スペシャライズドのシティ系eバイク「ターボ コモ SL5.0」に試乗

スペシャライズドのシティ系eバイク「ターボ コモ SL5.0」に試乗

世界的なスポーツ自転車ブランド、スペシャライズド(SPECIALIZED)から“シティ系eバイク”の「ターボ コモ SL5.0(Turbo COMO SL5.0)」が登場。詳細を紹介するとともに、試乗してみたレビューをお届けしよう。

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「ターボ コモ SL5.0」の特徴

スペシャライズドはeバイクシリーズのターボ(Turbo)を展開しており、eロードバイク、eクロスバイク、eMTBをラインナップしている。そしてこの「ターボ コモ SL5.0」はシティバイクと呼べるもので、市街地における日々の移動を快適にこなすために開発された自転車だ。

幼稚な表現だが、パッと見た印象はまさに“超かっこいいママチャリ”だ。フロントバスケットに前後ドロヨケを搭載し、ハンドルバーは姿勢を高く・楽にできるタイプのものがついている。ライトにテールランプ、スタンドも搭載し、かなり太いフワフワ系のタイヤも履く。メンテナンスの頻度を下げることに貢献するベルトドライブ&内装変速ギヤを採用し、日々の使用に耐えられる工夫も凝らされる。それでいて洗練された雰囲気を醸し出しており、“究極のシティサイクル”と表現するのがふさわしい一台に仕上がっている。

が、価格はそれなりにする。46万2000円だ(サイズ展開などのスペックは記事の最後に)。この下位グレードとして、一部のスペックを変更した「ターボ コモ SL4.0」があり、そちらは39万6000円だ(こちらもなかなかの価格)。

内装8段変速ギヤ
内装8段変速ギヤを搭載
ベルトドライブを採用
ベルトドライブを採用。注油などのメンテナンスの頻度が下げられ、さびの心配も無用
ライトとテールランプを初期装備
ライトとテールランプを初期装備する
前後に大きめのドロヨケを装備
前後に大きめのドロヨケを装備。特に前輪側はかなり広範囲にタイヤを覆う
フロントバスケット
フロントバスケットを装備する。耐荷重は15kgまで。なお、フロントバスケットとリヤキャリヤを合わせて、車体重量の2倍まで荷物を積むことができるという
パニアバックを取り付けられるリヤキャリヤ
パニアバックを取り付けられるリヤキャリヤを装備する
取っ手
バイクを持ち運ぶときに便利な取っ手が車体上部についている
タイヤは27.5×2.3
タイヤは27.5×2.3(約58mmの幅)とMTBなみに極太だ。タイヤ側面には反射素材が配される
ドライブユニットはコンパクト
ドライブユニットはコンパクトで、一見してこれがeバイクだとは分からないほど
油圧式ディスクブレーキ搭載
油圧式ディスクブレーキ搭載で天候にかかわらず安定した制動力を発揮
頑丈なキックスタンド
頑丈なキックスタンドを初期装備する
ハンドルバーは乗車姿勢が楽になるようにアップライト
ハンドルバーは乗車姿勢が楽になるようにアップライトになっている。デザインも洗練されている印象 ※ベルは試乗用に取りつけているもので、製品には付属しません
スイッチの様子
スイッチの様子。バッテリー残量が目盛りで示される。アシストモードは3段階で変えられる
サドルはフワフワなタイプ
サドルはフワフワなクッション性の高いタイプで、お尻が痛くなりにくい
グリップは握り心地が高いエルゴノミックな形状
グリップは握り心地が高いエルゴノミックな形状

「ターボ コモ SL5.0試乗レビュー」

ターボコモSL5.0に試乗する編集部員
ターボコモSL5.0に試乗する編集部員

乗ってみてまず好印象だったのは、乗り心地の良さだ。かなり太めのスリックタイヤを履いていることから、ふわ〜と進むような、まるで絨毯の上でも走っているかのような感覚で、非常に気持ちが良い。市街地は意外と段差や荒れた路面が多くあるので、そうした場所でもストレスなく走ることができ、街乗りにはこの乗り心地の良さが大きな武器になるだろう。

また、ハンドルのグリップ部分の握り心地も良く、サドルもかなりフワフワしていてお尻が痛くなりにくい。長時間乗っていても手とお尻に痛みは出にくそうだ。それも良い点だと思った。

グリップは握り心地が高いエルゴノミックな形状
グリップは握り心地が高いエルゴノミックな形状
サドルはフワフワなタイプ
サドルはフワフワなクッション性の高いタイプで、お尻が痛くなりにくい

そして肝心のアシストについてだが、非常に滑らかだ。ペダルを踏んだ力に応じて自然にアシストが働くのが良い。これはスペシャライズドのeバイクに共通する利点で、それはこの「ターボ コモ SL5.0」でも健在だった。

ただ一方で、ややアシストの力が弱いかな、という印象を受けた。おそらく自転車自体がかなり重量もあるしタイヤもかなり太いことによると思うが、スポーツ自転車らしいスパーンとした加速や巡航速度を軽やかに維持する性能には乏しい。特に上り坂になるとアシスト力の弱さが出るように感じられ、3つあるうちの中間のアシストモードでは力不足で、常に最大のアシストモードに入れておく必要があると思われた。まあ、このモデル自体がロードバイクやクロスバイクのようなスポーツ走行に重点を置いているわけではないので、それは仕方がないだろう。

ということで、その見た目どおり、日々の通勤・通学、市街地の移動、重い荷物を積んでの移動を快適に、そしてラグジュアリーに、ちょっぴりスポーツ自転車の要素を入れてこなしたい、という人向けの一台だと言える。一般的な日本の電動アシスト自転車では満足できない! 人と違う自転車が欲しい、という人は、手に入れて良いだろう。

SPEC
価格:46万2000円
サイズ:S、M、L
カラー:スモーク/トランスペアレント

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