ここ数年、世界的な風潮だった電動アシストMTB。それが日本でもついに、パナソニックから発売される。人力だけのMTBとは違う「上りを楽しむ」感覚、新ブームの到来なるか!
荷物の重さを感じさせない。 旅の相棒にも最適
電動アシスト付きのMTBが、ついに日本でも発売される。電動アシストの力がオフロードで発揮されるというのは、全てのレベルのライダーに、想像以上の走破性とスピードを、しかも平等に持たせるということだったのだ。それをこの〈パナソニック・XM1〉が実証した。
これまで世界的な潮流ともなっていた、電動アシストMTBことe‐MTBの波。その日本初となるモデルをパナソニックが発売する。走り心地は、これまでのMTBとは違った遊び方を教えてくれる。
まずこれで楽しくなるのは上りである。ペダルを踏み込むと、その力をスイッとサポートし、どんな状況でも踏み抜かせてくれるスポーツドライブユニットのパワーアシスト。これがMTBという遊びをガラリと変えてしまうのだ。近くの里山へ、ちょっと走っていこうと思うとき。ハンドルに付いたスイッチでアシストモードを操作して、平地を走るときにはECOモードで賢く走り、山の中に入ったときにはHIGHモードで全ての上りを平地にする。そんな遊び方ができるようになったのだ。
今そこにある丘をグイッと上れるというのは、それだけでいろんなことの可能性を広げてくれる。峠を越えていくのも簡単に、体力のある人も、そうでない人も同じ スピードで、同じように走れるようになる。女性でも男性でも同じコースを体力差なく楽しめる。電動アシストはつまり、全てのライ ダーを平等にするのだ。
そしてバイクにいろんな荷物を積み込めるバイクパッキングとも、e‐MTBは相性がいい。大きなサドルバッグにたくさん荷物を詰め、リュックを背負わず軽々走れる。重いものを積んでもつらくないのがe‐MTBの良いところ。とにかくこの走破性は並じゃない。ゲレンデぐらいならクグイグイと上っていく。しかも挙動は自転車なのだ。
e‐MTBは、人力MTBとはまったく違う、新感覚で新しい遊びの乗り物だ。電動アシストの特性は上りの急な山にこそ向いていたようだ。こんな乗り物がすぐに買える時代であるのをうれしく思う。
ライダー中村によるインプレッション 「快適なアシスト力で山を遊べる」
結論から言うと「上りが楽しくなる」MTBだ。MTBに関する唯一の残念な要素、上らなくてはいけないこと、がなくなったのだ。ぐんぐん上っていく感じ、これが何より楽しい。そのモーターもバッテリーも、重いといえば重いのだがその重量配分がいいのか、挙動を邪魔する感じはない。
軽く飛んでもみたが、慣れれば操れそうだ。そしてその走りを楽しみ尽くすならぜひHIGHモードに。バッテリーが重いのでフロントが持ち 上がることなく、激坂をグイグイと上っていける。踏めば必ず素直にトルクが出るので、低速や急な地形での走りで実際転びにくくなっている。これはうれしい。ただ重い分、下りは少し自重して。標準でeバイク用の2.2サイズのタイヤが付くが、これをもっと太いものに変えて乗ってみたい。
中村 浩一郎
MTBライダーとして乗り続け、MTBライターとして書き続け25年。MTBも面白いスポーツだけれども、e-MTBになるとまた違った楽しさを味わわせてくれる乗り物だと思った。
普段はロードバイクしか乗っていない 本誌編集部・大宅もインプレ!
MTBに興味はあるけど買うまでは……というロード乗りは多いと思うが、このバイクに乗れば一発でその魅力にはまると感じた。アシスト力がMTBヘの一歩をアシストしてくれるかのよう。近くで試乗会があれば、 ぜひ乗ってみるべき一台だ。
spec.
フレーム●アルミ
フォーク●SRサンツアー・レイドンXC100mmトラベル&15mmアクスル
メインコンポ●シマノ・SLX
ホイール●アルミリム+シマノデオーレ(フロント:スルーアクスル、リヤ:クイックリリース)
タイヤ●マキシス・アイコンebike 27.5×2.2
ハンドルバー●アルミフラットバー(幅580mm)
ステム●アルミ(90mm、-10°)
シートポスト●アルミ
サドル●セラロイヤル・ミロ1402HRN
サイズ●400
カラー●マットチャコールブラック
重量●21.8kg