ヤマハより新たなアシストユニットを搭載したeMTB「YPJ-XC」など4車種が登場

ヤマハより新たなアシストユニットを搭載したeMTB「YPJ-XC」など4車種が登場

電動アシスト付き自転車市場のパイオニアであるヤマハが、2017年の東京モーターショーで公開したeバイク4モデルの発売を正式に発表した。これによりヤマハのeバイクラインナップが、さらに強化されることとなる。

「踏んだ分だけ反応する」エクストラパワーモードを搭載

ヤマハ
「YPJ-XC」 ヤマハ・PW-X完成車価格/35万円(税抜)

1993年に世界で初めて電動アシスト付き自転車を製品化したヤマハ。2016年には国内に向け、電動アシスト付きスポーツバイクこと「eバイク」を他社に先駆けて発売し、市場を開拓してきた。
そんなヤマハが、この2018年の「eバイク元年」に発売を発表したのが、「YPJ-XC」「YPJ-ER」「YPJ-EC」「YPJ-TC」の4車種だ。それぞれ2017年に開催された東京モーターショーにて、他の製品などとともに発表されたモデルであり、今回はそれらの製品仕様が決定したこととなる。
注目なのが、MTBの電動アシストモデルであるeMTBのジャンルに向けて、新たに開発されたアシストユニットである「PW-X」を搭載する「YPJ-XC」。
フレーム開発からパーツ構成に至るまでをヤマハがトータルで設計したこのバイク。BB部に配置されるアシストユニットPW-Xは、これまでのシリーズ内で最軽量である3.1kg。それでいて、高トルク・高出力を誇る。
また、センシングできるトルク数とケイデンス数も従来より向上しており、それによってよりシリアスなスポーツライド時のライダーの動きをアシストにフィードバックできる。
タイヤサイズは27.5×2.25インチと舗装路でも軽快さが損なわれないサイズ感。コンポーネントはシマノ・SLXで統一され、740mm幅のハンドルバーと、トレイルに入っていくには十分な装備だ。

ヤマハ
コントロールパネルでは画面上部の発光色がアシストモードによって変化することで、激しいライド中でも視認性が高い

アシストの性能面では、モード選択に「エクストラパワーモード」が追加されている。これは従来のMTBユーザーでもアシストバイクを楽しめるように設定されたもので、「踏んだ分だけアシストする」ことにこだわったフィーリングを実現した。乾燥した落ち葉で敷き詰められたトレイルであっても、滑ってしまうことなく踏んで進んでいける、「ねばり」のある加速感が味わえ、まるで自分の脚でかけたトルクがそのままパワーとして進んでくれているかのような印象を持たせる。
またフロント三角の設計にも力を注いだと担当者が話す通り、下りでの安定感にも手は抜いていない。細かいアップダウンの連続する区間において、細かい上りや踏みどころでは「エクストラパワーモード」で自分の脚の動きとよりリンクしたアシストを、下りではバイクに任せてダウンヒルをと、トレイル遊びの強い味方となってくれるだろう。

航続距離が大幅に伸び、より新たな遊び方を楽しめる

ヤマハ
ロードeバイクの「YPJ-ER」は、これまでヤマハが発売していた「YPJ-R」がロードバイクの走行感を損なわない軽快さを重視したモデルであったことに対し、航続距離の増加や扱いやすさを目的としたモデルとなる。

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「YPJ-ER」 ヤマハ・PWシリーズSE完成車価格/32万円(税抜)

ドロップハンドルなどスポーティな見た目はそのままに、ダウンチューブに36V×13.3Ahの大容量バッテリーを備える。またアシストユニットも、対応ケイデンスが100rpmから110rpmとなることでより微細なアシストが実現するなどアップグレードされた「PWシリーズSE」を搭載。
同モデルと共通のフレームでありつつ、アップライトな姿勢をとることのできるクロスeバイク「YPJ-EC」、またキャリアや泥除けを標準装備することでロングツーリングや日常使いなどにも活躍する「YPJ-TC」。こちらの2モデルとも合わせての仕様として、油圧ディスクブレーキにスルーアクスル、またバッテリーより給電できるフロントライトなど、パッケージとして現在の最新トレンドを押さえた。

先述のYPJ-Rに対してはやはりハンドリングの軽快さは劣ってしまうものの、アシストがありきのもののため、加速感には不満はない。何よりもその航続距離がプラスエコモードで最大242km(YPJ-ER)となると、これまでとはまた異なる使い方ができるようになるだろう。
今回の4モデルの発表によって、2018年にヤマハがラインナップするeバイクはあわせてこれまでの2タイプを合わせて6モデルと、他社に一歩抜きん出た選択肢を持つこととなる。
ヤマハとしては、このeバイクの市場は今後長いスパンで伸びてくるマーケットであり注力していくと話しており、それは国内発の電動アシスト自転車を製品化したメーカーとしての自負を思わせる姿勢でもある。これまで一般車タイプの電動アシスト付き自転車ユーザーや、スポーツバイクユーザーに向けての新たな選択肢として、重要な存在になっていくこととなるだろう。

ヤマハ
今回の4モデルは全てフレームサイズを3サイズ用意。メーカーが製品化する際に型式認定をとる必要がある電動自転車において、このバリエーションを持つのは流石

spec.

・「YPJ-XC」 ヤマハ・PW-X完成車価格/35万円(税抜)
フレーム:アルミ
フォーク:ロックショット・レーコンゴールド120mm
ドライブユニット:ヤマハ・PW-X
メインコンポ:シマノ・SLX
タイヤ:マキシス 27.5×2.25
サイズ:S、M、L
重量:21.2kg(Mサイズ)
1充電あたりの走行距離:225km(プラスエコモード)、148km(エコモード)、108km(スタンダードモード)、90km(ハイモード)、85km(エクストラパワーモード)
リチウムイオンバッテリー容量:36V-13.3Ah
充電時間:約3.5時間
・「YPJ-ER」 ヤマハ・PWシリーズSE完成車価格/32万円(税抜)
フレーム:アルミ
フォーク:アルミ
ドライブユニット:ヤマハ・PWシリーズSE
メインコンポ:シマノ・ティアグラ
タイヤ:700×35C
サイズ:S、M、L
重量:19.6kg(Mサイズ)
1充電あたりの走行距離:242km(プラスエコモード)、152km(エコモード)、111km(スタンダードモード)、93km(ハイモード)
リチウムイオンバッテリー容量:36V-13.3Ah
充電時間:約3.5時間
・「YPJ-EC」 ヤマハ・PWシリーズSE完成車価格/26万円(税抜)
フレーム:アルミ
フォーク:アルミ
ドライブユニット:ヤマハ・PWシリーズSE
メインコンポ:シマノ・ソラ
タイヤ:700×35C
サイズ:S、M、L
重量:19.8kg(Mサイズ)
1充電あたりの走行距離:222km(プラスエコモード)、148km(エコモード)、109km(スタンダードモード)、89km(ハイモード)
リチウムイオンバッテリー容量:36V-13.3Ah
充電時間:約3.5時間
・「YPJ-TC」 ヤマハ・PWシリーズSE完成車価格/30万円(税抜)
フレーム:アルミ
フォーク:アルミ
ドライブユニット:ヤマハ・PWシリーズSE
メインコンポ:シマノ・アセラ タイヤ:700×35C
サイズ:S、M、L
重量:22.6kg(Mサイズ)
1充電あたりの走行距離:237km(プラスエコモード)、153km(エコモード)、112km(スタンダードモード)、91km(ハイモード)
リチウムイオンバッテリー容量:36V-13.3Ah
充電時間:約3.5時間

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