マウンテンバイクの嫌なところが全部なくなる! と乗ってもらう人たちに評判のフルサスeMTB。その通りeアシストがあると、これまでとは全く違ったMTBライディング体験が味わえる。行きつけるパークも変わってきた。今日はフルサスeMTBで走ってこそ楽しいパークの紹介だ。
eMTBだともっと楽しいMTBパークライド
僕は今静岡県富士市に住んでいるのだが、ここから近くにいろんなマウンテンバイクのパークがある。この夏は暑かったので、そんなに乗り込まなかったが、それまでにeMTBで結構走りに行った。主にMTBパークがメインだったが、フルサスeMTBで走って楽しかったところを紹介しよう。冬もオープンしているパークばかりだ。もし雪が積もっても、太いタイヤでアシストがついたフルサスだから、たぶん走って楽しい。
フジヤマ・パワーライン・トレイル
日本の誇る富士山をeMTBで走りまくる!
*パークデータ
https://www.tepco.co.jp/pg/company/summary/office/shizuoka/MTB/index-j.html
住所:静岡県富士市桑崎周辺、集合は『富士山こどもの国』オートキャンプ駐車場 https://maps.app.goo.gl/xB4FiZ2kTacYN65u9
料金:2200円(1日)、学生(大学生以下)1100円、小学生以下(保護者同伴)無料
営業日:土曜、日曜、祝日(要予約)
フルサスeMTBで走りやすい度:★★★★★
フジヤマパワーライントレイルは、富士山の山麓を東西に7.7km走るトレイルMTBパークだ。関東の電力を担う東京電力パワーグリッド社が、富士山麓の送電線下の作業道をMTBで走りやすいトレイルにしたものだ。
富士山の溶岩地形、その上に樹木が培われた裾野にあるトレイルを走る。自然の地形、MTBでこそ走りやすいトレイルをワイルドに走っていくタイプの走り心地だ。路面は荒れめでラフめだが、MTBを楽しめる技術があればいけるはず。
下り基調のコースだが、登り返しや沢渡りなど難しいセクションが繰り返す。そこがフルサスeMTBの出番、路面を掴んでグリグリっと行けるので、足をつかなくてもクリアできる。まるで気分はラリー系のライトアドベンチャー。技術があれば、脚を一回もつかずにコースをクリアできるだろう。また自走の上り返しもアシストがあれば疲れずよし。一日3本イケるかな?
トレイル自体はMTBで走りやすいように設備を整えていて、その設備を見るのも楽しい。送電線での記念写真もいいが、途中途中の景色も素晴らしい。富士山はスタート地点1箇所しか見えないので、チャンスは逃さないように。
日本の誇る富士山を、裾野の部分だがMTBで走るという夢が叶うフジヤマパワーライントレイル。ペダルMTBでも確かにいいが、ぜひフルサスeMTBでオートバイのように走ってほしい。2023年現在、フルサスeMTBで走っておきたいMTBパークのNo.1である。海外のトモダチにもフジヤマ走ったぜと胸はって言える。
この場にレンタルフルサスeMTBはないが、同じ富士市内のそう遠くないところにある《富士市サイクルステーション》で、レンタルフルサスeMTBを借りられる。~4000円(1日)と手頃、メリダのe-One-Sixty 800 が狙いたい台だ。こことセットで利用してみて欲しい。
ミリオンペタルバイクパーク
eMTBで味わい尽くすヤマハのお膝元パーク
*パークデータ
公式サイト:https://sites.google.com/view/millionpetalbikepark/home
住所:静岡県周智郡森町三倉2167-1 https://maps.app.goo.gl/GZfQ6ZdRUkCop5Vv9
営業日:土曜、日曜、祝日(要問) 悪天候日はクローズ
料金:1日 大人2000円、高校大学1000円、中学生以下無料
フルサスeMTBレンタル:あり 6000円
フルサスeMTBで走りやすい度:★★★★
ヤマハ発動機のメンバーによる同好会から始まったミリオンペタルバイクパーク。椎茸山の紅葉樹林を使い、MTBパークとして資源活用。法人設立にまで至ったパークである。ライダーのライドへの情熱からビジネス化に至り、現存している。
そんな成り立ちであるから、コースもアツい。ベースとなる駐車場から自走で登っていくと、山林にいくつもコースが作られている。メインコースが『FASTER TODAY』、ショートダウンヒルコースだ。コーナーやバームが続く3次元フロー系のレースコースで、しかもデュアルコースになっている。友達とレースだってできる。ここを走るにはフルサスバイクの速さが必要だ。ただダウンヒルというぐらいあって、繰り返すには上り返しにちょっと距離がある。この上り返しが、言うまでもなくeMTBがいい。ずいぶん回数をやれる。
