eバイク旅ノート Vol.89 eバイク日本一周29「目指せ、天空絶景の四国カルスト!」

60歳オーバーの夫婦が始めたeバイクで行く日本一周。昨年は東日本を一周。今年4月から西日本を一周する旅がスタート。神奈川から西へ、岡山から香川へ渡ると四国の旅が始まった。時計回りで四国を半周、高知市までやってきた。

DAY137 ひろめ市場でかつおのたたきを堪能

今日は高知市のゲストハウスに連泊。午前中は洗濯。昼ごはんに合わせて、高知市内の人気観光グルメスポット『ひろめ市場』へ向かう。入口前でSNSで繋がっていた高知のMachiちゃんと合流「初めまして」のご挨拶をする。簡単な自己紹介をしながら市場内へ入って行った。

ブラブラと市場内を散策。海鮮系、揚げ物系、中華系、インドカレーからデザートまで何でもある。休日のお昼時間なので人がいっぱい、ほぼ満席状態だが、歩き回り何とか席を確保した。

席にいると地元のMachiちゃんがおすすめのお店から『かつおのたたき』買ってきてくれた。食べてみるとこれが肉厚で味が濃厚、最高に美味しい。塩味で食べたのは初めてだったが、カツオ本来の味がダイレクトに感じられて良かった。本場のかつおのたたきは別次元だった。これが味わえたのもMachiちゃんのおかげ、感謝です♪

宿泊地:高知県高知市
走行距離:0km
総走行距離:6262.6km

ひろめ市場
高知市名所の『ひろめ市場』でMachiちゃんおすすめの鰹のたたきをいただいた。塩のみで食べたのは初めてだったが、本当に美味しかった
高知駅前の顔出しパネル
高知駅前にある顔出しパネルには、ちくきゅう、イタドリ、ケンカシャモ、ゆず、土佐あかうし、鰹のたたきなど高知の名産品が詰まっている

DAY138 雨の高知でしばし停滞

朝から強い雨が降っている。今日は外出はせずにホステルのカフェルームで原稿書き。ヒロコもパソコンとスマホを使ってセッションのお仕事をする。こんな風に旅をしながらいろんな場所で仕事ができる、いい時代になった。

明日は天気が回復しそうなので四国旅のハイライト、『四国カルスト』へ向かう予定だ。あの景色をヒロコに見せたいと思っていたのでとても楽しみなのだが、一方、いくつか問題が出てきた。一つは標高が高いので体力的に相当大変だということ、これはヒロコに頑張ってもらうしかない。

もう一つは四国カルストのキャンプ場に電源がないこと。どこで充電しなければカルスト台地を超えて松山まで走れない。どこか電源を借りられそうなところないか?たくさんの情報を集めておく。AプランがNGの時はBプランという感じ、あとは現地対応あるのみ。最大の難関であり最大の楽しみでもある四国カルスト。期待に胸が膨らむ。

宿泊地:高知県高知市
走行距離:0km
総走行距離:6262.6km

ENホステル
日本一周ではいろんなスタイルの宿に宿泊している。高知市では安く泊まれる2段ベッドのドミトリータイプ(相部屋)のENホステルに宿泊

DAY139 見知らぬ女性からの差し入れに感激

「やったーっ!」朝から快晴だ。出発の準備をしているとMachiちゃんが出勤前の時間を使って見送りに来てくれた。なんていい子なんだ、ありがとう。良いパワーをもらった。

高知市内を西へ、国道33号から国道56号へスイッチして須崎へ向かう。コンビニで休憩していると女性がやって来て「途中でおふたりのことを見かけて、これよかったら飲んでください」と言ってジュースを4本差し入れしてくれた。ありがたい。こんな風に僕たちの行動を見てくれて、応援してくれる人がいる。感謝の気持ちで胸が温かくなった。

須崎ではまゆみの店で『鍋焼きラーメン』を食べようと決めていた。着くと年季の入ったレトロなお店でメニューは鍋焼きラーメンの塩&醤油のほか、キムチ鍋焼きラーメン、カレー鍋焼きラーメンなどがあった。ここは王道の鍋焼きラーメンの塩と醤油を注文する。

熱々の土鍋に入ったラーメンは腰のあるシコシコ麺で喉越しがいい。麺を食べたあとは残ったスープにごはんを入れて、雑炊にして食べる。凝りすぎていない、シンプルで美味しいラーメンだった。

須崎の道の駅で少し休憩してから、予約していた宿がある津野町へと向かった。国道197号に入るとガクッと交通量が減り、自然の色も濃くなる。午後4時過ぎ、小さな町にある『葉山の郷』に着いた。ここは農業体験施設の一部を宿泊施設としている。10畳位ある大きな畳部屋に荷物を下ろすと、歩いて10分ほどのスーパーへ行きお弁当と惣菜を購入。施設の食堂でゆっくり食べた。

食後に四国カルスト(標高約1400m)行きの作戦会議。まず四国カルストに2つ宿泊施設あるのだが、どちらもまさかの定休日。ただカルスト内にある姫鶴平キャンプ場は宿泊可能(電源なし)なことがわかった。

