所に困っているなどの人は、こうしたサービスを利用してみてはいかがだろうか。
サイクルベースあさひ砧公園電動アシスト館
〒157-0074 東京都世田谷区大蔵1丁目2−1