また奥にはダートジャンプなどスキル系のセクションもある。初級者ラインであれば、フルサスでも十分に安全に遊べる作りだ。特にトレイル系のパンプラインでは、アシストの加速をうまく使えば飛べるところもあるなど、攻め甲斐がある。
またクロスカントリーを意識した上りを含んだコースもある。だがこの上りもeMTBで走ることも考えているという、上りながら曲がるコーナーがきつい。ただアシストがあると、そのパワーでぐいっとクリアできるのが気持ちいい。ワールドカップXCライダーの気分だ。
パーク運営のコアメンバーがヤマハ発動機の社員であることから、パークの造りもある程度eMTBでの走りを意識しているはず。実際に走った感覚ではそうである。実は僕がMT-Proを購入したのは、ここでレンタルバイクで走ってみて、その気になったからだ。あなたもそうなれるかもしれない。
フォレストバイク
上下左右のフローを存分に味わえる都心型eMTBパーク
*パークデータ
公式サイト:https://www.forestbike.jp
住所:神奈川県小田原市荻窪 https://maps.app.goo.gl/tMGtarzdJ8sfEZ8u6
営業日:水曜、土曜、日曜、祝日
営業時間:10:00(開場 9:00)~16:00(閉場 16:30)
料金:4000円(1日)、3000円(半日)
フルサスeMTBレンタル:あり(Specialized ターボエクスペリエンスステーション)8000円〜(半日、走行料込み)
※フリーライド利用には初回安全講習の受講が必要
フルサスeMTBで走りやすい度:★★★★
eMTBのアシストが活きるのがここ、フォレストバイクだ。走って気持ちいいフロー系の自走コースが、練習にもなるし森林浴にもなる。都心からもアクセスが良いこともあり、フルサスeMTBに乗る人に、他のパークよりもここで多く会う。平日の水曜日に走れることもあるかもしれない。
僕のメインコースとなるのは『山の神エリア』。バームが続く下りの中でのジャンプが2コースある。上り返すのは当然だが、その上りトレールも楽しく走れる。上りも含めた繰り返しで、心拍数が上がっていく。有酸素の運動域で繰り返すジャンプ練習は、体が動くし意外に長持ちする。ランディングの形もいいので、フルサスで飛ぶ練習にもいい。
上級になるほどコースの速さとセクションの距離がフルサス向きだ。スピードを楽しみながらバキュンとやりたい。そのためにも速さの中で安定して挙動になるフルサスeMTBは走りやすい。上り返しの楽さは言うまでもない。
またレンタルバイクにスペシャライズドのフルサスeMTBがあるが、これにはエクスペリエンスセンターとしての予約と支払いが必要となる。パークの走行料も込みでのセットもあるので、高級車をお得にレンタルできる。持っていない友達と行くにも最適だ。
トレイルアドベンチャー・フジ
家族全員で遊べるコース配置と設備
*パークデータ
公式サイト:https://trailadventure.jp/access/fuji
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6662-1 https://maps.app.goo.gl/PeZwYDPw2V2cTpie6
不定休、営業時間:9時~日没(冬季は10時~)
料金:利用料2500円
フルサスeMTBレンタル:あり 3800円
フルサスeMTBで走りやすい度:★★★
トレイルアドベンチャー・フジは、2023年にリニューアルしたアウトドアフィールド。この中にMTBフロー系トレイルがあり、バーム&ジャンプの動きが楽しめる。
上りをゆるく、長く取って子供でも上りやすくしている。そのため上っている時間を長く感じてしまう。そこはeMTBでさらりとこなし、下りのセクションだけをやるというのがいい。
コースディレクターは、3D系コースを知り尽くしたライダー浦上太郎。走っているうちにキッカーなどのセクションも見えてきて、想像力で遊べるMTBライン取りを味わえる。いくつかコースがあるが、上級者向けのレッドトレイルがやはり楽しい。周囲を回るブルートレイルも、eMTBの加速でセクションとして遊べる箇所があって良い。
他にもさまざまなアウトドアアクティビティがあり、自分が乗る間も家族が楽しい時間を過ごせる。アミューズメント系パークだ。
近くにはパンプトラックでお馴染み『オンシリン・バイクパーク』もあるが、こちらはリヤサスのないハードテールMTBの方が楽しく走れそうだ。
DKフリーライドパーク
繰り返しても辛くない、eMTBは集中力の強い味方
*パークデータ
公式サイト:http://www.joyridemtbpark.com/park/
