スポーツも運動も嫌いな超インドア派の妻ヒロコと還暦からeバイクを始めたかんいちのeバイク夫婦日本一周の旅。昨年は東日本を一周。今年は西日本一周を目指して神奈川をスタート中部、関西、四国、九州、沖縄とめぐった。鹿児島から九州を北上、長崎県佐世保までやってきた。
DAY203「本土最西端・神崎鼻へ」
朝7時。日本最西端の地『神崎鼻』へ向かってホテルを出発。荷物はホテルに置いてあるので空身、いつもよりペダルが軽いのでスイスイ進んで行く。往復50km、昼頃には帰ってこられるだろう。
SSKバイパスを西へ向かう。左に米海軍佐世保基地や大きなクレーンのある造船施設が見えるのが佐世保らしい。曇り空だからかいつもより涼しく感じる。これならいいペースで進めそうだ。県道11号から139号、18号とローカルな県道をつないで行く。道は線路と並行して進んだり、田舎道になったり、海が見えたり、変化に富んでいる。
ついに、道路標識に神崎鼻公園の文字が現れた。よし、もう一息だ、自然とペダルを踏む足に力が入る。県道から路地に入ると住宅地になった。狭い道をグングン進んで行くと海沿いに出る、ただ民家が多いので“最果て感”はまったくない。ヒロコは「本当に最西端?」「この道で本当に合ってるの?」不安そうな顔をしている。
小さな漁港の路地を曲がると小さな駐車場とトイレが現れる。ここが神崎鼻公園。すぐ近くに民家はあるし、すぐ近くに平戸島が見える、あまり端っこという感じはしないけど、ここが正真正銘本土最西端の地、神崎鼻。ついに四極制覇。「やったね」「ヒロちゃん、よく頑張ったー!」ふたりで手を取り合い喜んだ。
一度走った道なので帰りはあっという間、昼過ぎには佐世保のホテルに着いてしまった。ひと段落すると、佐世保バーガーを食べに出かける。行こうと思っていた店は一応あったのだが、向かっている途中で暑さに負け、別のお店へ入ることにした。チーズバーガーセットを注文。これがサイドのポテトは揚げたてホクホク、パティも肉感があってジューシー。最高においしかった。ふたり共大満足のランチとなった。
宿泊地:長崎県佐世保市
走行距離:50.5km
総走行距離:8574.2km
DAY204「雨宿りの道の駅でまったり」
昨日、午前中は気温が低くて過ごしやすかったので、今日も朝7時に出発する。できる限り午前中に距離を稼いでおこうと、佐賀に向かってガンガン進んで行く。国道34号はしばらくは市街地が続いたが、磁器焼が有名な有田町から山っぽい景色に変わって行く。
道の駅山内まで2kmの標識が現れた。ヘルメットのインカムで「道の駅に着いたら休憩しよう」と話しているといきなり激しい雨が降ってきた。しばらく橋の下で雨宿り、小降りになるのを待ってから、道の駅に移動した。
自転車と一緒に雨宿りできる場所は少ないので、道の駅はありがたい存在。その後も、雨は降ったり止んだり安定しない。道の駅で工事をしていた大工さんも仕事ができず、ベンチで一服中。どこから来たの?と声をかけられたので、神奈川から日本一周中なんですよと応えると「自転車で神奈川から? オレだったらお金をもらってもやらないな~」その後は、その大工さんが神奈川に住んでいたことがあるらしく、地元の話で盛り上がった。「実は僕の父も大工だったんですよ」「そうか、今は仕事がなくて大変だよ」束の間、楽しい時間を過ごした。
再び自転車に跨り、武雄神社までやってきた。神社は『武雄のあかりめぐり』の期間中で境内にカラフルな傘が飾られていた。夜になるとこの傘がライトアップされるらしい。本殿を参拝した後は竹林の小道を歩いて武雄の大楠へ。樹齢3000年以上といわれている武雄神社の御神木でその大きさと存在感に圧倒された。
ヒロコがかなりきつそうにしているので、エアコンが効いているマックに入り体を休めた。椅子に座り涼しくなるとかなり疲れていたようで、あっという間に眠ってしまった。しばらく仮眠をとり、30分くらいしてから佐賀のホテルへ向かう。着いたホテルの受付はアジア系の外国人で、お客さんもほとんどが外国人。飛び交う外国語、ここはどこの? まるでアジアのどこかの国を旅している気分になった。
宿泊地:佐賀県佐賀市
走行距離:71.5km
総走行距離:8645.7km
DAY205「学生だらけの大宰府天満宮」
今日の天気予報、福岡の最高気温38度。今日も暑くなりそうだ。少しでも体力の消耗を抑えるため、木や建物で日陰になっている歩道や路肩を選んで進んで行く。11時半に大宰府に到着。少し早いがエアコンの効いたファミレスでランチにする。食べ終えるとドリンクを飲みながらSNSを書いたり、ホテルの予約をしたり、スマホ作業。
