eバイクって一体何だ?

eバイクって一体何だ?

新しい生活様式の中で問われる人のいない所でのアクティビティの急先鋒が、欧州をはじめ世界で人気沸騰中のeバイク。まずは、その仕組みや基本をご紹介。

自転車の魅力って何だろう? 人によって違う答えが返ってくるのは当たり前だが、「自由自在な移動で、見たことのないものが体験できること」と言えば、多くの人がしっくりくるだろう。ロードバイクは200年に及ぶ自転車の歴史の中で、より速く、より楽に走るために変速機から軽量素材、エアロ性能を手に入れて進化してきた乗り物だが、こと垂直方向への移動は、常に重力に悩まされる。eバイクは、近年飛躍的に進化したモーターとバッテリーによる電動アシストの力を借りて、この垂直方向、つまり上り坂を楽にしてくれる乗り物だ。

 月刊『サイクルスポーツ』にもスポーツと名が付いていることから分かるとおり、従来自転車は実用用途かスポーツであることが中心だったが、eバイクはそのスポーツライディングから「つらい」を取り去る乗り物。こうしてサイクリングの「楽しさ」だけが残ることで、人力だと到底目指せないような峠を上りながら、ジョギング程度の程よいフィットネスレベルと、仲間と会話や景色を楽しめる余裕が生まれる。

 人生における余暇を重要視するヨーロッパ人が、このeバイクでのサイクリングの魅力を発見したことで、この10年の間に瞬く間に人力のスポーツサイクルを追い抜いて、ヨーロッパで年間213万台を出荷するに至った。

 新しい生活様式を問われるこの時代、より安全に、そして人のいない所で自然を感じてリフレッシュできるeバイクは、時代に合ったアクティビティと言える。まずはバイク選びの前に知っておきたい、その仕組みや使い方について紹介していこう。

一般用電動アシスト自転車とeバイクって何が違うの?

一般的な電動アシスト自転車とスポーツ用に設計されたeバイクの違いは、何と言ってもスポーツ性能。電動アシスト自転車は、乗り降りのしやすさを最優先に考えた設計でバッテリーをシートチューブ後ろに設置したモデルが多く、ホイールベースの長さからハンドリング性能は劣り、そもそもフレームの設計自体がスポーツ走行を前提に設計されていないものが多い。ドライブユニットもeバイク用のスポーツユニットに対して大きく重く、レスポンスにも劣る。そして多くの場合、BB部分にユニットが搭載されるのはeバイクと同じだが、BB軸を直接アシストするeバイクの一軸式と異なり、軽快車ではBBの後ろでチェーンに対してアシストする2軸式が主流。あくまで実用ありきが電動アシスト自転車だ。

スポーツ走行に特化したライドフィールを実現

スポーツサイクルを電動アシスト化したeバイクは、例えばMTBのような雨・泥の中での過酷な走行を想定しており、耐振動性能や防滴性能を持っているユニットが多い。また、自転車の本体となる部分はスポーツサイクルそのものであるうえに、ユニットとバッテリーは徹底的に軽量コンパクト化され、かつ配置は考え抜かれており走行時の違和感は少ない。一方でアシスト付きの登坂性能は、壁のような坂を誰でも笑顔で上ることができる快適さだ。

日本中でeバイクの活用が広がっている!

国内でもe バイクを使ったサイクルツーリズムやガイドツアーが各地で始まりつつある。そもそも国土の7割が山岳部という世界的に見ても稀な地形を持つ日本では、サイクリングや観光にはe バイクの方がメリットは大きく、ポテンシャルも高い。しまなみ海道や伊豆半島、房総半島では大規模なレンタルが行われているだけでなく、バッテリーの充電ネットワークも整備・計画されており、eバイクを楽しむ環境が整いはじめている。

電動アシスト自転車は、実は日本発祥!国内では2016年よりスポーツ用途として拡大

日本の都市部で所有率が高い電動アシスト自転車(軽快車)は、約25年前にヤマハが発売したPAS(パス)が世界初の量産モデル。日本では主に実用に特化したモデルを中心に普及してきたが、ヤマハがスポーツ用ドライブユニットを搭載したYPJ-Rを2015年末に国内で発売。その後2017年からシマノやボッシュもドライブユニットを日本市場で発売し、日本で本格的にeバイクが認知され始めた。

ライター:難波ケンジ(自転車ジャーナリスト)

eバイクの黎明期より20年以上にわたってその変遷を見つめてきた、国際自転車ジャーナリスト。日本にeバイクを紹介した最初の人物として知られ、山岳地帯の多い国土を生かした日本ならではのeバイクの遊び方を日々模索し、広めている。2019年全日本MTB選手権e バイクエキシビション5位。

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