通勤、通学がきっと楽しくなる! スマチャリ搭載eバイク「RAIL ACTIVE-e」の走りとは?

通勤、通学がきっと楽しくなる! スマチャリ搭載eバイク「RAIL ACTIVE-e」の走りとは?

スポーツサイクルショップ「ワイズロード」を全国に展開するワイ・インターナショナルは10月下旬に発売予定の新型eバイク「RAIL ACTIVE-e(レイルアクティブe)」のメディア向け試乗会を都内で開催した。

レイルアクティブeを作った人たち
RAIL ACTIVE-eを作りあげたワイ・インターナショナルとホンダのスタッフ。青い服がワイ・インターナショナル側で右が広報の青木さん、左が永平さん。Yシャツを着ているのがホンダ側。左がスマチャリ開発をまとめる野村さん、右が電子制御系エンジニアの服部さん
レイルアクティブe
10月下旬発売予定のRAIL ACTIVE-e。定格出力は250W、車重は15kg。フレームサイズは身長155cm~190cmに対応するよう3サイズ用意している。価格は22万円。2023年7月21日よりワイズロード店舗、及びオンラインストアにて予約が開始される

ホンダのスマチャリシステム搭載のRAIL ACTIVE-e

RAIL ACTIVE-eとは「KhodaaBloom(コーダーブルーム)」製のクロスバイク「RAIL ACTIVE」をベースに、ワイ・インターナショナルが本田技研工業が開発をしたeバイク制御システム「SmaChari(スマチャリ)」を搭載して電動アシスト化した車両。このスマチャリは既存の自転車を電動化するだけでなく、日本の法令に適合した出力制御を行えるので、RAIL ACTIVE-eはあと付けの電動アシスト化車両でありながら、国で定める規定にあった自転車であることを証明する型式認定を取得し、安全で安心して乗れるeバイクとなっている。

既存のeバイクと違って特殊なモデルなので、試乗レポートの前に車体の作りからを紹介しよう。
まずベース車両だがこれは日本のスポーツバイクブランドであるコーダーブルーム製で、同ブランドのRAILというクロスバイクシリーズ内からスポーツバイクのエントリーモデルであるアルミフレームのRAIL ACTIVEをチョイスしている。

レイルアクティブeのマットブラック
会場に展示されていたRAIL ACTIVE-eは3色。これはマットブラック
レイルアクティブeのソリッドグレー
ソリッドグレー。タイトルカットはこの色
レイルアクティブeのダークブルー
ダークブルー。なお、ベースのRAIL ACTIVEにはイエローもあるがRAIL ACTIVE-eに設定されるかはワイズロードへ問い合わせを

ベースのRAIL ACTIVEは、手頃な価格帯でありながら走りのよさを追求したフレームを採用。BB位置を下げることで他車の同等サイズのクロスバイクより約20mmほど長いフロントセンターとした。
こうした作りにより直進安定の優れた特性となり、フラつきが発生しやすい低速域から巡航時までバイクコントロールがしやすくなっているという。
また、使用するパイプ材は強さが必要な部位と、軽くできる部位を解析し、それに応じて肉厚を3段階に変化させる「トリプルバテッド加工」を採用していて、高い剛性を持ちながらロードバイク級の1350gという超軽量なフレームとしている(アルミフレーム)ので、eバイク化したRAIL ACTIVE-eも15kgという車重に収まっていた。

レイルアクティブe
写真はeバイクのRAIL ACTIVE-e。コーダーブルームは日本のスポーツバイクメーカー。ベース車のRAIL ACTIVEは軽量で高剛性なフレームを持ちつつ価格を抑えた良品廉価と言えるモデル。eバイク化するベースとしては適したものだった
レイルアクティブeのレバー
RAIL ACTIVE-eの装備。フロントライトは装備している。シフトレバーはハンドルマウント。ギヤポジションが表示されるタイプ
レイルアクティブeのサドル
サドルはクッション性もあるのでサイクリングにも適していそう
レイルアクティブeのタイヤ
タイヤはMAXXIS DETONATOR(マキシス・デトネーター)でサイズは700×32c。ブレーキは前後リムブレーキ
レイルアクティブeのリヤディレーラー
ギヤは8段変速。変速機はシマノのALTUS(アルタス)

スマチャリ制御による絶品アシスト

このようなベース車に追加されたのがワイ・インターナショナルが扱うドライブモーターやバッテリーなどの電動化キット。こちらはRAIL ACTIVE専用ではなく、他のモデルにも使用できるので、こちらの電動化キットを使うeバイクラインアップの拡充も期待できるものである。

ただし、電動化すればそれでeバイクになるわけではない。日本の法令では時速10kmまでは漕ぐ力に対して2倍のアシストが許可されているが、その速度を超えるとアシスト力は落とす必要があり、最終的には時速24kmでアシストを終了すると決まっている。
そのため車速やペダルをむ力を測るセンサーや、そこからの信号をもとにモーターの使い方は法令にあうよう制御をする必要があるのだ。そしてRAIL ACTIVE-eではそういったeバイク化において核になる部分をホンダのスマチャリが受け持っている。スマチャリの特徴については以前の記事にて紹介しているのでそちらを見てほしい。

レイルアクティブeのモーター
ワイ・インターナショナルの電動化汎用モーター。定格出力は250W
レイルアクティブeのバッテリー
リチウムイオンバッテリーはボトルケージ部に付く。走行時間の説明は今回はなかった
レイルアクティブeのバッテリー
バッテリーはキーで外せるので家のなかでも充電できる。スマホ等への給電用のUSB-A端子付き。反対側の充電端子がある