気が付くと午後1時を過ぎていた。外に出るとうだるような暑さ。すでに気温は35度を超えている。10分ほどで大宰府天満宮に到着。自転車を停めて、参道へ向かうと、夏休みということもあり学生がいっぱい。さすが学問の神様といわれるだけのことはある。僕たちは年齢的には完全に手遅れなのだが、それでも少しでも頭が良くなればと思い、参拝をした。
宿まであと5km、もう少しというところで稲妻が光り始め、かなり怪しい雲行きになってきた。何とか雨に濡れずにホテルにたどり着きたい、必死にペダルをこぐ。ポツポツと来たところで、たまらずコンビニの軒先に逃げ込んだ、次の瞬間、ザーッ!滝のような雨が地面を叩き始めた。くそー、もうすこしだったのに。
しばらく待つが止みそうにない。スマホの雨雲レーダーでも止むのは1時間後となっている。まさかここに1時間もいるわけにはいかない、カッパを着ると意を決し、雨の中へ突入。5分で全身びしょ濡れになった。ホテルの受付に入ると、スタッフの人が心配してタオルを持ってきてくれた。ありがたい。小さな思いやりが身に染みる。今日は疲れたので夕食はレトルト食品で簡単に済ませ、早目にベッドに入った。
宿泊地:福岡県篠栗町
走行距離:59.5km
総走行距離:8705.2km
DAY206「励ましの言葉をパワーに」
今日は一日休養。僕は月に3回やって来る旅ノートの原稿書き、朝から一日パソコンに向かってパチパチ……キーボードを叩く。ヒロコは疲れた体を整えるため電車に乗って整体院へ。今日は一日別行動。僕は正直なところeバイクで走るより、パソコンに向かっている方が何倍も疲れるタイプ。それでも何とか、襲ってくる睡魔と戦いながら、頑張りました(笑)。夜は嬉しいことにヒロコの仕事仲間が家族を連れてホテルまで遊びに来てくれました。励まし、応援の言葉もたくさんいただき、いい感じでパワーチャージ。明日からまた頑張るぞー!
宿泊地:福岡県篠栗町
走行距離:0km
総走行距離:8705.2km
DAY207「日本一の涅槃像」
泊まったホテルAZは朝食付き。バイキングなので納豆、サラダ、焼魚、玉子焼き、ミートボール、ひじき、ヨーグルトなど、朝から思い切り食べまくった。腹ペコじゃ力が入らないからねー。今日の目的地は北九州だが、ホテルから数km離れたお寺に巨大な涅槃像があるという情報をキャッチ、行ってみることにする。
国道201号、上り坂を30分ほど走ると山の中にある南蔵院に到着した。まずは本堂をお参り、それから涅槃像を観に行く。トンネルを抜け、階段を登ると大きな涅槃像が目に飛び込んでくる。想像以上に大きい。全長41m、高さ11m。タイ・バンコックのワットポーも大きかったが、負けず劣らず大きい。日本に大きな涅槃像があることを知ったのは数日前。日本にも知らない場所がまだまだたくさんある。
国道201号で山を下り、飯塚から国道200号を北上する。時々遠賀川沿いに延びる自転車道路へ移動したりしながら北九州を目指す。九州の旅もかなり終わりに近づいているので、このあたりでとんこつラーメンを食べておきたい。しばらく行くと、筑豊ラーメン『ばさらか』という店があってので入ってみる。メニューからからし高菜の入ったばらさかラーメンをチョイス。高菜は少ししょっぱかったが、とんこつスープに細麺が良く絡む、美味しいラーメンだった。
国道を走っていると、いつの間にか北九州市に入っていた。ビルや高層マンションがぐっと増えた。今日も早く出発したので早目に着きそう。ショッピングセンターのフードコートでしばらく休憩、エアコンでクールダウンしてからホテルへ向かいチェックイン。少し夏バテ気味なのか、今日はあまり食欲がないので夕食はパンときゅうりとチーズだけにする。その代わり明日の朝はバイキングなので、がっちり食べるぞー
宿泊地:福岡県北九州市
走行距離:63.6km
総走行距離:8768.8km
DAY208「大学生2人組と出会う」
ホテルを出発。道が高架の下なのでとても涼しい。ペダルを踏みながら「ずっと高架の下だったらいいのにね♪」ヒロコと笑っていたら、高架は東港まで、その後はいつもの通り強い日差しを全身に浴びることに(笑)。小倉駅を過ぎ、しばらくすると海が見えてきた。門司駅近くの赤煉瓦の建物を撮影していると年配の人が声をかけてきた。話をすると長野の人で写真を撮りながら西日本をひとり旅をしているという。奥さんは?と尋ねると「別々の方がお互い気楽でいいんだよ」と笑った。なるほど夫婦も十人十色なんだな。