そこで作戦が決まった。まず四国カルストへ続く林道の入口の町、芳生野にカフェが1軒あるので、そこで充電させてもらい四国カルスト(1400m)まで上る。カルストにある『カルストテラス(自然学習センター)』で再び充電をお願いする。この二箇所で充電できれば、四国カルストでキャンプ場して翌日には松山まで走れるはず。どちらにしても充電できるかどうかは相手次第。あとは幸運を祈るのみだ。

宿泊地:高知県津野町
走行距離:52.8km
総走行距離:6315.4km

高知城をバックに記念撮影
高知市を出る朝、高知城をバックに記念撮影。特に『城めぐり』を意識しているわけではないのだが、日本一周では多くの名城を訪ねている
鍋焼きラーメン
徳島で会ったやまちゃんおすすめ、須崎市にある『まゆみの店』で食べた名物の鍋焼きラーメン。残ったスープを使って食べる雑炊も美味しかった
ローソン須崎かわうその里店
ローソン須崎かわうその里店の屋根の上に乗った『しんじょうくん』。外壁や店内の壁にもたくさんのしんじょうくんが描かれている
新庄川
須崎から新庄川に沿って延びる国道197号に入り、津野町へと向かって走ってゆく。車が減り景色も山や緑が多くなりローカルな雰囲気になる

DAY140 充電問題を乗り越え四国カルストへ

朝起きると天気は上々。ヒロコも張り切っている。国道197号は緩い上り坂が続いた。道の駅布施ヶ坂に到着すると自転車が一台停まっていた。若い青年で彼も四国カルストを目指していうという。須崎から登ってきて、すでにかなり疲れている様子だったので、ジュースを差し入れ。最後まで諦めずに頑張れ。ぜひカルストで再会しよう。

津野町役場近くから国道439号へ入ってゆく。芳生野に着くとまさかの事態が待っていた。充電をさせてもらおうと思っていたカフェがまさかの休み。ベルを鳴らしてみるが反応がない。ここで食事をして充電をお願いしようと思っていたのに、いきなり窮地に立たされる。

ほかに充電をお願いできそうな場所を探し回るが民家ばかり。さらに探し続けると『農家食堂cafeイチョウノキ』なる看板があった。しかし運悪く土日祝のみ営業となっている。店のある敷地を覗くと作業をしている人の姿があった。ダメモトでお願いをしてみると「それなら、ここで充電していいよ」と親切に応えてくれた。「ありがとうございます!」よかった、助かった〜。さらにお昼ごはんも作ってもらえることになり、ラッキーの連続となった。

90%近く充電できたので出発する。『農家食堂cafeイチョウノキ』には本当にお世話になった。感謝です。林道に入ると上り坂が延々と続いた。坂の傾斜がきつくなるとヒロコが腰に負担がかかり痛いという。こまめに休みを取りながら、焦らず、無理しすぎず、ゆっくり上って行く。

ペダルをこぎ続けること約2時間。ついに四国カルストの天狗高原に到着した。やった。ここまで大変な上り坂は初めて、ヒロコはついに最後まで上り切った。『カルストテラス』でバッテリーの充電の相談をすると快く承諾してくれた。よかった、これで松山まで走れる。コーヒーやスイーツを食べながら、1時間半ほど充電させてもらった。お礼を告げると四国カルスト公園縦断線へ向かった。

草原の道を上ってゆくと、緑の大地に白い石灰岩が点在する、雄大なカルスト台地が視界いっぱいに広がった。ヨーロッパを思わせる風景にヒロコも感激している。絶景を30分ほど走るとカルスト台地の中にあるキャンプ場に着いた。カメラを向ける人がいると思ったらSNSで繋がっていた愛媛の鈴木さんだった。遠いのでまさか来てくれるとは思わなかった。わざわざ車でキャンプ場まで応援に駆けつけてくれたという。さらにケーキとみかんジュースの差し入れまで。本当に感謝です。

宿泊地:愛媛県久万高原町
走行距離:47.3km
総走行距離:6362.7km

布施ヶ坂公園
国道沿いある道の駅布施ヶ坂の隣にある『布施ヶ坂公園』には、展望台と長いローラースライダーがあり、大きな天狗の口の中を滑り抜けてゆく
農家食堂cafeイチョウノキ
eバイクのバッテリーを充電させてもらった『農家食堂cafeイチョウノキ』では、休業日にも関わらず美味しいうどんまで作ってくれた
四国カルスト台地を目指す
国道439号から県道と林道を使って『四国カルスト台地』を目指す。どこまでも続く上り坂。アシストがあるとはいえ、長時間の上りはきつい
腰を曲げ伸ばしするヒロコさん
腰にヘルニアを抱えているヒロコ。ハードな上りが続くと腰の痛みが増すようで、時々自転車を降りて腰を曲げたり伸ばしたりしていた
カルストテラスのスタッフと
『カルストテラス』で充電に応じてくれたスタッフさん。感謝です。ここにはeバイクのレンタルもあるので、ぜひカルストをサイクリングを楽しもう
天狗高原展望台への上り
カルストテラスから『天狗高原展望台』へ向かって上ってゆく。カルストに着いて気が抜けていたヒロコは、再び現れた上り坂を眺めながら苦笑い
鈴木さんと
車で遠くからカルスト台地まで駆けつけてくれた鈴木さん。いただいた差し入れは、頑張って坂道を上ったヒロコへの良いご褒美になりました♪感謝
四国カルスト台地の夕日
四国カルスト台地でのキャンプはこの旅で実現したいことの一つだった。曇り空で満天の星は見られなかったが、美しい夕日を見ることができた
カルスト台地のキャンプ場で夕ごはん
カルスト台地のキャンプ場で夕ごはん。荷物を軽くするためカップラーメンだけの予定だったが、鈴木さんの差し入れのおかげで豪華になった

