eバイクのMTBで走る 「スペシャライズド レース デイ 3時間耐久レース」レポート

eバイクのMTBで走る 「スペシャライズド レース デイ 3時間耐久レース」レポート

2022年12月11日に千葉県木更津市にある「木更津ユーポート」にて、スペシャライズド厚木及びスペシャライズド自由が丘を運営するSBC主催のMTBイベント「スペシャライズド レース デイ 3時間耐久レース」が開催された。

来春オープンのオートキャンプ場&MTBコースとは

会場となった木更津ユーポートは2023年春にグランピングエリアもあるオートキャンプ場としてオープン予定の施設。現在はラジコンヘリコプターの飛行場としても使われていて、その全国大会が開催される場所でもある。
都内からは東京湾アクアラインと館山道の利用で約2時間あれば到着するという立地で、オープン後は人気のスポットになることだろう。
そんな木更津ユーポートのプレオープンイベントして開催されたのが「スペシャライズド レース デイ 3時間耐久レース」である。

グランドキャニオンSクロスオーバーとeMTB
木更津ユーポートは海外のプレミアムキャンピングカーの輸入販売も手がける三厚という企業が運営。画像にあるのは同社が扱うハイマー・グランドキャニオンSクロスオーバーというモデル。めちゃくちゃカッコいいキャンピングカー
木更津ユーポート
とにかく敷地が広い木更津ユーポート。実際にはこの画像に写る範囲の倍以上の面積がある。春にはグランピングエリアもあるオートキャンプ場としてオープン予定。東京からのアクセスがいいのも特徴だ

eMTBエクスペリエンスセンターが誕生?

SBC代表取締役の米倉さん
こちらが主催のSBC代表取締役 米倉さん。開催への尽力に加え、自ら重機を動かしてこの日のためのコースを作ってくれた方

主催のSBC代表取締役の米倉さんによると、木更津ユーポートを所有するKABE JAPAN(カーベジャパン)の社長さんはeMTB好きな方であったことから米倉さんにeMTBを活用できるアイデアを求められたという。そこで米倉さんから提案したのが常設コースの設置だった。そして実現したのが今回のイベントで、今後は正式なコースを作り、eバイクのエクスペリエンスセンターにしていくとのことだった。これはeバイク乗りにとって大きなニュースなので木更津ユーポートの今後の展開にもぜひ期待して欲しい。

「スペシャライズド レース デイ 3時間耐久レース」

「スペシャライズド レース デイ 3時間耐久レース」はペダルバイクが走るクラスのほかに、eMTBクラスが設けられている。そこでeバイクジャパンではeMTBクラスを中心にレースの概要をレポートしていこう。
今回走るコースは暫定版として作られたもので距離は約2.5km。スタートゲート周辺はフラットな地形で脚力が必要なパートだ。

マーク・マルサードさん(右)と周さん
レースにはゲストとしてアメリカ スペシャライズドからディレクターのマーク・マルサードさん(右)と、スペシャライズドの協力企業である台湾 FJ社から会長の周さん(左)が訪れた
スタート地点付近を走る参加者
1周が約2.5kmの周回コース。スタート地点付近は石が多く締まったフラットな路面。楽に走れそうな感じもするがスピードが出せるので実は疲れる区間

コース中盤から後半はテクニカルなセクションとアップダウンがあるというメリハリのあるレイアウトになっていた。
とはいえ、キツイ上りが続くようなコースではないので初心者でも対応できるものである。そして上級者にはスピード感を持ったテクニカルな競い合いできることから、今回のコースへの参加者の評価は良好だった。ちなみにこのコースは主催のSBC代表取締役 米倉さんが自ら重機を動かし、数日かけて作成したものということ。これもまたすごい話である。

コース中盤の上り
コース中盤にある滑りやすい路面で勾配がきつめの上り。加えて道幅が狭いので前のライダーにつまりやすい。今回の難所のひとつになっていた
急勾配を下る
急な勾配。バイクの乗車姿勢では真っ直ぐ落ちるような感覚とのこと。難しいセクションゆえに転倒シーンもあった

eMTBエントラントを紹介

ここからはeMTBクラスのエントラントを紹介していこう。まずはeバイク専門店の「代官山モトベロ」から3人のスタッフで組まれたチーム。持ち込んだeMTBは3機種。スペシャライズドのLEVO SL EXPART、メリダ eONE SIXTY500、コラテック E-POWER X VERT CX。どれもバリバリの現行型だが、これはeMTBを検討するユーザーにより詳しくバイクの特徴を伝えるためのこと。レース時のレポートは代官山モトベロのHPにアップされているので、そちらも見て欲しい。

