世界最大級のスポーツ自転車ブランド、スペシャライズド(SPECIALIZED)から、究極の下り系e-MTB「ターボ ケニーヴォSL(Turbo Kenevo SL)」が新登場。試乗レビューをお届けしよう。
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「ターボ ケニーヴォSL」の特徴
このeバイクは、MTBの中でもエンデューロと呼ばれるカテゴリーのもので、ダウンヒルバイクのように険しい下り坂を攻めて走れる性能を持ちつつ、上り坂もこなせるタイプのものだ。
最大の特徴は軽さだ。ぱっと見eバイクとは分からないほどドライブユニットもバッテリーもスマートに内蔵されてスタイリッシュな外観となっており、下り系のMTBながら重量は何と約18.7kg。19kg台のeロードバイクもざらにあるので、それを考えると驚きの軽さと言える。
一方で価格も驚きだ。記事トップにある写真は最高級グレードの「Sワークス ターボ ケニーヴォSL(S-Works Turbo Kenevo SL)」だが、181万5000円だ! セカンドグレードの「ターボ ケニーヴォSLエキスパート」でも121万円する。







1充電当たり最長3時間30分のアシストが可能

アシストモードはエコ、トレイル、ターボの3つ。最長で1充電当たり約3時間30分のアシストが可能で、拡張バッテリーを使用すると最大約5時間まで時間が伸びる。
「ターボ ケニーヴォSL」インプレッション〜素人でもガンガン下れる

第一印象は素人でもガンガン下りを攻めて走れる、ということだ。筆者はMTBに趣味で乗っているが、まだ始めて1年足らずでほぼテクニックは素人レベルだ。そんな筆者でもまるで自分の技術が向上したかのような、気持ち良い感覚でガンガン下りを攻められるのだ。
肝心のアシスト性能について。特徴的なのはなめらかさだ。ペダルを踏む力に応じて自然に・素直にアシスト力が働く感覚は、他ブランドの追随を許さないほどだと感じる。
一方でアシストパワーも不足は感じない。ドライブユニットがコンパクトでバッテリーも入っているのか分からないくらいコンパクトだが、中間アシストモードのトレイルモードでも、結構グイグイと上り坂を進んでくれる。最高アシストモードのターボまで使わなくても、この中間モードで十分なくらいだ。
そして下り性能について。これは第一印象として最初に述べたとおりだが、もう一つポイントだと感じたのは“これがeバイクだと分からないくらい人力のMTBと乗っている感覚・性能が変わらないこと”だ。いやむしろそれ以上と感じる。それはやはり軽い車重と設計の良さによるものだろう。
いやはや、これは乗ったらやみつきになるほど気持ち良いe-MTBだ。正直、他のエンデューロ系e-MTBがかすんでしまうほどの性能だ。がしかし、弱点としては価格の高さだ。お金に余裕のある人ならいいが、さすがに自転車に約180万円、セカンドグレードでも約120万円ポンと出すのは難しい。
なので、もともとMTBに乗っていたベテランライダーで、上りを楽に上って下りを攻めて走りたいと思う人向けのバイクだと言える。もちろん、MTB初心者でも、自転車遊びにこれだけのお金を投入してもいい、投入できる人なら、これ以上はない遊び道具となってくれるだろう。
SPECIALIZED S-Works Turbo Kenevo SL
●価格:181万5000円
●サイズ:4サイズ
●参考重量:約18.7kg
●カラー:グロスカーボン/ブラック/サテンブラッシュドドリームシルバー/ホワイト
SPECIALIZED Turbo Kenevo SL Expert
●価格:121万円
●サイズ:4サイズ
●カラー:グロスクールグレー/カーボン/ダブグレー/ブラック