住所:静岡県沼津市足高尾ノ上222-1 愛鷹運動公園内
営業日:土曜、日曜、祝日
料金:スキルパークとエアバッグのセット4000円、スキルパークのみ3000円(地元・学生割引1000円引き)
フルサスeMTBレンタル:なし
フルサスeMTBで走りやすい度:★★★
DKフリーライドパークは、トレイル系のパークではない。ジャンプをメインとしたいわゆるスキル系パークである。セクションの練習として、あるいはただ上下の動きを楽しむだけでも、特に他のパークが閉じる冬場に利用者が増える。
ジャンプがメインなので、確かにハードテイルの方がいい。ただここはMTBでの利用が多く、訪れる多くのライダーもストロークの長いフルサスMTBで飛んでいる。アプローチが下りなのでスピードが乗せやすく、コースデザイナーの高橋大喜氏によるコース設計がいいからだ。
そこでフルサスeMTBでしっかり乗り込んでみたが、これが調子いい。繰り返す上り返しをアシストしてもらうのが、こんなに集中力が持つとは思わなかったというほどの元気ぶりである。軽いバイクに乗っている時とは大違いだ。
元気が続くので、つい繰り返し練習してしまう。フルサスで重くなって速くなったスピードと飛距離に慣れながら、ジャンプのコツを一つ一つ確認していく。立ち気味の上級ジャンプじゃなく、中級レベルの実際のトレイルにあるセクションを上から下のパンプトラックまで繋いでいく、なんていう体力風遊びもできる。eMTBじゃないとできない。
ハードテールのeMTBでも悪くないが、ここはやはり安全にリヤがグリップするフルサスeMTBで走り込みたいところだ。高速道路からのアプローチもよく、冬でも雪はほとんど降らない。
Sトレイル
冬場の虎の穴、ダウンヒルもeMTBも存分にイケる
*パークデータ
公式サイト:https://s-trail.lovespo.com
住所:静岡県静岡市清水区
営業日:12月より4月まで、詳細はウェブサイトで確認
走行:要予約
料金:非会員の方はフィールド維持協力金として1人2000円/1日
1日の入場は10人程度を予定
フルサスeMTBで走りやすい度:★★★★
Sトレイルは、静岡県清水区にある冬しか走れないダウンヒルパークだ。会員制だが会員ではなくても走れるため、冬場には多くにダウンヒル好きが訪れる。
ここのコンセプトは「一般の里山や営利営業のフィールドでは難しいドキドキするようなセクション」を楽しむというもの。下り斜面にはビデオで見るようなセクションが続き、道路を飛び越すドロップダウンなども多い。中上級者以上の本格的ダウンヒルライダーなら走っておきたいコースとして有名だ。
それだけの技術がなくても走れるラインはある。このSトレイル最大の難所は、串刺しドロップとの異名もある巨大なロードギャップ、ではなく、やはり上り返しである。坂を上り返すか、軽トラなどでの搬送を頼まなくてはならない。
そこでeMTBだ。これ以上付け加えることはないが、このSトレイルはヤマハのMT-Proを開発するにあたってのテストコースになってもいたと聞く。確かにメインコース脇にあるループコースも、eMTBだと上り返しのリズムがいい感じだ。バームの出口がいい感じで上りに続き、アシスト加速してしまえば、そんなに速度が落ちない。
というダウンヒルバイクでは楽しみにくいeMTB向けコースもある、現代MTBでの初級者と中級以上とを分けるこのSトレイル。いよいよ12月オープンだ。
冬場のスキル練習、eアシストで無尽蔵の体力に
以上、eMTBで走って気持ちいいパーク6つをご紹介した。基本的には自走での登りをeMTBに置き換えるだけで、かなりの体力がセーブできる。走っている最中は「俺体力無尽蔵?」みたいな勘違いができるのも嬉しい。また疲れで集中力が欠けないのも良い。特に繰り返し上り返したいスキル練習では、本当に回数が増やせるのでおすすめだ。
なお、ゲレンデ式MTBパークである『ふじてん』と『富士見パノラマスキー場』は、eMTBであるメリットはあまり感じなかった。もちろんちょっとした疲れが軽減できるし、eMTBの重さがあるのでまた違った走りと速さになる。
モーターが付いていなくても下りの地形とセクションとの関係がよくできているので、楽しいところを遊べるのだ。ただ、白馬岩岳のように、セクションの直前でもう少しスピードが欲しい、となった時は、eアシストがあるとギヤ次第で速さがグッと増す。このeMTBならではの加速力を使いこなせるよう、もう少し操作の慣れを進めていきたい。
まだフルサスeMTBでは行っていないけれど、ぜひ走りたいのが東京都のスマイルバイクパークだ。他にも冬場にフルサスeMTBで走って良さそうなところがあったら、この冬走りたいので、ぜひ教えてください。instagram: @denpasonic