モーターサイクルツーリングでは何度も経験しているキャンプだが、eバイクの旅では未体験。いつかやろうと思いつつ時が経ち、気が付くと秋になっていた。夏に比べると虫も少ないし、テント内がサウナみたいに暑くなることもない、まさにベストキャンプシーズン。行くなら今でしょということで、キャンプツーリングを決行することにした。目指す場所は自宅から約70km、奥多摩にある氷川キャンプ場だ。
まずは持っているキャンプ用品をチェックする。まずはテント。世界ツーリングや日本一周など長期間使用する場合は信頼のおけるメーカーものを選んでいたが、ここ最近は手抜きでホームセンターで買ったものを使っていた。実は安物でもポイントさえ押さえておけば、それなりに使えるのだ。しかし、5年振りに袋から出すとカビだらけ。劣化も酷く、とても使える状態ではなかった。やっぱり歳には勝てないよね~(笑)
そこでテントは新たに購入することにする。僕がテントを選ぶときのポイントは、1:シンプルなドーム型。2:ポールがジュラルミン製。3:フライシートが地面まで覆っていること、この3つ。ここを押さえておけば間違いない。さらに重量、防水性、サイズ、メッシュ等などもチェック。ネットで見つけたのが、FIELDOOR(フィールドア)のフィールドキャンプドーム100。内容的にほぼ適合、さらに価格は1万円以下ときている。もちろん使ってみなければわかない部分もあるが、すぐにポチッた。
シュラフは2年前に買った3シーズンの封筒型があるのでそれを使用。一応、防臭スプレーはしておく。マットは自然に膨らむインフレーターマットを持っているのでこれを使う。クッション性が高く寝心地が良い上に、折り畳むとコンパクトになるので自転車の旅に向いているはず。欠点は鋭角なものが刺さるとパンクすること。僕が持っているのはアメリカのサーマレスト製のマットで20年以上前から使っている。空気を入れてみたが、パンクはしていなかった。
この3点あれば最低限のキャンプはできる。さらにテントサイトで快適に過ごすためにチェアがあるといい。いくつか持っているので、リヤキャリヤに載せて全体のバランスを確認する。どれも大きいので、快適さでは劣るが、畳むと縦横約20cm、厚み2cmになるコールマンの超コンパクトチェアにする。ネットで調べたところもっと良さそうなものがいくつか見つけたので、次回はそれを買って試してみようと思っている。それから食べものや飲み物を置くテーブルも必要。これは昔から使っている、折り畳むとコンパクトになる、キャプテンスタッグのアルミロールテーブルを使おう。
どうやらこれまでのモーターサイクルツーリングで使っていたキャンプ用品を、そのままeバイクツーリングでも流用できそうだ。積載量や重量がそのまま体力に影響する自転車の場合は装備選びもシビアになるが、アシスト付きのeバイクなら多少の重量オーバーも許容範囲内だ。
次に調理用品。近くにレストランやコンビニがあるならそこで済ますこともできるが、今回の奥多摩では難しそう。レトルト食品が温められるよう、ガスコンロとコッヘルを持参することにした。コンロは昔からお気に入りで使っているSOTO(ソト)のGストーブ。バーナー部は折りたたむと本のような形なり、厚さも2.5cmとコンパクトになる。さらに燃料はカセットボンベなのでどこでも簡単に手に入る。とにかく使い勝手がいいガスコンロなのだ。
コッヘルもまた20年近く使っている年代物、エバニューのチタンクッカー。軽量で、大小サイズを重ねて収納できるのが利点。簡単に壊れないので、長く使い続けている。さらにチタン製のスプーンとフォーク、友人からもらったスノーピークの分解式のコンパクト箸を一緒に収納。本格的な料理をする気はないが、キャンプ気分を上げるために持ってゆく。
今回のキャンプツーリングは峠越えがあり、走行距離も150km以上を越えるので、交換用のバッテリーを1本携帯。さらに念のため充電器を持参。そのほかに、着替え類、レインウエア、洗面用具、工具、三脚、ブルーシートなどを積み込む。
旅の相棒、ヤマハ・YPJ-TCはリヤキャリヤが標準装備、サイドバッグを取り付ければ即キャンプツーリングに出かけられるのが利点。しかしこれだけの量を積むのは今回が初めて。大丈夫か?と思ったが、バランスよくパッキングできた。加えてハンドル部に、途中で買った食料を積むためのフロントバッグを装着。これで荷物の全重量は約20kgになった。
朝7時、自宅を出発。走り出しは荷物重さやバランスの違いから少しフラついたが、走っているうちに慣れ、気にならなくなった。目指すは東京都の西の端、奥多摩町。60歳を過ぎたおっさんの初めてのキャンプツーリング、どんな旅になるやら……