海岸線を走っていると遠くに関門橋が見えてきた。九州に渡ってきたのは2か月近く前、ずいぶん時間が経ったような気がする。門司港は軽く流し、再び関門トンネル人道にやってきた。780m自転車を押して歩くのは大変だが、トンネル内は涼しいのが救い。県境に着くと記念写真。九州とはここでお別れ、本州の旅が始まる。
下関の国道沿いにあるコンビニで休憩。アイスを買って外に出ると、駐車場に荷物満載の自転車が2台停まっていた。珍しく旅人だ。しばらくすると学生らしき2人組が出てきた。話をすると大学生で東京から鹿児島を目指しているという。自転車にギヤは付いているが、ほぼママチャリ、こんな自転車でここまでよく来たなと感心する。
足元はサンダル、前かごには洗ったパンツが風で揺れている。若さが眩しい。ひとりの自転車が調子が悪いというので見てみると、リムが大きく歪みフレームに当たっているではないか。「あれ、ホントだ~」「だからペダルが重かったのか~あはは……」トラブルを笑い飛ばすふたり。これが若さというやつか。僕たちはふたりと話をしているだけで楽しい気持ちになった。よし、還暦越えの僕たちも頑張るぞ~
僕は元気だが、ヒロコはかなりお疲れの様子。気温35度を超える暑さの中、荷物満載の自転車をこいでいるのだから、当たり前か。日陰を見つけると休憩、水分を取ったり、凍ったペットボトルを首にあててクールダウン。焦らず、無理し過ぎず、自分たちの速度で進んで行く。
県道33号は民家がポツポツ点在する田舎道でコンビニもない。ひたすら走り続ける。ようやくコンビニが登場したと思ったら、今日泊まる予定の美祢市に来ていた。町にある唯一のファミレスで遅めの昼ごはん。しばらくエアコンの中で休んだ後、予約していたビジネスホテルへ向かった。
着いたのは平屋建てのコンパクトなホテルだった。スタッフの人が親切で嬉しいことに部屋の中に自転車を入れていいという。スペース的に2台はどうかと思ったが、バッチリ入った。今夜は久しぶりに愛車と一緒に寝られる、ハッピーな夜となった。
宿泊地:山口県美祢市
走行距離:61.6km
総走行距離:8830.4km
DAY209「秋吉台を走り抜け萩へ」
日本三大カルストのひとつ、秋吉台へ向かう。四国カルストは標高1400m位あり苦労したが、秋吉台は標高200~400mと低いので、ヒロコでも問題ないだろう。美祢からしばらくはのどかな田舎道が続く。カルストロードに入り、秋芳洞の入口を過ぎると上り坂になる。秋吉台展望台へ登ると広々とした大地が広がった。石灰岩が一面に点在、これぞカルスト台地という感じだ。
さあカルストロードを走ろうかと思ったら、ヒロコが秋芳洞へ行こうと言う。今回はヒロコの体力を温存するためパスしておこうと思っていたが、珍しくヒロコが行きたいと主張。よし、行こうということになる。
エレベーターで地下の鍾乳洞へ。ドアが開くとヒンヤリ、寒い。目の前には地下とは思えない巨大空間が広がっている。ヒロコはいきなり真っ暗な世界になり人の気配もないからか「怖い~」と腕にしがみつく。
鍾乳洞の中には百枚皿や黄金柱など、自然が作り上げた様々な形の石灰岩や鍾乳石があり、見応えがあった。40分ほど歩いたがあっという間だった。再び自転車に跨りカルストロードへ向かう。秋芳洞へ入る前は曇っていたが、青空が広がっていた。カルスト台地を気持ちよく走り抜けて行く。
小まめに休憩をしながら進んで行く。県道と国道を組み合わせ最短距離で萩に到着。チェックインまで時間があるので観光案内所で地図をもらって、萩の町を観光する。萩城下町のなまこ壁や、昔ながらの風景の中を最新の乗り物eバイクで走って行く。
萩城のお堀をみると亀がたくさんいる。僕たちの姿を見つけると、一心不乱に泳いでくる。鯉ではよくあることだが、亀がくびを伸ばして「何かくれ」と僕たちに訴えてくる。なんとも不思議な光景だった。今日は久しぶりのゲストハウス。部屋は相部屋。夜は共同キッチンで自炊。薄めの味付けにした優しい野菜炒めを作って食べた。外食は濃い味が多いので、たまに自炊ができるとホッする。
宿泊地:山口県萩市
走行距離:58.8km
総走行距離:8889.2km
ヤマハ発動機
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セナブルートゥースジャパン
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ステムデザイン
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武田レッグウェアー
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