DAY141 標高1400mからダウンヒル

昨晩は曇り空で満天の星とはいかったが、きれいな夕日を見ることができ、大満足だった。朝のカルスト台地をeバイクでめぐり絶景をたくさん写真に収めた。姫鶴平を離れると、いよいよダウンヒルが始まる。木々に囲まれた森の道をひたすら走る、走る、走る! あまりにダウンヒルが長く続くのでブレーキレバーを握る手がだんだん痛くなってきた。

国道33号に出ると急勾配の下り坂は終わったが、緩やかな下り坂はまだまだ続いた。ヒロコが「眠い」といい始めたので道の駅『天空の郷さんさん』に入り休憩にする。日陰のベンチに座った瞬間から落ちるように爆睡、15分くらい寝るとスッキリした顔になった。標高720mの『三坂峠』を越えると松山までほぼ下り坂が続いた。

80km近いので松山着は6時過ぎと思っていたが、下りが多かったからか、5時前に到着した。松山の宿はマンションの一室に泊まるタイプ、事前にカード決済しているので、エアキーで部屋の受け取りセルフチェックイン。キッチンや洗濯機もあるので普通のホテルより便利かも。簡易的なソファもあるのでくつろげそうだ。四国カルストで頑張ったので2日間松山でゆっくりしよう。

宿泊地:愛媛県松山市
走行距離:78.7km
総走行距離:6441.4km

カルスト台地
朝、再びeバイクでカルスト台地を走り回った。丘を越える度に違う景色、綺麗な場所が無限にあるのでなかなか立ち去ることができなかった
カルスト台地
何度来ても四国カルストの雄大な景色には感動する。ここでしか見られない特別な景色を、夫婦でeバイクと一緒に見ることができた。まさに感無量
山道を下る
愛媛県の山道をひたすら下る。急勾配の下り坂からなだらか下り坂まで2時間以上続いた。ヒロコが「こんなに上っていたんだ!?」と驚く

DAY142 松山市内でひと休み

松山に住むヒロコの友人と一緒にお昼ごはんを楽しんだ。夕方からヒロコは整体へ行って体をメンテナンス、夜はリモートで仕事。僕は洗濯したり原稿書きをしたり、体を休めつつ仕事をこなした。

宿泊地:愛媛県松山市
走行距離:0km
総走行距離:6441.4km

ヒロコさんの友達と
松山市では市内に住むヒロコの友達と合流。一緒にランチ、僕は愛媛県のグルメ『宇和島の鯛めし』を食べた。最後は鯛茶漬けにしたがどちらも美味しかった

Day143 蛇口からみかんジュースが松山流?

お昼ごはんは松山の名物のひとつ『鍋焼きうどん』を食べに行く。『ことり』はアーケードから少し入った場所にあるこぢんまりとしたお店で、メニューは鍋焼きうどんといなり寿司のみ。

しばらく待つとアルミ鍋に入ったアツアツのうどんが運ばれてきた。具は牛肉、刻み油揚げ、ネギ、かまぼこ、玉子とシンプル。熱々な麺をフーフー言いながら食べる。麺は柔らかめ、出汁はさっぱりしている、初めてなのにどこか懐かしさを感じる素朴なうどんだった。

午後は路面電車に乗って道後温泉へ行った。約3000年の歴史を持つ日本最古と言われる道後温泉。国の重要文化財に指定されている『道後温泉本館』は保存修理工事中のため入浴できなかったが、開放中の皇室専用浴室『又新殿』を見学した。

その後松山の名物になっている、蛇口から出るみかんジュースを堪能。最後にリフトに乗って松山城へ登り、松山の街を一望。絶景を楽しんだ。さあ、松山を出たら、いよいよ『しまなみ海道』だ。

宿泊地:愛媛県松山市
走行距離:0km
総走行距離:6441.4km

鍋焼きうどん
松山の名物が『鍋焼きうどん』だと知り、名店『ことり』行ってみた。アルミ製の鍋に熱々のうどん。変に着飾っていない素朴なうどんだった
飛鳥乃温泉の中庭
道後温泉。新たな温泉文化を発信する拠点として誕生した『飛鳥乃温泉』、中庭にはカラフルな蜷川実花のインスタレーションが床全面に広がっていた
蛇口からみかんジュース
道後温泉周辺では蛇口から出るみかんジュースが楽しめる。三種類の飲み比べができるというので試してみたが、僕は不知火が好みだった

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