ロードバイク乗りエンジニアが作った乗り味とは

さて、RAIL ACTIVE-eの試乗だ。制御をつかさどるスマチャリシステムでは、乗り手とのインターフェースとしてスマチャリアプリがある。このアプリは無料でダウンロードでき、自分のRAIL ACTIVE-eを登録すると、スマホがキーになり、アプリを立ち上げないと電源が入らないようになる。
そしてアプリ画面は地図情報のほか、アシスト特性を設定できる機能が設けてある。そこで基本となるのが「AIモード」だ。

AIモードとは走行時の特性(速度域やペダリング状況など)に応じてモーターの介入を意識させないような自然なアシストを行うものだが、乗ってみるとちょっと予想以上の好フィーリングに驚かされた。ペダルを踏んだときのパワーの出方がスムーズと言うだけでなく、強く踏んだときや弱く踏んだときではパワーが発生するまでのタイムラグを変えるので、アシストが立ち上がってもその介入感を上手に隠している。そのためより人の感性に近い進み方を作っているのだ。

AIモードのほかにパワー設定やレスポンス設定をユーザーが決めることができるモードもあって、そちらでレスポンス設定のレベルを変えてみたところAIモードで感じた違いがより分かりやすかった。とはいえこのことは事前に説明を受けていたので「意識して試せた」からここまでわかったのだと思う。前知識がなければ効果があっても気がつかないくらい自然なのだ。

スマチャリアプリ
スマチャリアプリ。画面上にAIモードのスイッチがある。通常はオンにしておくのがベター
スマチャリアプリ
下にパワー設定とレスポンス設定の表示がある。これらはそれぞれ4段階で設定できるが、AIモード時はそれが自動で変わる。走行中はインジケーターが動くので制御がある程度見てわかる
スマチャリアプリ
これがメインの画面。地図とメーター表示だ。 スマチャリはインターネットにつないで使うので、その特徴を生かしてホンダ車用カーナビ機能のうち、道路の危険ポイント(急ブレーキが多いところ)を表示できるようにしている。なお、こうした安全に関する機能は今後も追加していくという

こうした制御を実装できたのはホンダのスマチャリ開発陣にロードバイク乗りがいたからであった。それが前の写真にも写っているホンダのエンジニア、服部さんだ。
この方は年間で約1万kmという距離を走るブルべ勢なので、スポーツサイクルでのペダリングについては熟知しているし、スマチャリを開発するうえで技術者の目線でペダリングのデータを収集し解析していた。
そしてそれらデータをもとにスマチャリでのアシスト特性を作ったのだが、ここでひとつの懸念があったそうだ。それがモーターの仕様だ。

ドライブユニットの制御は数値のデータ作って行うもので、作り込めば繊細な動きまで指示できるようになる。そしてそのデータは電気信号となってモーターを制御するのだけど、モーターを含むドライブユニット側のスペックが細かい制御に対応できないものだと、作り込んだデータが役に立たないことになる。このときホンダがモーターも作っていれば連携して開発できるが今回はそうではない。

しかし、そんな心配は杞憂だった。ワイ・インターナショナルが用意したモーターを含むドライブユニットはスマチャリ側の細かい制御にもしっかり反応できるものだった。
そしてさらに通常ではトルクと速度のセンサーが主体になるところに加速度センサーも追加することで、本格的にロードバイクに取り組む服部さんが考えるアシスト特性をRAIL ACTIVE-eにもたらすことができたのだ。

レイルアクティブeのモーター
RAIL ACTIVE-eには、エンジニアの服部さんが作ったアシスト特性をちゃんと再現することができるドライブユニットが使用されている特性なのでスポーツサイクルに乗る面白みであるギヤチェンジを活用したくなるのだった。

アシストに関してはいい印象だったが、肝心の自転車の部分はどうかというと、今回の試乗ではあまり時間もなかったのでとりあえずRAIL ACTIVEの持ち味である安定感を試してみた。
自転車レーンに具合よく? 設けられていた速度抑制用のポールの間を速度を落とし、交互に配置されている間を抜けてみたが、車体がふらつくことなくスイスイと通過することができた。さらにもっとスピードが落ちるUターンでもふらつきがなく乗りやすく感じた。

レイルアクティブeに試乗
価格帯がもっと上のスポーティなeバイクのような自然なアシスト感。発進時や登り坂では楽もさせてくれつつ、スポーツバイクらしいペダリングも味わえるというものになっていた、また、車体自体の走行安定性もよかった

最後にもうひとつ。今回のコースではeバイクを降りて押し歩きする区間があったが、そこには大きな段差があったので越えるときは車体を持ち上げたのだが、RAIL ACTIVE-eの15kgという重量であれば、ラクラクとは言わないが、それほど力を入れずに持ち上がった。自宅に駐めるときに段差や階段がある場合でも、これなら許容範囲だと思う。

RAIL ACTIVE-eは7月21日より画像にあるワイズロード店舗にて試乗が開始されるので、興味を持った人はぜひ乗りにいってそのフィーリングを体験して欲しい。

レイルアクティブeに試乗できる店のリスト
7月21日より全国のワイズロードにて試乗が開始されるので、RAIL ACTIVE-eに興味ある人はお店へ

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