代官山モトベロチーム
代官山モトベロチームは3名体制でエントリー。取材でもお世話になる中島さん、榎本さん、村上さん

こちらはeMTB3名クラスで優勝となったチーム。皆さん、自転車の趣味歴は長く、ロードバイクにも乗っているという。以前はペダルバイクのMTBに乗っていたが、やはり上りがつらいことからeMTBに乗り換えたとのこと。その結果、乗り出すときの気持ちのハードルが下がり、気軽に走りにいけるようになったそうだ。eMTBにしてもペダルバイクにしても「乗ってナンボ」のものだけに、出かける気になるeMTBは自転車の趣味を続けるのに適した乗り物と言うことである。

マツハシさん、シブカワさん、クドウさんによるチーム
マツハシさん、シブカワさん、クドウさんによるチーム(注:メンバー名はエントリーリストに記載されたカタカナ表記にあわせてます。以下同)

マツミさんとシノザキさんのペアでeMTB2名クラスに参加。お二人ともに以前はオフロードオートバイでトレイルランをしていたそうだが、近年はオートバイが乗り入れできる林道も減った。そこでオートバイに変わる遊びの道具としてeMTBに乗り始めたということだった。ペダルバイクも考えたそうだがeバイクの方がオートバイの感覚に近く、走破性も高いことからeMTBになったという。体力的に厳しいトレイルラン、翌日の仕事に影響が出ないようにするにはeMTBがいいのだ。

マツミさん、シノザキさんチーム
マツミさん、シノザキさんチーム。レースはマイペースで周回を続けて完走を果たした

SBC湘南藤沢店の中島店長とお客さんで組んだチーム。お客さんはふだんロードバイクに乗っていてeMTBに乗るのは今回が初めてということで「乗るのが楽しみ」と言っていた。中島店長によるとeバイクの売れ行きは好調だそうだが、人気なのはふだん使いでも便利なクロスバイク。eMTBにも興味を持ってくれているがこれからという感じとのこと。ただ、「スペシャライズド レース デイ 3時間耐久レース」のようなeMTBを楽しむ場が増えてくると人気が出てくるはずということだった。

イシカワさん、ヒトスギさん、中島店長のチーム
イシカワさん、ヒトスギさん、そして中島店長のチーム

こちらは親子チーム。お父さんは元アメリカンフットボールの選手で、息子さんは現役高校球児というパワープレイが可能なチームだ。車両はキャノンデールのエディション1。お父さんもがんばっていたが、主力はやはり息子さん。野球で鍛えているだけにペースは速く、テクニカルセクションではバイクを操る体捌きがしなやかでカッコいい。この点は他の上級者に負けない印象だった。そしてレース結果もeMTB2名チームのクラスで3位をゲットするという好結果、さすがです。

アサイさん親子チーム
アサイさん親子チーム。親子ともにスポーツマンで、レースも見事、クラス3位に入賞している
上り区間
eMTBの強みは上り区間。前が詰まったり、追い越しがあると避けるために坂の途中でクランクを回す力を抜いたりすることもあるが、eMTBならそこから挽回も容易
柔らかい土の路面を走る
約2.5kmのコースはフラットでしまった路面から始まる。中盤から終盤までにアップダウンと柔らかい土の路面が出てくるのでここでテクニックと体力の差が出る
追い抜き
全般的に道幅が狭いのでペースの速い人は前走車に対して「右から抜きまーす」などの声がけをしてクリーンに安全に周回。eMTB勢は序盤こそ目立っていなかったが、ペダルバイク勢に疲れが見えてくると、この声がけを「する側」になっていた
足首に計測器を巻く
足首に計測器が巻かれている。ライダー交代のときは計測を次の人の足に巻く
フィニッシュする参加者
そして3時間経過。eMTBクラスに参戦したチームにリタイアはなく、みんな笑顔でチェッカーを受けていた。レースなので順位は付くが、走りきった満足感は全員同じの「最高」であったことだろう
eMTBソロクラス表彰式
eMTBソロクラス表彰式
eMTB2名チーム表彰式
eMTB2名チーム表彰式
eMTB3名チーム表彰式
eMTB3名チーム表彰式
じゃんけん大会でフレームを手に入れた参加者
レース終了後は表彰式のほか、なんとS-WORKS STUMP JUNPERのフレームセットが賞品となったジャンケン大会も行われた(しかも2本!)

eバイクジャパンではeバイクが参加できるイベントの取材を続けていきたいので「こんなイベントがあるよ」と教えていただける方は、eバイクジャパンのTwitterFacebookから連絡をぜひお願いします!

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